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2018年9月28日 (金)

首都模試 中学入試市場の明日を見据える。

★首都圏模試センターサイト(2018年9月25日)に<中学受験もうひとつの選択。「他の高校を受験できる」私立中学校>という記事が掲載。中学入試は、従来は、「中高一貫校」を受験するための入試とイメージされてきた。ところが、時代は、「選択の自由」の翼を広げようとしている。

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★同記事によれば、「中学受験で選べる学校には、中高一貫教育のもとで6年間を過ごす学校とは違う、もうひとつの選択肢として、「高校のない」私立中学校や、中学卒業の際に「他の高校を受験できる」私立中も存在しています。」ということである。

★具体的には、

首都圏には「高校のない」私立中学校

・武蔵野東中学校〈東京・小金井市。共学校〉……小・中一貫教育校。
・清明学園中学校〈東京・大田区。共学校〉……幼・小・中一貫教育校。
・サレジオ中学校〈東京・小平市。男子校〉……小・中一貫校〈※小学校は共学校〉
いすれの私立中も、中学卒業後の進路は「(国公私立の)高校受験をする」ことになる。

★であるならば、併設(系列)の高校を持ちながらも、「高校受験ができる」という選択肢を持つ私立中学校が、中高一貫校の中からあってもよい。「他の高校を受験できる」私立中学校として

・八王子実践中学校〈東京・八王子市。共学校〉……中学卒業時には他の国公私立高校を受験して、もし不合格だった場合にも、八王子実践高校に進学することができる。

★また、武蔵野大学中学校は、「高校は自由に自分で選ぶ」と謳っていて、2020年から共学化する併設高校も、ハイグレード選抜、インターナショナル選抜、本科という新たな3コース制の導入で魅力を増すのだが、自らの目標とチャレンジの意思によって、他の高校を受験することも認められる。

★中学3年間のグローバル教育のもとでチャレンジ志向を高めた卒業生が、IB(国際バカロレア)スクールである都立国際高校や、ICUHS(国際基督教大学高等学校)をはじめとして、難関国公私立高校に再チャレンジするという、“もうひとつの選択”を明快に表現している。

★実際には、多くの中高一貫校でも、中学卒業時に他校に飛んでいく生徒は結構いる。しかし、明快にそれも可だよとは謳ってこなかった。

★良し悪しは別として、通信制高校の私立中高一貫校級のグローバル教育や私立中高一貫校の経経営への乗り出しなど、中高一貫校を中心とした中学入試市場は、多様化している。

★それは、中高一貫校自体の思考力入試・英語入試などの新タイプ入試の開発増加にも表れている。

★多様化は選択の自由を活性化し、選択の自由お活性化は、教育の質を向上させる。ハーバードとスタンフォードの両方に合格した場合、どちにらいくかの選択の自由がある。

★両大学は、当然教育と研究の質をしのぎ合う。

★現状でも私立中高一貫校と公立中一貫校は、互いに教育の質をしのぎ合っているが、さらなる多様化は、それに弾みをつける。

★日本の大学もTHEの世界大学ランキングをますます注目している。グローバルな範囲で研究の質が問われていることを自覚しているのだ。

★選択肢の多様化は、少子高齢化、デフレ脱却の見通しの暗さから、生徒一人一人の成長や生き方に対応する道を拓くことになる。

★中学入試におけるこの多様性、選択の自由の活性化は、内閣府が提示しているような最悪シナリオからの脱出への努力の兆しであるのかもしれない。


★そして、この努力をしないで、できるだけ効率よく大きな利潤を得ようとしてきた20世紀型経済は、この努力を通して適正な利益を得る21世紀型経済にシフトせざるを得ない状況になる。それを生み出すのは、ファーストクラスの文化資本ではなく、クリエイティブクラスの文化資本となろう。

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