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2018年10月 1日 (月)

三田国際はなぜ突出した学校か!?突出せざるを得ない理由は?(了)

★教科横断的とか合科とか学際的という言葉は、今でもときどき使われる。わかりやすいからそれでよいのだが、この言葉を使っている以上、「教科」とか「科目」とかいう学問的には本来遠い、人工的な教育上の分類を前提にしている。

★これは、本質でもなんでもない。20世紀型教育が、20世紀社会の再生産のために、分類要素として確立したものだろう。

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(言語はテクノロジーか?なんてオックスブリッジ的な問いだろう!)

★21世紀型教育の肝は、学びのシステムであり、思考のシステムである。対象が言語なのか、数字なのか、社会現象なのか、自然現象なのか、なんであれ、それを学び、考えるシステムを確立するわけである。

★だから、教科横断的というのは、教科が最初にあって、それを横断したり合体させたりすることではない。初めから、学びのシステムと思考のシステムがあり、それが対象としての国語だとか数学だとか理科だとか・・・を素材にして探究するのである。

★だから、「教科としての数学」と「数学的思考力」は違う。もちろん、共通する部分はある。しかし、頑ななそれでいて優秀な数学の教師は、ときに数学という教科からでることはなく、はっきりいうと教科書から出ることなく、数学的思考を生徒とともに学ぶことはないということが起こる。東大に入る数学の力をつけることはできるが、数学的思考はまったく身につかないということはよくあることだ。

★それは、「教科としての国語」と「言語的思考力」が違うということにも同様のことがいえる。「教科としての理科」と「サイエンス的思考力」も全く同じ関係だ。「教科としての英語」と「言語的思考力」も同様なのだ。

★三田国際は、そこのところがよくわかっている。だから、y=f(x)という学びと思考システムなのである。「教科として~」となると、x=f(x)なのである。

★つまり、y=f(x)は創造的思考であり、x=f(x)はメモリー思考なのである。

★そんなわけで、見学している方も何の教科か関心がなくなり、「言語はテクノロジーか」について議論を深めている授業にぐいぐい引き込まれていく。

★新しいコンセプト=f(先入観)という学び・思考のシステムができあがっているのである。これは、21世紀型教育機構のサイト「三田国際は魔法学校。 今まで誰も見たことのない一条校。」でも書いたが、数学の授業も、美術の授業も、英語の授業も同様だったのだ。

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★方程式=f(連想はどうして起こるのか)、イメージ=f(音楽)、改善点=f(問題の重要性)というように、素材は違うけれど、y=f(x)という関係システムが、三田国際の教育活動や授業には一気通貫しているのである。

★これが、教科横断型の本来的な意味である。

★そして、これが発想だけではなく、実現できるには、思考コードベースのICTシステムが必要である。学びのシステムと思考のシステムがICTシステムと統合されるには、思考コードが必要になる。

★アプリだけでは、個々の授業でしか役に立たない。授業と授業をつなげるには、思考コードが欠かせない。データベースが思考コードで振り分けらていなくては、学びのプラットフォームがたんなるデータを放り込むごみ箱になってしまう。インフラストラクチャーは、思考コードでどこまで、学ぶのかわかっていないと無駄にコストがかかったり、逆にすぐにダウンしてしまい、教育活動のストレスが高くなってしまうこともままある。

★アプリ(創造時間のインプロ化)ープラットフォーム(学びを深めるデータベース)ーインフラ(リサーチのグローバル化)という三層を結び付けるのが思考コードである。

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★三田国際の情報科教諭は、田中教頭と協力して、このICTシステムの多層化・ネットワーク化のシナリオを構想しながら、着々と実現しているわけである。ストーリーテラーであり、そのバックヤードでアルゴリズムを生み出すソフトパワーの持ち主である。

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(三田国際のMSTクラスの生徒は、未来からやってきた科学者である。)

★思考ありテクノロジストと思考なしテクノロジストの違いが、学校の運命を左右するといっても過言ではない。もはやシステムの自動化ではなく、システムそのものが自律化する時代である。そのとき、シンプルな「思考コード」が、教師にも生徒にもICTシステムにも共有されていることが肝心だったのである。

★何を言っているからないと言われるかもしれない。そういう異次元の教育が展開され、それに共鳴する未来を創る生徒が集まってくるのが三田国際なのである。


★そして、それを可能にしている教員研修の内製化の奥義。それについては、またいずれ語ることにしよう。今回はここまでにしたい。

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