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2018年8月10日 (金)

【思考コード分析08】 公立中高一貫校模試でわかる大切なコト

★今年7月に実施された首都圏模試センター「公立中高一貫模試」いわゆる適性検査に対応した模擬試験の結果の「思考コード分析」をした。いつもの「思考コード」別のR曲線(Reaction Rate Curve by Range/偏差値レンジ別正答率曲線)を見てみると、やはり従来のテストでは排除してきた創造的才能があることがわかった。

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★A3というA軸思考は、知識の諸関係を結び付けながら活用する問題で、やはり知識がベースになっている。したがって、このR曲線は、順調に右肩上がりになっている。

★ところが、B軸思考で、ときどきがくっと下がる格子点がある。偏差値40~44レンジと偏差値65~69レンジが典型的な格子点である。

★しかし、このレンジのC1思考は、よくできている。

★いったい、これは何を意味するのか?従来型テストだとC軸思考の問題はほとんど出題されないから、今回C軸思考問題ができた結果、偏差値レンジが40~44や65~69になった生徒は、一般的なテストを受けた場合、レンジが下がってしまう。

★つまり、C軸思考問題がないことによって、創造的才能があるにもかかわらず、受け入れられないということが起こるのである。そして、これが、20世紀型教育の限界である。

★2040年から2060年の未来を支える人材は、愛と創造の能力資質、それを実現するスキルが必要なのにもかかわらず、ここの技術をもった生徒が認められてこなかったのである。

★しかし、公立中高一貫校の適性検査や私立中高一貫校の思考力入試をはじめとする新タイプ入試、その延長上にある早稲田大学などの思考力型入試問題は、この能力を大切にする。

★しかも、首都圏模試センターの公立中高一貫模試のように、思考コードを見ればわかるが、A軸B思考軸思考もC軸思考もバランスのよい生徒を見出すテストが存在することは、多様な才能者、多様な学習者を受け入れることができる可能性が、ある意味、立証されたことになる。

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★つまり、新タイプ入試が、多様性を受け入れることができるという仮説の有意性を、学校の入学者の状態という経験値とデータを重ね合わせて語ることができるようになったということである。

★もはや、新タイプ入試をわけのわからない変な入試だと排除する言動は、レスリングやアメフト、アマチュアボクシングで問題になっている組織悪に相当する行為であるといえよう。

★中学受験業界も新たな地平を見出す時がきた。

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