2019年度 中学入試動向 異変あり
★本ブログでも取り上げた洗足学園が、やはり火種になっているように思われる。神奈川エリアの女子受験生の勢いがよいのだ。志望者数前年対比の学校シェアがシングルスクールの他のエリアに比べて群を抜いている。
★これは、洗足学園が大学合格実績でも偏差値でもフェリスを抜いたために、東京の女子校のように御三家の重石に支配されなくなって解放されたからだ。横浜共立も洗足にかなり溝をあけられ、いわゆる神奈川御三家みたいなものは総崩れになった。
★しかも、洗足のモデルは、グローバル教育の徹底で、それがアイビーリーグやリベラルアーツの名門校にたくさん輩出することになっているために、女子校は後に続きやすいのである。
★本来、リベラルアーツの米国大学は、フェリスが得意とするはずのものだったが、生徒の自主性や自律性を大事にするという名の、戦略のなさが、この事態を招いた。
★一方で、これ以上に三田国際や文化学園大学杉並は、他の追随を許さないIBにも比肩できるグローバル教育とエッセイ及びプレゼンを中心としたSTEAM教育の徹底により、実績を積み重ねてきた。
★それが引き金になって、東京も神奈川も共学校を志望する女子受験生の数に勢いがでてきている。
★三田国際や文化学園大学杉並レベルまでは、無理だとしても、洗足のレベルにもっていくことは可能ではないかという想いも神奈川の女子校、共学校にはあるだろう。
★いずれにしても、高偏差値群と偏差値無関係群のダイナミズムが神奈川エリアの女子校、東京と神奈川エリアの共学校、特に女子志望者でおきている。
★東京エリアの女子校と男子校は、いまだに御三家という強固な重石があるために、洗足学園のようなパワーのある学校はなかなかでてこない。そういう意味では、その重石のない共学校は活性化できているのだろう。
★たとえば、香蘭女学校の勢いはすさまじい。ICTや新タイプ入試など戦略的な展開が効を奏した。
★しかしながら、御三家以上の何か決定的な特色を作っているわけでないから、香蘭女学校が、洗足学園のように御三家クラスの学校を乗り越えるということは、今のところなさそうである。
★もちろん、洗足学園以上に破格のグローバル教育を行っている富士見丘学園などには、その可能性はあるが、東京の女子校の高偏差値層の岩盤は分厚い。
★そういう意味では、東京の男子校の中で、ひとり聖学院は、偏差値無関係群の中でかなり善戦をしていて、今後の行方が注目される。
★このように神奈川エリアの女子校の地図、同エリアの女子志望の共学校の地図に異変が生まれている。
★東京エリアの男子志望者も女子志望者も共学校の地図に異変はすでにおきているから、引き続きさらに大きくなるだろう。
★千葉・埼玉・茨城エリアの共学校で、男子志望者が大きな動きを起こしているが、これもまた東京や神奈川と違って、歴史のある御三家のような重石がないため動きやすい。いわゆる早稲田・慶応、MARCHなどの付属校も少ないので、昨今の大学定員厳格ルールによって、その防波堤を守りやすい私立学校に男子が動いたということで、21世紀型教育が広まったということではないだろう。
★千葉・埼玉・茨城エリアは、まだ2020年大学入試改革に関連する現実的な動きに即して動いているのであって、21世紀型教育が前面にでているわけではない。
★ただし、2020年の大学入試改革は、21世紀型教育とシンクロしているので、その展開次第で、21世紀型教育にシフトできる準備は水面下で進んでいる。
★というのも、来春開設の公立中高一貫校であるさいたま市立大宮は、IBを前面に出していて、21世紀型教育を基軸にしている構えを明らかにしているからだ。この動きが私立学校にとって無視できないのは、やはり来春開設するIBを導入する大阪の公設民営の中高一貫校水都国際の勢いのよい情報が埼玉にも届いているからである。
★中学入試市場は、水面下ではかなりの割合で、21世紀型教育に大きくシフトする準備を行っていて、過冷却状態になっている。ちょっとした刺激で、いっせいに大移動することになろう。その兆しが市場地図の異変を彩っているといえるのではないか。
★三田国際や文化学園大学杉並レベルまでは、無理だとしても、洗足のレベルにもっていくことは可能ではないかという想いも神奈川の女子校、共学校にはあるだろう。
★いずれにしても、高偏差値群と偏差値無関係群のダイナミズムが神奈川エリアの女子校、東京と神奈川エリアの共学校、特に女子志望者でおきている。
★東京エリアの女子校と男子校は、いまだに御三家という強固な重石があるために、洗足学園のようなパワーのある学校はなかなかでてこない。そういう意味では、その重石のない共学校は活性化できているのだろう。
★たとえば、香蘭女学校の勢いはすさまじい。ICTや新タイプ入試など戦略的な展開が効を奏した。
★しかしながら、御三家以上の何か決定的な特色を作っているわけでないから、香蘭女学校が、洗足学園のように御三家クラスの学校を乗り越えるということは、今のところなさそうである。
★もちろん、洗足学園以上に破格のグローバル教育を行っている富士見丘学園などには、その可能性はあるが、東京の女子校の高偏差値層の岩盤は分厚い。
★そういう意味では、東京の男子校の中で、ひとり聖学院は、偏差値無関係群の中でかなり善戦をしていて、今後の行方が注目される。
★このように神奈川エリアの女子校の地図、同エリアの女子志望の共学校の地図に異変が生まれている。
★東京エリアの男子志望者も女子志望者も共学校の地図に異変はすでにおきているから、引き続きさらに大きくなるだろう。
★千葉・埼玉・茨城エリアの共学校で、男子志望者が大きな動きを起こしているが、これもまた東京や神奈川と違って、歴史のある御三家のような重石がないため動きやすい。いわゆる早稲田・慶応、MARCHなどの付属校も少ないので、昨今の大学定員厳格ルールによって、その防波堤を守りやすい私立学校に男子が動いたということで、21世紀型教育が広まったということではないだろう。
★千葉・埼玉・茨城エリアは、まだ2020年大学入試改革に関連する現実的な動きに即して動いているのであって、21世紀型教育が前面にでているわけではない。
★ただし、2020年の大学入試改革は、21世紀型教育とシンクロしているので、その展開次第で、21世紀型教育にシフトできる準備は水面下で進んでいる。
★というのも、来春開設の公立中高一貫校であるさいたま市立大宮は、IBを前面に出していて、21世紀型教育を基軸にしている構えを明らかにしているからだ。この動きが私立学校にとって無視できないのは、やはり来春開設するIBを導入する大阪の公設民営の中高一貫校水都国際の勢いのよい情報が埼玉にも届いているからである。
★中学入試市場は、水面下ではかなりの割合で、21世紀型教育に大きくシフトする準備を行っていて、過冷却状態になっている。ちょっとした刺激で、いっせいに大移動することになろう。その兆しが市場地図の異変を彩っているといえるのではないか。
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