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2018年10月 4日 (木)

香里ヌヴェール学院 授業でクリエイティビティ! 創造学校へ!

★香里ヌヴェール学院(以降「ヌヴェール」)の授業は、石川学院長が「100%PBL」宣言して以来、急速に創造型PBLに進化している。英語、社会、国語、数学の授業を拝見したが、いずれも、50分間の授業の中で、クリエイティビティが創発される授業デザインが展開していた。

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★PBLというのは、ヌヴェールでは、Project based Leaningを示している。プロジェクトとは、自分を、チームを、社会を本質的世界に投げ入れ、共に根源的存在を見出し分かち合う構想力である。

★この構想力としてのクリエイティビティを生徒はいかにして成長させていくのであろうか。それは、そのような環境のある授業に身を置くことから始まるのがヌヴェールである。

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★詳しくはいずれ紹介したい。ここでは、箇条書きでそのクリエイティビティが生成される授業要素を挙げておこう。

①インプロ
②アゴ―ギク
③差異
④構造=関数方程式の発見
➄アイデアと現象の置換


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⑥ルビンの壺
⑦シェア=ICTの出番
⑧書く・描く・創る
⑨パラドクスの発見=エッシャーの滝
⑩教師・コーチ・ファシリテーター・コーディネーターなどマルチロールプレイ

★実際にモノづくりをするだけが創造的思考力を鍛えるプログラムではない。むしろ、そのプログラムだと、創って楽しいで終わりがち。そのモノづくりが、世界とどんなコミットをするのか深く考えるプログラムがカップリングされていないと、おそらくああ楽しかったで終わるだろう。

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★そして、この構想力としてのクリエイティビティは、20世紀型教育では、わかりにくいとか少数の生徒の特権であるとか教えられないとか言われてきた。

★イマココデ挑戦することだからそう簡単でない。だからHard Funなのだ。少数の生徒の特権だけではなくすべての生徒の権利である。なぜなら創造の前提は自由だからだ。教えられなくて結構なのである。ファシリテートすればよいだけである。


★数学の龍美先生のクラスは、決して数学が得意な生徒が集まて散るわけではないが、なぜベクトル方程式を学ぶ素材に放物線がでてこないのかというトリガークエスチョンから、グラフソフトを活用しながら、考えていき、先入観を砕いたりパラドキシカルな局面に到たりする。

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★教科としての「数学」は苦手でも、「数学的思考」はおもしろいという生徒が目の前に出現する瞬間である。そこから龍美先生は、両者を統合できるように生徒を気遣っていくのである。

★ヌヴェールは創造学校になろうとしている。石川一郎学院長の「100%PBL」の本意はここにあったのかと納得した。
 

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