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2018年11月19日 (月)

【思考コードで】11月のこの時期だから合格戦略の確認(1)全体像と国語

★中学入試に臨んでいる受験生は、過去問を解いて、自分の弱みを強みにしようと頑張っている/眼張っている真っ最中。過去問のやり方については、12月2日の首都圏模試主催「統一合判」の「保護者会」で話すとして、統一合判の振り返りについて少し触れよう。

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★11月3日実施の統一合判の成績データから正答率曲線をつくってみた。この時期、みんなが頑張っているから、それぞれの思考コードの曲線が、わかりやすい軌跡を描いてしまう。

★差がはっきりでていて、これからでも伸びるのだろうかと不安に思うかもしれない。合格戦略をたてるとき、「どの学校を選ぶか」と「自分をどう磨くか」の2つの問題を別々に考えているだろうか、バランスをとって考えるだろうか。

★つまり、併願戦略を考える時、偏差値のみ考慮して学校を選び、その学校の過去問を分析して合格戦略をたてるという方法と、偏差値を考慮して選ぶという視点と、自分をどこまで磨き上げられるかろいう視点の2つのバランスで考えていく方法がある。

★前者は、チャンレンジ校とおさえ校という発想になるし、後者は、自分の成長を主軸に考えるという発想になる。どちらもそれは価値観の問題だから、よいとかそうでないとかは、言えない。

★前者の考え方については12月2日の保護者会で語るとして、ここでは後者の発想で、合格戦略を考えるとしよう。
★まずは国語だが、国語は、麻布や桜蔭、武蔵のような記述や論述が多い学校以外は、A1思考とB1思考がきっちりできているかどうかが決め手になる。


★「統一合判」でA1思考がまだ70%以下の正答率の生徒の場合は、A1思考を意識してみるだけでかなり違う。どういうことかというと、漢字の読み書きをトレーニングするときに、同訓異字や同音意義をきちんと学んできたか振り返ってみて欲しい。

★ランダムにあるいは出る順の漢字ドリルを右から順番に書けるかどうか、読めるかどうかだけのチェックをしてこなかっただろうか。

★また熟語の組み立て(構造)を意識してきたかを振り返ってみて欲しい。たとえば、「道路」の「道」と「路」の関係はどうなっているか考えたことがあるだろうか。

★「往復」の「往」と「復」。「近道」の「近」と「道」。「詩的」の「詩」と「的」などなど。

★同じ意味の関係、反対の意味の関係、具体と抽象の関係、置き換えを示す関係。エッ、熟語の組み立てで習ったことと違うじゃないかと思われるだろう。いやいや同じなのだけれど、文法的な言葉で説明するのではなく、読解のときに必要な思考スキルの言葉で考えてみてはという話なのだ。もともと漢字は中国語由来だから、語というより文章だと思ってみてはどうだろうかということ。

★おそらくこの思考スキルの視点で漢字の読み書きを練習したら、時間を膨大にかけずに、正答率をあげられるだろう。記憶の道筋が多様になるから、定着しやすくなる。

★すると、偏差値45の生徒は、5から10偏差値をあげられる。漢字の読み書きが、文章読解にも生きるから。

★偏差値60の生徒は、A1思考は80%前後はいっているから、A1思考のトレーニング(もちろん確認は必要)というより、B1思考のトレーニングに力点をおく。おそらく、文章を読むとき、意味だけで読んでいる可能性がある。

★意味と構造(組み立て)の両方で読むのは、先述した熟語の読み書きの練習の時と同じである。熟語の場合は、「語」と「語」の関係だったが、文章の場合は、「文」と「文」、「文」と「段落」、「段落」と「段落」の関係。

★この関係もまた、思考スキルで見えてくる。偏差値60の生徒は、このことがまったくわかっていないわけではなく、意味にひきずられ、関係についてはなんとなく読んできた可能性が高い。ここをもっとはっきり意識化すると、急に開けてくるだろう。

★いずれも、この時期A1思考もB1思考も、意識の問題なので、新たな問題集を購入するとか、新たなスケジュールをたてる必要もない。

★思考スキルの意識化をしてみて欲しい。思考コードや思考スキルについては、統一合判の解説に一問一答刻印されているので、そちらを参照して欲しい。

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