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2018年8月23日 (木)

【静岡聖光学院×聖学院】教育イノベーション/変わるコトの最先端モデル モノからコトへ(3)

★21世紀型教育機構が、C1英語、PBL型授業、ICT、グローバル教育3.0、哲学×STEAM教育による現代化リベラルアーツを、教育システムとして循環させている。9月2日(日)の静岡聖光学院で行うシンポジウムでは、その点について同校の先生方、聖学院の先生方、われらが石川一郎先生が大いに語る。そして、首都圏模試センターの北氏と山下氏が、その流れが入試市場のウネリをつくっていて、2019年はトルネードになっていくことを予想する。

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★さて、しかし、これらはすべて空間のデ・ザインによるスペースメタモルフォーゼという話でもある。空間は、物理的な空間と内面的な空間があるとされるのが、それは、今までのモノとしての空間の捉え方である。いわゆるハコモノ20世紀型教育空間である。

★世界各国で、このような空間は監獄メタファーで語られ、一望監視装置空間として社会学的批判を積み上げられてきた。マクドナルドというグローバル企業でさえ、――いやマクドナルドだからこそか――マクドナルド化が、近代合理主義の闇を開いてしまっていることを社会学者たちにリサーチさせて、経営という空間システムをデ・ザインしてきた。

★世界の教育界が、同じように社会学者や文化人類学者の見識を導入し、空間をデ・ザインしてきた。特にサイバー空間を教育に導入する時、SNSという名の近代化の闇を増幅しかねない空間を光の空間にするために相当議論を重ね、システムをその都度デ・ザインしてきた。

★ところが、日本の教育は、今も相変わらず、一望監視装置のハコモノ空間で、その器の中で、これまた授業という内面的空間を一方通行型知識注入という結局一望監視装置の授業を形づくってきた。

★この授業形態を安穏と続けること自体、ある組織――アメフトやボクシング、レスリング、相撲、何やら水増し官庁――の心性と同根であることに気づいていない証拠なのであるが、依然として、この形態を変えようとしないところが多い。

★しかし、それは空間の作り方がそうなのであるから、変わりたくても変えられないという理由もあるわけである。

★だから、21世紀型教育機構加盟校は、空間のデ・ザインは必至なのである。PBL型授業は、理論物理学者デビット・ボームによれば、内蔵秩序である。サイバー空間とキャンパス空間も確かに物理的空間であるが、授業とサイバー上でつながることによって、内蔵秩序として関係態を生成する。

★C1英語、グローバル教育3.0は、外部空間を内蔵秩序につなげる役割を果たしている。

★つまり、モノとしての物理的空間と心理的空間は、21世紀型教育にあっては、内蔵秩序という関係態=コトとしてつながり、広がり、深くなっていく。つながるためには、英語や日本語など多言語をベースにした対話が重要であり、そのとき内蔵秩序から生まれ出でる思考が作用する。

★だから、外部空間、キャンパス空間、サイバー空間をいくら作っても、それらを内蔵秩序というマインドフルネスで知のシステムにつないでいく授業空間ができていないと、結局モノのままになってしまう。

★よく授業は変わらないから、オプションとして総合学習や研修、ワークショップを変えてごまかそうとしている学校、特に教育産業が多いが、コアである授業空間がPBLというプロジェクト型授業でなければ、多様な空間が内蔵秩序として関係を広げることができない。

★9月2日のシンポジウムで、思考力セミナーという生徒が体験できる場をつくっているのは、コズミックフォースを開放する最重要な場である授業空間をシェアしようというコトなのである。

★物理という教科でも数学という教科でもなく、理論物理や数学的な思考がいかに重要であるか、今回登壇する静岡聖光学院の植田先生、聖学院の児浦先生、本橋先生はみなコズミックフォースを放つ数学教諭であるところからも了解できよう。

★そして、東大やケンブリッジ、UCLなどの大学に進学していく帰国生のケアセンターを運営している鈴木氏がコーディネートを行う。AレベルやAP、IBの理数系の学びが、日本の教育とは全く違うという視点を21世紀型教育機構の先生方と交差させながらパネルディスカッションを盛り上げていくだろう。

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