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2018年10月18日 (木)

プロジェクト学習≪PBL≫で生徒は自律協働創発系になる。

★授業の達人、例えば、香里ヌヴェール学院のU先生は、講義での語りもPBL(プロジェクト学習)も実に巧い。そして、どちらをやっても、生徒は自律協働創発系になる。生徒自身が本来的な存在者をいまここでの現象存在に顕在させる。

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★というのも達人の授業やPBLをおもしろいと思う生徒は、その段階で、もう自分プロジェクトを開始しているからだ。ときどき授業というものを勘違いしている先生に出遭う。結構多い。自信満々だし、よく方法論を知ってはいる。

★しかし、アウターゲームとしての授業だけを遂行していて、生徒自身がインナーゲームとして学びのケミストリーを脳内で発生させているかどうか全く興味がなさそうなのだ。≪最近接発達領域≫なんて、ヴィゴツキーの理論で、もう古いですよねと、このおじさん頭サビツイテいるんじゃないとでもいいたげな顔をしている。

★なるほど、レゴ使っているからね。でもレゴを活用すること自体≪最近接発達領域≫を無意識のうちにやっているんだけどねと言い返そうかと思ったけれど、それじゃ大人げないから、もうおじいちゃんだからね、新しい考え方ぜひ教えてくださいと言ったら、自分で勉強しなければ身に付きませんよと言われた。そりゃまあその通りなんだけど。その先生の講義はもちろん下手くそである。

★その学校は、余程のことがない限り行くものかと決めていたが、応援したい先生方もいるので、誘われれば行ってしまうのだが。。。


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★それでも、そんな先生にもおススメしたい本が、アレクスとジェームズがかえつ有明の哲学授業でやったコンセプトや問いの数々が書籍になった“THINKING EXPERIMENTs”である。アレクスの英語による哲学授業で刺激を受けた生徒が東大や慶応義塾大学の医学部に合格したりしている。偏差値にかかわりなく。


★この本に沿って授業を組み立てれば、アウターゲームとしてPBL型にならざるを得ないし、何よりインナーゲームとしての学びのケミストリーが生徒の脳内でビッグバーンを起こすに違いない。

★それは、U先生のように授業の達人と共通しているが、問いのシステムがきちんとしているからだ。

★問いは思考コード(たとえば、ブルームのタキソノミー)に沿って、多角的多次元の問いが生徒の頭の中で自問されるようになっているのである。

★それと、問いの中に埋め込む「言葉」が多義語である仕掛けをしておく。すると、いくつかの異質な事柄が、その多義語を通してつながることになる。そのときケミストリーが起こる。

★また、主語と述語を置き換える=提喩・換喩=ルビンの壺という発想も埋め込まれ、常識的な三段論法論理を崩す。創発的思考にジャンプする問いが仕掛けれれている。

★Start Qusetion(SQ)とTask Question(TQ)の前後にRelated Questions(RQs)が投げられる。このRQsは、思考コードのすべての領域を網羅するようにできている。

★問いのシステムこそ哲学授業の醍醐味であるが、この哲学はあくまで思考とは何か、思考をいかに活用するかという哲学であり、カントやヘーゲルやサルトル、カンタン・メヤスーなどの哲学者論など不要である。
★2000年以上前からのソクラテスの対話編がそのまま生きている。ソクラテスは、カントもヘーゲルも、ルソーも、ハイデガーも知らなかった。しかし、彼らが乗り来えようとチャレンジした問いのシステムをすでに無限に広げていたのである。

★つまり、アレックスとジェームズの哲学は、そういう超有名哲学者たちが生み出した思想を生み出す基礎思考スキルのトレーニングなのである。現象存在者ではなく、存在者そのものなのである。

★そういうえば、私の敬愛するU先生は京大の哲学出身だった。私たちに必要なのは、哲学者学ではなく、思考を思考するスキルなのである。

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