【C軸思考】ブルーフルーテッド・メガ
★amazonの紹介文がわかりやすいので、引用してみる。
本書は、ミュージシャン、作家、弁護士、企業経営者、ビジネスデベロッパー、アーティスト、広告主、デザイナー、起業家など第一線で活躍するデンマークの人々への豊富なインタビューを通し、その生き様やクリエイティビティを生み出す秘訣に迫るものですが、単なるノウハウのまとめ本ではありません。
世界各国の哲学者、人類学者、社会学者、心理学者、経営学者などの文献を渉猟し、その論理的な視座を、インタビュー相手が語る経験や金言に当てはめ、解釈を加えることで、実践知を得やすい構造(理論と実践を行き来しながら実社会の知的生産を育む「プラクシス」構造)となっています。
★というわけだ。インタビュー、理論、実践知、なんといっても成功したブランド力の豊富な話は、眠る者を覚醒してしまう。夢にまで、その物語は侵入してくるのだ。デンマークの代表的なブランドレゴの話もあって、興味深い。
★直接書いていないが、もしかしたらMITメディアラボとの出会いは、痛しかゆしだったのかもしれない。創業者の理念である「子どもはブロックを積むのが好きなのである」からマシーンにズレていったのを軌道修正して、シンプルなコンセプトに立ち還り、会社の危機を乗り越えたとある。
★この創業者の理念とか組織の基幹の枠内から外に出すぎても、クリエイティビティとは言えないのだというのが、著者のコンセプトなのである。創業以来243年続いているロイヤルコペンハーゲンのイノベーションによって誕生した「ブルーフルーテッド・メガ」の話もそれを検証するケースとしてでてきている。事例は山ほどあるのだが、紅茶を飲む方も多いだろうから、イメージしやすいかなと。
★しかも、ロイヤル・コペンハーゲンは、伊万里焼とも影響を与えて合っているようだ。19世紀末は、ヨーロッパをある意味ジャパノロジーが席巻していたから、そういうこともあるかなと。
★しかし、21世紀に入ってすぐに、ティーカップや皿の絵が「ブルーフルーテッド」に「ブルーフルーテッド・メガ」という新作が加わった。これがさらにロイヤルコペンハーゲンのブランド力を強化したというのだ。大胆に、非対称のシンプルなデザインだけれど、そのデザインそのものは、「ブルーフルーテッド」のデザインのトーンと変わっていない。これについて、同書の中でこうある。
★直接書いていないが、もしかしたらMITメディアラボとの出会いは、痛しかゆしだったのかもしれない。創業者の理念である「子どもはブロックを積むのが好きなのである」からマシーンにズレていったのを軌道修正して、シンプルなコンセプトに立ち還り、会社の危機を乗り越えたとある。
★この創業者の理念とか組織の基幹の枠内から外に出すぎても、クリエイティビティとは言えないのだというのが、著者のコンセプトなのである。創業以来243年続いているロイヤルコペンハーゲンのイノベーションによって誕生した「ブルーフルーテッド・メガ」の話もそれを検証するケースとしてでてきている。事例は山ほどあるのだが、紅茶を飲む方も多いだろうから、イメージしやすいかなと。
★しかも、ロイヤル・コペンハーゲンは、伊万里焼とも影響を与えて合っているようだ。19世紀末は、ヨーロッパをある意味ジャパノロジーが席巻していたから、そういうこともあるかなと。
★しかし、21世紀に入ってすぐに、ティーカップや皿の絵が「ブルーフルーテッド」に「ブルーフルーテッド・メガ」という新作が加わった。これがさらにロイヤルコペンハーゲンのブランド力を強化したというのだ。大胆に、非対称のシンプルなデザインだけれど、そのデザインそのものは、「ブルーフルーテッド」のデザインのトーンと変わっていない。これについて、同書の中でこうある。
これまでと違うことをおこなえばクリエイティブになるわけではない。それに加え、他者にとって価値あるものを生み出さなければならない。既存の枠から抜け出すのではなく、 既存の枠の限界ぎりぎりのところで考える。
★つまり、「ブルーフルーテッド・メガ は、 かつてのデザインを手本にしているが、既存の枠の限界ぎりぎりのところで、十分に異なるデザイン を生み出している。」のだと。
★どのインタビューも、ケースも、この「限界ギリギリ」「限界の縁の上」からクリエイティビティは生まれるというコンセプトが語られ、だからこそだれでも創造的才能を発揮できるのだと。
★アメリカ的な「ゼロから1」を生むという発想ではなく、「1から」生むのだとも語っている。これを裏付けるために、ラカンやミハイ・チクセントミハイの理論もたくさん引用されている。
★私の敬愛するハワード・ガードナーもデンマークの教育にも大きな影響を与えているというエピソードもあり、ますます眠れなくなったほどだ。。。
★確かに、乗り越えるとかビヨンドとか、私もよく口にするが、はじめから外にいたのではそんなことはできない。クリエイティビティは、エッジを効かせ、枠内で醸成されてきた伝統に謙虚に耳を傾けよということらしい。
★著者らの1つの信念に、デンマークと日本のクリエイティビティについての発想は似ているのではないかというのがある。なるほど伝統のエッジから革新が生まれるという発想は、不易流行に通じるのかもしれない。ある意味、文化人類学的な周縁理論にも通じるか。
★江原素六は、アメリカを選んだ。内村鑑三は、デンマークを選んだ。クリエイティビティを生み出す道も多様であるが、クリエイティビティとかイノベーションを大切にしていたという点は一致する。私学の系譜は日本のクリエイティビティの伝統と革新を保守しているのかもしれない。
★どのインタビューも、ケースも、この「限界ギリギリ」「限界の縁の上」からクリエイティビティは生まれるというコンセプトが語られ、だからこそだれでも創造的才能を発揮できるのだと。
★アメリカ的な「ゼロから1」を生むという発想ではなく、「1から」生むのだとも語っている。これを裏付けるために、ラカンやミハイ・チクセントミハイの理論もたくさん引用されている。
★私の敬愛するハワード・ガードナーもデンマークの教育にも大きな影響を与えているというエピソードもあり、ますます眠れなくなったほどだ。。。
★確かに、乗り越えるとかビヨンドとか、私もよく口にするが、はじめから外にいたのではそんなことはできない。クリエイティビティは、エッジを効かせ、枠内で醸成されてきた伝統に謙虚に耳を傾けよということらしい。
★著者らの1つの信念に、デンマークと日本のクリエイティビティについての発想は似ているのではないかというのがある。なるほど伝統のエッジから革新が生まれるという発想は、不易流行に通じるのかもしれない。ある意味、文化人類学的な周縁理論にも通じるか。
★江原素六は、アメリカを選んだ。内村鑑三は、デンマークを選んだ。クリエイティビティを生み出す道も多様であるが、クリエイティビティとかイノベーションを大切にしていたという点は一致する。私学の系譜は日本のクリエイティビティの伝統と革新を保守しているのかもしれない。
★そういえば、イートン・カレッジも伝統と革新の統合をアピールしている。時代も文化も違うが、歴史の深層では、つながっているのかもしれない。
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