« 東京都私立学校展で(3)聖学院 クリエイティブなオンリーワン・フォー・アザーズ | トップページ | 東京都私立学校展で(5) 未来を創る教育の学校に集まる傾向 »

2018年8月19日 (日)

東京都私立学校展で(4) 新しい教育に挑戦している学校に集まるのは希望のエクソダスである。

★20世紀型教育から21世紀型教育にシフトが続いている。よく物理的な時間からみて、21世紀になって4半世紀が過ぎようとしている今日、まだ「21世紀型教育」と言っているのかと揶揄されることがある。たしかに、そうではあるが、それは歴史における近代の意義について考慮しない場合の考え方である。

Dsc00626

21世紀型教育機構は、2011年以降、教育と産業の関係の転換意義(ハードパワーからソフトパワーへ)を見出し、「21世紀型教育」と表現した。それは、産業革命から長く続いた近代の闇の部分と袂を分かつ画期的教育の出現のことを意味している。

★そのことに、機構加盟校以外で明快に反応したのは、海城学園である。海城は、自らの歴史が、20世紀型教育の極致である学歴社会を支える側に位置していたことが必ずしも未来からやってきた留学生にとって幸福ではないことを内省し、自ら改革を徹底して行い21世紀型教育に転換した。そういう表現はしていないが、本質的にはそうである。

★いわゆる御三家をはじめとする難関男子校で、この近代の光と闇の中で、闇を生み出している≪官学の系譜≫に加担してしまった敬意を内省し、再び≪私学の系譜≫に自覚的に立ち還っているのは、ひとり海城のみである。

★開成や麻布、武蔵にしても、まさか≪官学の系譜≫に自分たちが加担しているなどと思ってもいないだろう。≪私学の系譜≫の殿堂だと思っているだろう。しかし、立派に〇APIXという塾歴社会によって、無自覚的に加担している度合いが大きすぎる。

★もちろん、近代史は光と闇のアンヴィバレンツな流れにあるから、すべてがその流れに飲み込まれている。大事なことは、闇に汚染されていることを常にリフレクションし、払い落としながら、光を求めて進むことだろう。

★そういう意味で、御三家の教育活動は、闇の汚染に無自覚な牧歌的な≪私学の系譜≫を謳歌しているともいえる。それに続くミニ御三家化したいわゆる難関校もそうであるところが多い。

★ところが、海城学園はそこから離脱を果たしているわけだ。それがグローバルな世界からみたら魅力的に見える。ドメスティックエリアでは、適切でも、グローバル世界では、不適切ということは、残念ながらあるのである。

★もっとも、開成は、何か今の状況を変えようとしているが、ダースベーダーの塾歴社会はかなり強固である。

★海城だって、塾歴社会から相当生徒がやってくる。しかし、ドラマエデュケーションやPAのプログラム、帰国生の大量受け入れによって、ダースベーダーのジェダイへの覚醒システムが働いている。それが、グローバルな社会で活躍しているファミリーにとっては魅力的なのだろう。

★聖学院のように創設当初から、ジェダイが育つ学校もある。海城や城北のように、新たな教育に挑戦している難関校もある。そういう学校に生徒が集まるというコトは、まさに希望のエクソダスではないだろうか。

★20世紀型教育は、悪の帝国対応型で、ダースベーダー製造教育であり、21世紀型教育は、共和国対応型でジェダイ成長教育であるというメタファーで語ることができるかもしれない。


|

« 東京都私立学校展で(3)聖学院 クリエイティブなオンリーワン・フォー・アザーズ | トップページ | 東京都私立学校展で(5) 未来を創る教育の学校に集まる傾向 »

入試市場」カテゴリの記事