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2018年11月29日 (木)

未来を拓く学校を探す (20) 聖セシリア 大切な3つの力を一つに束ねて未来を創る 

12月2日(土)、相模女子大学中学部・高等部本校舎で、「新入試体験 私立中コラボフェスタ」が行われる。聖セシリアも参加する1校である。当日講演の部と体験の部があるが、同校は両方の部で、実施予定の「グループワーク型入試」について語り、ワークショップを行う。

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(12月2日実施の「統一合判」の「解答解説」の冊子「ブレイク」に6ページという大作記事で掲載されている。)

★2科目4科目以外に、このような新入試を行えるというコトは、教育の質が豊かだということを示唆している。中学入試市場は、1986年に大衆化が加速して劇的に増えたが、当初のビジョンとは違う方向に進んでしまった。大学合格実績に特化したカリキュラムが多くの私学の中心になったときがある。

★知識・理解思考に特化し、論理的・創造的思考にマスクをかけた。これがどんな歪な人格に影響を与えてしまうかは、私学は1998年・99年のバブル崩壊総決算としての本格デフレ日本経済に突入した時に感じ取った。生徒募集にも直接ダメージを受け始めたのもこのときである。

★そこからグローバル教育や対話やディスカッションを導入した授業に転換し、豊かな人間力の回復と過酷な社会で幸せに生き抜く力が育つ教育を追究し始めた。海城がその代表的なパラダイム転換学校であったのは記憶に新しい。

★しかし、一方で塾歴社会は肥大化した。ある意味1998年以降は、塾歴社会VS未来を拓く学校という様相に移行した。

★聖セシリアは、建学当初から、いかなる社会にあっても幸せに生きる力を育成し、その幸せに生きようとする人間力を有したリーダーシップが、社会の問題を解決していく影響力につながるようにカリキュラムを中心とするアート、バレー、サイエンスなどの創造的才能も同時に育成してきた。

★カリキュラムのコアコンピテンシーは、読解力・論理力・表現力。情報を収集し、整理し、それをもとに、何が問題なのか論理的に構築し、その解決方法を創造的に表現していくのである。

★これは認知的能力を育成するばかりか、非認知的能力も育成する共通する「対話」力の基盤でもある。

★この「対話」についても、エンカウンターというプログラムを実施し、開放的で、互いに信頼を築いていく対話力を育成する機会を教育活動として定着させている。今は絶版になったが、2004年に「未来を創る学校」という同人誌的な本を編集したときがある。そこで聖シリアも取り上げている。

★このような豊かな教育力のエッセンスが「グループワーク型入試」に反映している。入試問題は学校の顔であると言われるゆえんである。今ではアドミッションポリシーとカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの一貫性ということだろうか。

★私立中コラボフェスタでは、聖セシリアの「グループワーク型入試」のようにペーパー入試の限界を超えて、生徒1人ひとりの才能を見出そうとする新入試体験がたくさん実施される。まだ申し込みはできる。子供の未来は塾歴社会から未来を拓く学校にシフトするかにかかっていることは言うまでもない。

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