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2018年10月26日 (金)

中学入試は「内生的成長」にすでに移行している。

★今年2018年のノーベル経済学賞を受賞したのはポール・ローマー氏。「内生的経済成長理論」を確立したというので、受賞したようだ。この「内生的成長」は、1990年代に日本でもマイナーだったが情報は流れていた。

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★私自身は、1998年から準備段階に入り、1999年にNTS教育研究所を主宰したが、そのときの私立学校をリサーチする切り口を、生徒獲得戦略においては、この「内生的成長」をベースにしていた。もっとも、ポール・ローマー氏の理論を学んでいたわけではなく、ハードパワーからソフトパワー、軍事→経済→知識というパワーシフトの理論を読んで、量から質への具体的根拠を探していた時に、上記の本に出合った。

★しかし、英語が堪能なわけでもなく、数式が頻繁に出てくる経済学は、ちゃんと学んでいない。コンセプトを感じ取るのが精いっぱいだったろう。むしろ、ハワード・ガードナー教授の「多重知能」と「リーダーシップ論」のほうを、そのときすでにデザインしていたPBLのプログラムには大いに参考にした。

★それでも、独立して起業していく過程の中で、10年強かかわってきた幾つかの学校を通して、偏差値にかかわらず名門校になるにはいかにしたら可能かというテーマで、自分の学校研究のポートフォリオとして、学研新書から本を出版する機会を得た。

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★全然売れなかったし、偏差値の低い学校を中心に扱っていると揶揄されたし、今も偏差値主義者には目の敵にされている。しかし、起業後、出遭った先生方と21世紀型教育を創る会、そしてそれが今は21世紀型教育機構となっているのであるが、そのコミュニティを形成する支援をさせて頂いている。

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★その際、機構の成長や、各メンバー校の成長を持続可能にするために、理事会やカンファレンスなどでディスカッションするが、私の理論的ベースは、量から質を支える「内生的成長」をいかにして可能にするかというコトで、それは新書を出した時から一貫している。

★機構も、メンバー校も、21世紀型教育改革を進めるという意味で、草創期は脚光を浴びたが、3年も経つと、キャズムの罠が待ち構えているから、そこをジャンプして成長を持続可能にするには「内生的成長」が重要なのだと思っている。

★そんな思いが、ポール・ローマー氏のノーベル経済学賞受賞で、やはり時代の深層のニーズを間違いなく聞き取れていたと自分に言い聞かせることができた。

★2040年、人口論だけの成長論で行けば、日本は国力は半減する、そうしないためには、イノベーションを外部からではなく、内部から起こす能力を養う必要がある。だから、学校の成長を持続可能にするには、いろいろな外部のパッケージとのネットワークをつなぐことも重要ではあるが、アウターゲームばかりではなく、インナーゲームとして、内部にソフトパワーを生み出すシステムが必要だ。

★そして、その場が授業なのだと。そこで、PBL型授業の質を高めていくことを21世紀型教育機構の1つの役割としている。

★なぜPBLかというと、ハワード・ガードナー教授は、組織というものが衰退し、死滅していく4つの原因があると言っているが、PBLは、その阻害要因を吹き飛ばすことができるからだ。

①保守主義
②偏向主義
③リスク隠蔽主義
④無気力

★新書を書いたときには、この4つを並べたが、今ならFixed Mindsetとシンプルに言い換えることができる。


★外生的成長から内生的成長へ、Fixed MindsetからGrowth Mindsetへ、ハードパワーからソフトパワーへ、イージーファンからハードファンへ・・・。

★そして、これらの流れの共通のキーワードは何かというと「創造性」ということなのだ。思考コードが重要なのは、この創造的思考を養うシステム思考を生み出すコンパスだからだ。


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(大橋清貫先生と対談させていただき、最終章で21世紀型教育について語らせていただいている。21世紀型教育とは何か、そして続く2040年はどういう見通しになるのか展望を考えようとするところまで表現できたと思う。)


★名門中学の作り方→21世紀型教育の作り方と40代、50代と多くの方々といっしょに取り組んできた。さて、60代はどうするのか?2040年に、人類の子供たちにとってデストピア社会にならないようにすることだ。ヒューマンプロジェクト。これが、人生最後の仕事になると思う。
 

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