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2018年11月 6日 (火)

未来を拓く学校を探す (2) 4つのタイプで

以前ジェダイ型とかダライ・ラマ型とかいうカテゴリー名で私立中高一貫校の4タイプについて語ったが、この記事は結構反響があった。これを活用して、未来を拓く学校を探したいが、さすがに、このまま、保護者会などで話したら、広く共感を得ることは難しい。趣味の話と誤解されやすい。もちろん、こちらは大まじめで歴史的視野、経済的視野、制度的視野、イノベーション的視野、神話的視野等々で拙いながらも語っているのではあるが。


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★今回は、クリエイティブマインドリーダー(Cマインドリーダー)、ナチュラルリーダー、戦略型リーダー、階層型リーダーというカテゴリー名で分類したい。

★もともと20世紀の学校というのは、公立私立問わず、階層型リーダーの集団だった。文科省―教育委員会という階層構造があって、その中で、この社会システムを好循環にもっていくことを担っていた。

★そして、この中で、リーダーを引き受けないフリーライダー型の集団も現れた。ここでは、そのような学校は未来を拓くことはないので、この4つのタイプにはいれていない。

★そういうわけだから、いわゆる私立中学における「御三家」というレッテルを貼られている学校は、この階層型リーダーの学校なのである。オルテガが「大衆の反逆」といったとき、別に大衆がこの階層型構造を倒そうとうしていたことを言っているわけではない。逆である。

★階層型システムがうまく回り、その階層の椅子取りゲームが一部の階級から解放されていればよいのであって、階層型システムそのものは温存しようという保守的な動きの強化として大衆が席巻することを意味していた。

★ポストモダンというのはまさにそういう動きだし、新自由主義的経済もその通りである。しかしながら、20世紀末は、この大衆の反逆に反逆してきたヒッピー運動が、妙な形に変質して、シリコンバレーに集結した。この階層型リーダーを揺るがすICTによるヒッピー資本主義の登場である。

★しかしながら、階層型リーダーを前提として、ヒッピー資本主義は成立するので、EUは、シリコンバレーに対抗する動きをしている。ネオヒッピー資本主義がベルリンを拠点に動き始めているのはその一つの象徴かもしれない。メルケルが政権から退けばどうなるかわからないが。。。

★そんなわけで、「御三家」にこだわっていると、階層型リーダー校のタイプから抜け出すことはできない。まだまだ多くの私立学校が、このタイプで、それらの学校の中で階層構造ができあがっている。

★もちろん、このタイプの学校間での下克上はありで、鴎友学園女子や洗足学園のような学校がときどき出現する。しかし、それは階層型リーダー学校の中学受験という舞台で感動を大いに呼ぶが、結局はこの階層構造を強化する側に回ってしまう。

★こう語っていると、開成や麻布、武蔵は違うぞと言われる。たしかに、開成は官僚内部から改革しようという初代校長高橋是清の志を汲んではいるだろう。しかし、だからといって、この階層システムを脱構築しようとまでは考えていないだろう。

★麻布も、自由を標榜している。魅力的な教育を連綿と続けている。しかし、それはあくまで、階層構造の中において、自由な空間を創る側であり、階層構造の中で、従属関係に位置づけられないように、言論しているわけである。

★武蔵も、アカデミックな構えは、魅力的で、今再び人気がでてきているが、あくまで、階層型リーダー校の集団の中での話で、そこを脱しようというわけではなかった。本当は、低迷期に「御三家」から離脱して、Cマインドリーダー校として活躍していれば、まわりに右顧左眄する必要はなかったのに。

★桜蔭や雙葉、豊島岡は、男子御三家とは違う文脈。女性の社会進出が、今でも遅れている日本の男性優位の階層構造社会で、まずは、東大受験や資格試験によって、階層の上位に位置することができる力を発揮するところからはじめなければならなかったからだ。

★しかし、そうはいっても、今では、すっかり階層構造のアッパー層に位置し、それ以上は、まだ動けない状況であろう。

★女子学院はというと、かなり違う文脈で、そもそも地上の組織と神の組織のギャップを知り尽くし、そこをなんとかしようというクリティカルシンキングの拠点である。とはいえ、学歴社会とか塾歴社会とかいう地上の組織に足をとられ、浮上できない悩ましい状況でもある。しかし、一方の足は、Cマインドリーダーの学校タイプにあるだろう。

★ここで、一つことわっておくが、生徒は、どのタイプの学校にいても、すべてが在籍する学校と同じタイプというわけではない。開成にいるからといって、生徒すべてが、階層型リーダーというメンタルモデルを抱いているわけではない。Cマインドリーダーもいるし、ナチュラルリーダーもいるし、戦略型リーダーもいるし、フリーライダーもいるだろう。

★比率的には、学校のアイデンティティとシンクロする場合が多いとは推察するけれども。


★そんなわけで、未来を拓く学校というのは、この4タイプのうちのどのタイプかではなく、それぞれのタイプの未来の拓き方があるよという話なのである。

★戦略型リーダータイプの学校も、階層型とのバランスをとるタイプだと、階層構造を出し抜く戦略かもしれない。Cマインドリーダータイプとのバランスをとるタイプだと階層構造を無化しつつ市場経済の中で価値のシェアを拡大していくタイプかもしれない。

★Cマインドリーダーは、もともと階層構造を無化する勢いではあるが、戦略型リーダータイプとのバランスを考えれば、マーケットの中での比較優位は考えるだろう。マーケットの比較優位は、マーケットが階層構造を無化する機能を重んじれば、活性化がおこるから、イノベーションなき優位性は続かない。

★Cマインドリーダーでナチュラルリーダーのバランラスを考慮するタイプだと、パッション的な世界の痛みを引き受ける本物のリーダーを生み出す教育システムを大切にするだろう。聖学院のように。半分女子学院のように。

★ナチュラルリーダーは、基本、タイトル(肩書)でリーダーシップを発揮するわけではなく、内面の自己存在の声によって動く。そのような内面の自己存在を大切にする人間同士の仲間が集まる学校である。Cマインドリーダーとのバランスを考慮する時、いつものように、ナチュラルリーダーは前面にたつわけではなく、互いの対話によって、ものごとが進んでいくのではなく、むしろ率先して促進するリーダーが自発的にでてくる自律自発的組織になる。おそらくベルリンのエコビレッジ「ホルツマルクト」のようなネオヒッピー資本主義と重なるところがある。

★ナチュラルリーダーが、階層型リーダーの気分を持ち込むと、残念なことに分断が起こる。いつのまにか原理主義になるからだ。


★いずれにしても、20世紀型教育は、階層型リーダーの領域に学校はいた。それが21世紀になって、そこから脱出する3つのタイプの学校が現れたのである。

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