順天の長塚校長 時代を読む 早稲田大学政治経済学部のサンプル問題の意味
★長塚先生は、一般財団法人東京私立中学高等学校協会副会長でもあり、文部科学省に対し「高大接続システム改革会議」の委員をはじめ、多くのワーキンググループのメンバーとして助言もされてきたし、現在もしている。
★したがって、長塚先生の時代を読む眼差しには、ユートピア志向ではなく、現実を踏まえながらいかに明日の希望を開いていくかという客観的かつ科学的な構えがある。
★アルビン・トフラーやリチャード・フロリダの未来社会・都市学者の資料も読破しているし、何より実際に海外の学校やNGOとの交流をつくり、学内をグローバルイマージョン状態にしている。
★そのような教育活動が国と地域、学校ネットワーク、学内と相乗効果を生みだしていることは明らかで、今回文部科学省は、私立の中学校・高等学校及び中等教育学校の教育に長く従事し、その功労が顕著な者及び私立学校教育の振興に特に功績のあった者として、日本私立中学高等学校連合会創立70周年記念式典において、文部科学大臣表彰を長塚先生に授けることにした。
★そのようなプロフィールの長塚先生が、2021年に早稲田大学政治経済学部が実施する一般入試のサンプル問題を通して、これからの教育や大学入試の変化について語ってくれた。
★長塚先生は、文科省の課長クラスは今回のサンプル問題に関しては、早稲田大学はがんばっているという評価が大勢だという。以前の重箱をつつくような選択肢問題は、なんとかならないかというのは、受験業界や経産省のメンバーも指摘していた。
★外から見ていたら、ようやく動いたという感じなのかもしれないが、関係者からみたら、先頭立って動いたのは、さすがだということのようだ。というのも、長塚先生は、このサンプル問題は、ひろく現場レベルでは、どうやって対策すればよいのかとすぐにクレイムがでる。早稲田の政経学部だから大胆に決断できたというコトもあるだろうと。しかし、何年も前から、できるところから変え、昨年新思考問題などでしっかり作成・編集・採点までできる準備が整ったからというのが本当は大事なところだという。
★突然やろうと思ってできるものでないことは、組織をマネジメントしている側はよくわかるということだ。そして、ここからさらに大事なところだが、長塚先生は、J大学も動くだろう。何年も前から組織内では議論がされてきたが、早稲田が動くタイミングで、動きやすくなったのではないかと。
★ただし、そこが動くときは、もう少し大学入試の動きがダイナミックになっているというのだ。そこが考えているのは、AO・推薦入試は、ポートフォリオにシフトし、一般入試は共通テストのみにする。そして今回の早稲田の政経のサンプル問題のような入試も実施するが、これらは全部一本化するだろうと。
★つまり、AO入試と一般入試を一つにして探究総合型入試のようなものに大きく舵をきるだろうと。私立大学は、国立大学に先駆けて欧米の大学入試制度にシフトしてしまえば、世界大学ランキングで、国立大学を凌ぐことができる確率が高くなる。
★なぜなら、大学入試問題が変わるというコトは、入学してくる生徒の質も変わるし、シラバスも変わるから、世界大学との通約可能性が高くなるからだ。
★すると、現場で対策をどうするかだが、順天は知識理解を中心とする系統学習は授業できっちりやっているし、探究学習はSGHプログラムやグループコミュニケーションでトレーニングしているから大丈夫ですねと尋ねると、そうは簡単ではないよと。
★サンプル問題のような問題を、本校の系統学習と経験学習の両方を自分の中で統合することができる生徒は大丈夫だろうが、全員が統合できるかというと、今までの経験からいって、そうはいかない。やはり、その統合を踏まえた授業をやらなくてはいけない。SGHのような経験学習は、興味と関心をもったものを展望を持ちながら深堀していくわけだけれど、そこで体得した学び方を、自分の興味と関心をもっていないものすべてに応用・適用できるかというと、それは経験値として不足する生徒の方が多いだろう。
★やはり、PBL型授業にして、多面的な切り口や視点を生みだしたり活用したりするトレーニングプログラムは、きちんと作成して試行錯誤していく現場の創意工夫は必要になるだろうと。現在、本校の教員は、その方向の授業の創意工夫を始めているのもそういう背景があるんだねというのだ。
★長塚先生の話に耳を傾けながら今のお話はこんな感じになりますかと図式化したものを見て頂いた。まっ、そんな感じかなということだった。パワーポイントに書き起こしながら、これはやはり新タイプ中学入試が未来の大学入試に直結していく話だなと感じた。緑の楕円はあとから私が付け足した。
★長塚先生は、文科省の課長クラスは今回のサンプル問題に関しては、早稲田大学はがんばっているという評価が大勢だという。以前の重箱をつつくような選択肢問題は、なんとかならないかというのは、受験業界や経産省のメンバーも指摘していた。
★外から見ていたら、ようやく動いたという感じなのかもしれないが、関係者からみたら、先頭立って動いたのは、さすがだということのようだ。というのも、長塚先生は、このサンプル問題は、ひろく現場レベルでは、どうやって対策すればよいのかとすぐにクレイムがでる。早稲田の政経学部だから大胆に決断できたというコトもあるだろうと。しかし、何年も前から、できるところから変え、昨年新思考問題などでしっかり作成・編集・採点までできる準備が整ったからというのが本当は大事なところだという。
★突然やろうと思ってできるものでないことは、組織をマネジメントしている側はよくわかるということだ。そして、ここからさらに大事なところだが、長塚先生は、J大学も動くだろう。何年も前から組織内では議論がされてきたが、早稲田が動くタイミングで、動きやすくなったのではないかと。
★ただし、そこが動くときは、もう少し大学入試の動きがダイナミックになっているというのだ。そこが考えているのは、AO・推薦入試は、ポートフォリオにシフトし、一般入試は共通テストのみにする。そして今回の早稲田の政経のサンプル問題のような入試も実施するが、これらは全部一本化するだろうと。
★つまり、AO入試と一般入試を一つにして探究総合型入試のようなものに大きく舵をきるだろうと。私立大学は、国立大学に先駆けて欧米の大学入試制度にシフトしてしまえば、世界大学ランキングで、国立大学を凌ぐことができる確率が高くなる。
★なぜなら、大学入試問題が変わるというコトは、入学してくる生徒の質も変わるし、シラバスも変わるから、世界大学との通約可能性が高くなるからだ。
★すると、現場で対策をどうするかだが、順天は知識理解を中心とする系統学習は授業できっちりやっているし、探究学習はSGHプログラムやグループコミュニケーションでトレーニングしているから大丈夫ですねと尋ねると、そうは簡単ではないよと。
★サンプル問題のような問題を、本校の系統学習と経験学習の両方を自分の中で統合することができる生徒は大丈夫だろうが、全員が統合できるかというと、今までの経験からいって、そうはいかない。やはり、その統合を踏まえた授業をやらなくてはいけない。SGHのような経験学習は、興味と関心をもったものを展望を持ちながら深堀していくわけだけれど、そこで体得した学び方を、自分の興味と関心をもっていないものすべてに応用・適用できるかというと、それは経験値として不足する生徒の方が多いだろう。
★やはり、PBL型授業にして、多面的な切り口や視点を生みだしたり活用したりするトレーニングプログラムは、きちんと作成して試行錯誤していく現場の創意工夫は必要になるだろうと。現在、本校の教員は、その方向の授業の創意工夫を始めているのもそういう背景があるんだねというのだ。
★長塚先生の話に耳を傾けながら今のお話はこんな感じになりますかと図式化したものを見て頂いた。まっ、そんな感じかなということだった。パワーポイントに書き起こしながら、これはやはり新タイプ中学入試が未来の大学入試に直結していく話だなと感じた。緑の楕円はあとから私が付け足した。
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