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2018年10月11日 (木)

聖学院の学びのイノベーションの意味 愛と情熱とイノベーション

★昨日、聖学院で、21教育企画部長の児浦先生は、学びの研究会を開催。基本学内で定期的に行っている内製的研修ワークショップであるが、静岡聖光学院の先生方や東大大学院生なども参加。

★外部とのつながりは、内部だけで行っていると偏狭化するリスクをマネジメントすることにもつながる。そういう広く深い洞察力が児浦先生にはある。

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★この学びの研究会では、基本「創発型スクライビング」という21世紀型教育機構の手法を活用する。児浦先生は、21世紀型教育機構のスーパーコーディネーターの1人でもある。

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★このスクライビングは、ダイアード→授業のストーリー→フローチャート化→分解→統合(リフレクション)という流れになっていて、自己沈潜とペアワーク、グループワークがぐるぐる循環して展開していく。教師の授業のパワーアップも目的の一つであるが、最も大事なことは、生徒の成長が豊かになる授業デザインはいかにしたら可能かということである。

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★すべてのアクティビティの内容は毎回変わる。構造と素材、あるいは形式と内容のシナジー効果を一つの成果として、それを次回に生かしていく。それは気づきの仕掛けがナチュラルではあるけれど、たくさん生まれるものの方がよいからだ。最適化のプロセス。

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★ただでさえ、先生方は忙しいにもかかわらず参加するのだ。時間にも限りがある。だから、どうしてもインプロ型になるが、拡散して終わりにしたくない。授業実践といかにしたら結びつくのか。児浦先生の試行錯誤しながらのブラッシュアップは続くのである。

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★今回は、聖学院の学びのイノベーションのうち、開放トリガーツール、思考のツール、思考スキルを活用して、ワークショップが進んだ。これは、ある意味聖学院が次のステージに大きくジャンプすることを意味している。

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★聖学院の教師は、他の男子校と違い、知識量において生徒に比べてたくさん蓄積していることを全面に出すことはない。一般的には(20世紀型教育)、生徒はそのギャップを埋めるべく、インプットの作業をし続けるのが授業であり学びであるのだが、これは先に生まれた教師に追いつくことはできない。


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★眼前に立ちはだかる知識量の壁。ここに知識の権力関係が生まれてきたのが20世紀型教育だ。自己肯定感が高まるはずがない根本的な原因は、実は無意識の教師と生徒の知識量の乗り越え難いギャップだったのである。


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★しかしながら、ここは、インターネットやAI登場で、崩れ始めているのである。一方聖学院は、教師は発想法や思考方法、気概を抱くマインドセットなどで、生徒の成長の壁となる。この壁は、登っていって乗り越え可能である。生徒と教師の程よい創造的緊張関係が、普段の授業で生徒の成長マインドを豊かにする。

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★聖学院の学びは、生徒が自ら成長していく拠点である。しかし、課題は、1人ひとりの成長の速度や躓きのポイントはみな違うということだ。面倒見がよい同校の先生方は、一人一人と対話しながら、成長を促してきた。

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★しかしながら、これでは、成長の壁を乗り越える生徒もいるが、途上の生徒もでてしまう。もっと自生的な成長を1人1人が行い、プロジェクトにおける協働体験を通して結果的に急成長を生み出せないかと。

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★それには、教師が暗黙知として持っているルーブリックや思考ツールを可視化し、生徒と共有することではないか。そう児浦先生は考えている。いつの時代も達人や職人は、新技術によって乗り越えられ、新しい地平が開かれてきた。

★それは教育であっても同様で、教師の技術を後ろ姿を見ながら盗んでいくかつてのギルド的な世界から、教師の技術を共有し、脱技術を経験して、教師も体得していない新技術を生徒が体得するのである。新しい学びのスキル、新しい学びの方法を生徒自らが開発していける学びのイノベーションを聖学院は開始しているのであろう。

★やはり、聖学院の教師は愛と情熱とイノベーションに満ちたジェダイマスターたちなのである。

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