« 【ザ教師】 児浦良裕先生 <私>を捨てて時代を創る | トップページ | 英語民間試験の成績活用について約半数の国立大が決められない。 »

2018年8月13日 (月)

i専門職大学への期待 新しい都市づくり

21世紀型教育機構は、ファーストクラスからクリエイティブクラスへと提唱して、7年目を迎える。初等中等教育で偏った偏差値優秀生を輩出する階層競争の場から、一人一人のオリジナリティ、クリエイティビティを生かしたオール創造的才能者が成長する場にしようという教育運動体である。その着想のひとつは、リチャード・フロリダ教授の「クリエイティブクラス」「クリエイティブシティ」「クリエイティブキャピタリズム」。

I

★この7年間、機構の各メンバー校は、C1英語、PBL、ICT、哲学×STEAMとしての現代化リベラルアーツ、簡単に言えば、グローバル教育×STEAM教育をベースに21世紀型教育の実践を積んできたが、そのかなたには、このオール創造的才能者の活躍がある。

★今の小学校6年生は、2040年には、34歳になる。つまり、日本の未来を実際につくるリーダーシップを発揮している時代である。しかしながら、そのとき日本は、このままいけば、生産年齢人口は減り高齢者が40%も占めている。

★現状の教育を続けていたのでは、悲惨な状況になっている。その悲惨な状況を圧倒的に好転させるにはいかにしたら可能か?そこに21世紀型教育機構の出発点があるわけだ。

★そんな想いとシンクロする新しいカタチの大学が2020年できるという。国家戦略特区も使いながら日本の新しい国づくりのソフトパワーベースの高度人材を輩出する。

★国家戦略特区を使うというコトは、気が遠くなるような岩盤規制を突破する動きができるということだろう。特に、ハードパワーとしてのICTではなく、ソフトパワーとしてのメタICTのアイデアを生み出すクリエイティブクラスを輩出するには、多様性が必要であり、国内外、つまりグローバルな研究協働活動が必要となる。

★ミネルバ大学が、東京ではなく、ソウルを選んだのは、日本の岩盤規制があまりに複雑で強固だったからであろう。

★i専門職大学は、その状況を逆手にとって、ミネルバ大学的な発想も、江戸文化発信拠点の墨田区と連携しながら行っていこうというのだろう。

★学長就任予定は、あの中村伊知哉教授。サイトを見れば、中村伊知哉教授らしい言葉が掲載されている。

10年、20年後には、今ある仕事の約50%が人工知能(AI)に取って代わると言われています。この話だけを聞くと不安になるかもしれません。でも、私は待ち遠しい。50%の仕事が失われるなら、500%の新しい仕事を創ればいいのです。

ICTはデジタル領域に特化したものではない。AI時代におけるすべての産業で先頭に立つための基本的な素養となるのです。ICTを活かして想像したことを創造していくきみたちに期待すること。それは、私が想像できない新しい仕事を生み出していくことです。ともに未来を見つめながら、世界を変えていきましょう。

★激しく同意。そして、そのためにも初等中等教育も、クリエイティブクラスが成長する場としてアップデートする必要があるのである。


★中村伊知哉教授が、i専門職大学を墨田区と連携しながらどんな新しい国づくりをしようとするのかについては、「ポスト2020の都市づくり」(学芸出版社 2017年)に掲載されている教授の論考が参考になる。


Dsc00366

★タイトルは<都市の創造力を高める「ポップ」&「テック」>。i専門職大学の教育理念「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造する」と重なる。


★今回の国家戦略特区である竹芝になぜサテライトキャンパスを出すのかもよくわかる。ここはデジタル・コンテンツ特区CiPの拠点でもあるからだ。

★同書全般を通して、初等中等教育の役割は論じられてはいないが、同書のケース紹介で出てくるエリアは、新しい教育を行っている初等中等教育の集積地でもある。

★大阪市の水都フェスについても述べられているが、ここには公設民営のIBスクール水都国際という中高一貫校が来春設立される。

★東京は、まさに21世紀型教育機構の拠点でもある。また北区の聖学院と静岡市の静岡聖光学院は、どの自治体もグローバルでクリエイティブな都市になり、やがてはAIを介在して、日本全体が一つの日本グローバル都市になる構想を実行しようとしている。

★国際政治経済は国家が、クリエイティブ経済は、日本グローバル都市が自在に行っていく。このような国家と相対的に独立している都市の二つの流れが合流した時、ソフトパワーはさく裂するだろう。

|

« 【ザ教師】 児浦良裕先生 <私>を捨てて時代を創る | トップページ | 英語民間試験の成績活用について約半数の国立大が決められない。 »

創造的破壊」カテゴリの記事