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2018年9月12日 (水)

【リーダー論】成功するリーダータイプの葛藤

★今年は、2月、5月、9月とイベントをコーディネートしながら、様々な方と対話をした。対話をしながらイベントをコーディネートしたというのが本当のところか。もちろん多くの先生方とも対話した。実際には一度しか会ったことのない若い先生にSNSで深層にそっと光り輝いている学びの真理を教えてもらって涙腺が緩んだこともあった。もちろん、ロマンチックな話ではなく、年老いたせいだろうと思う(^^汗)が。

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★僕自身は、リアルな方々と対話する時、同時にバーチャルに助っ人を召喚する。内村鑑三、廣松渉、夏目漱石、トマス・アクイナス、アリストテレス、ヘーゲル、ハワード・ガードナー、ベイトソン、アラン・ケイ、ピーター・センゲ、デビット・ボーム、etc. 実際に会ったことのあるのは、廣松渉、メールで対話したのはガードナー教授で、他は全部読書による対話であり、相変わらず独断と偏見の理解。


★それはともかく、いまここで成功している組織のリーダーと話をしていると、上記の3つのリーダータイプがあることに気づいた。リーダータイプは、だいたい5つを想定している。

①タスク調整型リーダー
②専門家型リーダー
③人間関係調整リーダー
④戦略家型リーダー
➄創造型リーダー

★そして、このタイプにしたがって、リーダーシップという資質が存在している。創造型リーダーの役職(タイトル)ポジションについていながら、なぜかタスク調整型リーダーシップしか有していないという場合もある。

★自分では創造的な仕事はしないのだけれど、組織のタスクの切り盛りをして、創造的リーダーシップをもっている人材を生かすことによって、結果的に創造的な仕事をやってのけるリーダーがいる。でも、外から見たら、ちゃんと創造型リーダーに見える。

★実際に対話してみると、驚くほどタスク調整型だなんてことはいっぱいある。組織がうまく行っている時は、実はそれでよいのだ。

★ところが、この第4次産業革命時代において、多くの仕事がほとんど草創期となり、それをいかに持続可能にするかの創造型リーダーが必要で、そのリーダーは創造型リーダーシップを兼ね備えていなければならない。つまり外在秩序(EO)と内蔵秩序(IO)が一致していることが必要になてくる。

★そういう意味で、どん底から3年くらいで組織を成功に導いたリーダーと話をしていると、やはりIO/EO≧1である。したがって、5つのリーダータイプは融合が起こっている。

★たとえば、グラフを見ると、序破急の成長曲線を描くリーダーは、芸術的資質と創造型リーダーという融合になっている。このタイプは、よきブレーンに恵まれないと、組織のメンバーが不安になって、うまくいかないときの方が多い。よほど金にものを言わせて、やらなければこの曲線を描けない。私はそのような組織に属していたことがある。

★残念ながら金にものを言わせ序破急曲線を描いた芸術的創造型リーダーは亡くなった直後に入社したから、その恩恵に浴することはできなかったが、序破急の3つ目の段階に入社したから、序破急の急とはいかなるものか体験したのは勉強になった。その組織には、お金があったから、新しいカリキュラム、IRTベースの評価の研究、新しい学び、テストとコンピューター、アダプティブラーニング一歩手前のコード分析まで24時間浸っていた。


★パワーシフトを実感し、ベルリンの壁崩壊後のうなぎ上りの凄まじさを経験した。そのあとは、グローバリゼーションをいかに私立学校にうまくつなぐか欧米を仲間とリサーチとフィールドワークができた。S学園の中学での現地校1年間留学のプログラムをつないだ経験は今でも勉強になったと思っている。

★それ以降は、一つの組織ではなくて、どうやって私立学校という組織を応援できるのか、独立したのだが、そこで多くの急激な成長を遂げる学校リーダーと対話をした。もちろん、そうでない組織のリーダーとも。

★そのうち急激な成長を遂げている組織のリーダーは、上記グラフの3つのタイプかなと思うようになった。

★この中で、急ぎ崖を駆け登って、そのあとはかなたまで続く平原を走っていくという戦略的創造リーダーに出遭った。このリーダータイプは、僕にはないタイプだから勉強になった。

★創造型リーダーは、どうも芸術か戦略かどちらかと融合するケースが多い。というのも、ただの創造型リーダーは、組織がうまくいっているときは、そう見えるのだが、うまくいかなくなると、立て直すことができず、結局創造型ではなく趣味人だったということが判明するケースが多い。

★一方、戦略家型リーダーは、やはり危機に強いが、平時にあっては、合理的すぎて人心が離れ、急激に衰退する場合もある。しかし、戦略家型リーダーは、合理的システム思考に自信があるから、それが現実に合っていないということがわからなくなるイエスマンをブレーンに配置していることが災いになってどん底に行くまで気づかないというコトもあり得る。


★かくして、5つのリーダー要素は、複合的になっているのだが、そのリーダー機能がポジティブな場合はよいが、ネガティブに働くこともある。メモしておこう。

タスク調整型リーダー⇔原則主義リーダー
専門家型リーダー⇔蛸壺型リーダー
人関係調整型リーダー⇔仲良しこよし型リーダー
戦略家型リーダー⇔合理主義型リーダー
創造型リーダー⇔趣味人型リーダー

★Growth Mindset⇔Fixed Mindsetの関係と置き換えることもできるか。

★さて、組織のトップは、1人ではない。学校の場合だと理事長と校長と2人いるし、理事長・校長の場合は、教頭やそれに相当するブレーンが存在する。

★1人で組織を運営しているところは、たいていうまくいなっていない。必ずカップリング関係で運営している。二人三脚といってもよいかもしれない。

★このカップリングが、理事長が芸術創造型リーダーで、校長が戦略創造型リーダーの場合は、うまくいく。それが逆の場合、戦略造像型リーダーは、序破急を待てない場合がある。すぐれた3つのリーダータイプであるが、カップリングの関係がうまくいかないと葛藤を起こす場合もあるのだ。

★理事長が戦略型リーダーで、校長が芸術創造型リーダーの場合、もっともうまくいかない可能性が高い。

★うまくいっていない学校は?そうれはもう組み合わせの応用問題で、興味がある方は、ご自身で考えていただければと思う。いずれにしても、正解はないのだが、そうはいってもタイプ別に考えることができるという。リーダー論は社会が誕生した一万年以上も前から不可思議な存在である。

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