【グローバル教育3.0】 順天 グローバルな視点と世界の痛みを引き受ける教育
★何がすごいかというと、多様性のネットワークの広がりである。今も留学生は6人順天で学んでいる。年間通じるともっと学んでいるだろう。毎年長期留学に複数の順天生が挑戦するし、トビタテ留学に申請して、カンボジアやドイツなどに留学する権利を獲得したりしている。シドニーに研修旅行にもでかけている。
★韓国やタイ、台湾からの中高生が訪問して国際交流も行っている。
★イオン1%クラブの行っているティーンエイジアンバサダー交流事業にも選ばれ、日本とアジアの高校生が1対1のペアになって、お互いを訪問し、親善大使として表敬活動をしたり、文化交流もしている。北京第20中学校の男子・女子各5人の生徒とペアを組んで交流活動をしている。
★このような留学生との交流や留学・研修体験は、首相官邸や大使館等を訪問する貴重な体験も自然と生まれるし、ホームステイは、心と心の絆をつなぐこともできる。
★SGH校は、認定条件の中に、CEFR基準でB2英語(順天はすでにC1英語を目指しているが)、プロジェクト学習、ルーブリック評価などがあるが、これらはグローバルな活動と交流には絆をつくると同時に互いのかかえている問題について深い理解をし、協働して解決をしていくことを考えていく深い思考力や学びが必須条件になる。
★問題を解決するには、社会科学的な発想のみならず、実現するためにはどうしても科学や数学的思考、テクノロジーとしての技術も必要になってくる。
★したがって、SGH校の活動が、もともと行っていた順天のグローバル教育とSTEAM教育とつながって、シナジー効果を生んでいるのである。
(順天はクリスチャンスクールではないが、ネイティブスピーカーの教師や留学生も多い。キリスト教では、イースター=復活祭は、クリスマスと並ぶいやそれ以上に重要な行事である。イースター・バニーの格好をしている教師は、イースターエッグを運ぶウサギを意味している。普通の学校では、まずイースターを祝う行事は行わない。というよりその存在に気づいていない可能性がある。まさに文化の交流とは、互いの発見である。)
★その象徴的な活動として、フィリピンのフィールドワークがあるし、70以上の講座を開設するグローバルウィークという活動がある。
★順天は、もはや大学受験のために試験にでる知識を憶えて終わりという勉強はしない。SGHの活動は全校生を巻き込んでいる。
★順天生は、いわゆる受験勉強以上の学びを日々行っているわけだ。海外で学んでも学校で学んでも、そこはグローバルな環境になっている。多様性は、互いの問題を理解し合い、いっしょに解決しようというモチベーションが生まれる。同時にそれがそう簡単にいかないのだという世界の痛みを引き受けることにもなるのだ。
★このような中高生時代の学びの活動によって成長した人材を、これからの大学は無視できるのだろうか。いや、できるはずがない。だから2020年大学入試改革は、小手先の入試問題のマイナーチェンジではなく、学びの活動を評価していくし、深い思考や深い学びができるか問おうとしている。もちろん、知識は大事だ。基礎学力は大学入学共通テストで測ろうというのであろう。
(長期留学は、行きたいからいけるというものではない。1年間留学した分の単位認定があるため、心構え、学び方、英語力など多角的な条件をクリアするというハードな学びが必要なのである。成績のみならず学習履歴=ポートフォリオの実績が大事なのだ。それに挑戦するマインドが重要だというのが長塚校長の考え方だ。)
★ある意味、これは海外の大学進学準備教育に一歩近づいたことになるから、海外の大学を進学しようと思ったとき、以前のように海外大学進学向けの特別な受験対策みたいなものはいらなくなる。順天のようにC1英語とプロジェクト学習とグローバル教育3.0というグローバルな視野を養い世界の痛みを共有できる活動をしていれば、あとは、アプリケーションを作成すればよいだけだ。
(ちなみに、今春の順天の大学合格実績は、東京大学、東工大、山口(医)をはじめ国公立大に39名、早慶上理に96名、国公立・難関私大(早慶上理・GMARCH)に40%の生徒が実進学。今後これにハーバード大学など海外大学への進路も増えていくだろう。)
★IBやAPばかりが、グローバルな教育を行えるのではなく、日本の一条校で、教師と生徒が一丸となって立ち臨めば、十分に国内外の大学進学準備教育ができるのである。
★その最適モデルを順天は創出しているのである。
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