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2018年10月17日 (水)

大学定員厳格化と消費税10%

★カンザキメソッド代表の神崎史彦先生の「推薦入試って?評定基準って?AOや一般入試と何が違うの?」(スタディサプリ 10/16 8:45配信) がYahooに掲載されている。


★2020年大学入試の改革に向かってかどうかしらないが、文科省の大学定員厳格化がAO入試、推薦入試への流れをつくっている風が吹いている。

★一般入試ではなく、どんな体験を通してどんな学びをし、自分は何者なのかを大学とやりとりして入学していく世界標準の入試に変容したいという文科省の想いもわからないではないし、私自身はそれを望む。

★しかし、今回の定員厳格化は、その流れを逆行させるものである。この制度設計の根本は、消費税10%に移行する政策となんら変わらない。

★一時的に経済格差を貨幣(定員厳格化は結局受験料という貨幣の流れなのだ)の出し入れによって配分是正をするマネタリズム。つまり新自由主義的な価値観で動いている。

★今回の大学入試改革は、経済資本の格差をなくすことの前に、階層クラスをクリエイティブクラスに変更する文化資本を立ち上げることにねらいが本当はあったはずである。

★しかし、今回の定員厳格化も消費税10%も<貨幣流通規制>によって市場の過剰反応を抑制し、あたかも正常にいったんもどし、しかし、元の木阿弥で、そこから再び格差競争に拍車をかける制度設計なのである。

★その証拠に、すでに偏差値ランキングで大学を選び、あぶれないように先手をうっていく受験生の自己抑制的サバイブシナリオによって、クリエイティブキャリアデザインを疎外する動きが蔓延し始めている。

★現実的と言えば現実的だが、なんて功利主義的な価値観だろう。マネタリズムの失敗は、米国にたくさん先例があるのに、コリナイ現政権である。

★しかし、このミルトン・フリードマン型の流れはとどまることを知らず、中学入試市場にも表れている。

★この制度設計をいますぐに変えることはできない。そんなとき、個人の価値を高める教育以外に防衛のしようがない。だからかえつ有明であり、聖学院なのだが。

★想像を絶する極限の状況において、ヴィクトール・フランクルが「生きる意味」を自己の内面に見出したように。


★ジェダイ型リーダーシップをとるか、ダライ・ラマ型リーダーシップをとるか、フリードマン型リーダーシップをとるのか、それともビューロクラティックなリーダーシップをとるのか、ニーチェじゃないが、意志の力の時代がやってきたのである。

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