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2018年9月15日 (土)

【思考コード分析13】 この秋、学力を伸ばす そしてその意味。 

★中学受験生は、この夏猛勉強したのだと思う。9月首都圏模試センターが実施した「統一合判」の様々なデータにその姿が反映していた。ここでは、そのときの国語と算数の思考コード別かつ3つの偏差値レンジ(50・60・70)別の平均正答率をみてみたい。

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★こうしてみるとレンジ50の生徒が60にジャンプするには、A軸である知識・理解の領域も重要であるが、国語の場合は、B1思考の問題を丁寧にトレーニングすることであり、算数の倍は、A2B1思考を意識することである。

★レンジ60の生徒が70にジャンプするには、同様に上記のの図の赤い囲みを参照のこと。要するにB2思考の問題のトレーニングである。

★テスト対策や合格ということだけを目標にすると、間違ったところを完璧にしようとする。易しい問題を間違わないというのは合格の鉄則であるから、それはそれで間違いなく大切。

★しかし、それでは、実は直前になって伸びなくなる。というより守りに入るから、最後の1カ月で追い抜かれてしまう。

★A軸問題は、単純に想起したり、再現したりする問題が多いために、知識暗記、公式やパターンのあてはめに終始しがちになる。

★しかし、伸びる生徒は、どのように記憶しどのように想起するか、公式やパターンには、どのようあ意味があるのかB軸思考ができる生徒なのである。そう、A軸も、学び方によって立派に思考力が育つのである。

★したがって、B軸思考を鍛えながら、A軸領域の問題を行っていくのがこの秋の学びである。


では、何がB1だったり、B2で、どうやって考えていくのかそのスキルはというと、一般的な参考書には書いていない。そこで、首都圏模試センターは、模擬試験の解答解説に、上記の図に例を記したように、一問一答に「思考コード」と「思考スキル」が振られている。

★それを参考に学んで欲しい。

★そして、今は気づかなくてもよいが、これは試験を解く解法テクニックという範囲を超えて、世界を読み解き、世界を創るスキルと同じものなのである。ネルソン・グッドマンの「世界制作の方法」の章を参照し欲しい。多少「置き換え」思考スキルが必要になるが。


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★試験問題という疑似的世界を読み解き、疑似的世界を創るスキルは、来るべき新たな現実の世界を読み解き、あるいは新たな世界を自分で創る時の思考スキルにつながっているのである。

★受験勉強は合格するための戦略であると同時に、中学に入学し、その後の世界を知り、そして創る学びの土台にもなる。キャリアデザインの始まりでもあるのだ。

★現状この経験ができるのは、全国の小学校6年生の10%(私立中高一貫校、公立中高一貫校、国立中高一貫校受験生の割合)である。しかし、公立学校においても、税金を50億円つかって悉皆調査をしている全国学力テストの調査が毎年行われている。学校や学習指導要領や国の道徳の正当性の検証のためだけに使うのではなく、生徒の才能を開花するデータ分析をすれば、すべての生徒の潜在的な才能を刺激することができるだろう。

★今の全国学力テストのシステムで、テストのデザインと分析デザインをチェンジすれば、一気呵成にそれができる。創造的才能を研究している教育学者や人材育成のコンサルタントともっとコラボするとよい。

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