【思考コード分析03】 知識と思考をつなぐ「記憶システム」
★ところが、4月、7月と首都圏模試センター実施の「統一合判」の「思考コード分析」をしていて、【グラフ1】のような傾向になるのは、どうやら中学入試から大学入試までおそらく同じなのだろうという仮説がたてられるのではないかと気づいた。
★実は、国語と社会と理科は、同じような傾向がみられ、算数だけは、美しくも正答率が、思考コードの番号順に低くなるのである。A1→A2→B1→B2。適性検査型テストを分析したら、C軸の傾向もでてくるが、今は中学入試から大学入試まで典型的な問題プロトタイプとしての「統一合判」をもとに考えたい。
★【グラフ1】にあるように、国語では、A2→A1→B1→B2という順番で正答率が低くなっている。つまり、算数は、A1がA2より易しく、国語はA1がA2より難しいと生徒は感じているのである。
★では、算数のA1と国語のA1では、知識・理解の意味が違うのか?いやそれは、そうではないだろう。
★ただ、算数の知識は、知識として独立して記憶することがほとんどない。計算であろうと一行題であろうと、応用問題であろうと、計算操作の知識は、すべて重なっている。つまり、算数の思考において、計算操作という知識は、すべて活用するのである。
★だから、当然、知識の使い方が複雑になったり、使う時に条件が隠されていて、気づかなければ先に進めない高次思考を活用する問いに関しては、難しいと感じるのは当然だ。計算操作のメタモルフォーゼなのだから。
★ところが、国語の場合、その知識を記憶したからといって、日常の言語的思考において活用するかどうかは明快ではないし、使わないことの方が多いのである。したがって、記憶貯蔵庫があるとすればだが、そこに使わないで、積み重ねられ、その整理の仕方いかんによっては、記憶はしたものの探すことができない状態になっている。だから、そこはAIによって、検索してもらおうよということになる。
★しかし、ここで、大事なことは検索というシステムがAIと人間の場合はどう違うかというコトだ。人間の場合は、連想や同意義や反意語、隣接性、共通性などの関係性で記憶を呼び覚ます。
★大事なことはこの記憶の仕方ということなのだ。そして、この記憶の仕方こそ思考の仕方と一致する。記憶は思考であるということだろう。
★その意味で、知識=思考というコトなのだが、記憶システムの解明が、知識と思考の関係を考えるときに重要だということだろう。
★だから、知識はAIに任せておけばよいという考えは、おそらく人間の思考力を弱体化させるだろう。逆に、知識を思考の領域にもちこめない、丸暗記としての記憶もまた、思考を弱体化させるのである。
★おそらく、A1は、国語の場合は、普段使わない超長期記憶の問題も含んでいるために、正答率が低くなる。A2は、文脈の中で思考する記憶。ある意味、超短期記憶の発動で、それゆえ、記憶しているという意識がめだたないだけなのだろう。
★文章を読むとき、超短期記憶を発動している。そのとき「思考スキル」という関係性を考えるキーを押しながら読み進んでいくのである。一連の問いは、その超短期記憶を呼び覚ますキーの実行でもある。
★ところが、丸暗記のままで、その領域の問題を出題することに、結果的になってしまっている国語のA1知識という思考軸は、記憶のシステムを活用するキーが見当たらない場合が多い。そこで、正答率が低くなる。
★実用的かどうかは、ひとまずカッコにいれて、A1の問題を突破するには、脳内に文脈を記憶しておく必要がある。文章読解のように思考スキルを発動できるわけである。
★それゆえ、マインドマップやコンセプトマップのような、記憶すべき知識同士の関連性を可視化しながら、それを記憶していく。そのマップのどこかの格子点にたどりつけば、それをたぐっていけば、記憶の奥に置かれていた知識をたぐりよせることができる。ディスカッションしながら、マインドマップをデザインしていく作業は、記憶システムにマッチするのである。
★知識とは、思考の際に行う文脈を関係づけして記憶するメカニズムであり、思考とは知識の関係をたぐりながら、あらたな関係を見出し、新しい知識に転換していく記憶のメカニズムのことなのである。
★AIは、記憶のメカニズムは有していない。検索のメカニズムを有しているだけだろう。覚える君から考える君というわかりやすい比喩が流行っているが、それはメタファーであって、地の文ではない。しかし、メタファーをファクトとしてすりかえて、まともにそう言っている教育関係者が多い昨今。ヤバイ。
★教育の世界にわかりやすさというコモディティ化をもちこむことによって、子どもたちの才能を見誤るカリキュラムをつくることになりかねないというリスクマネジメントができる教師がいる学校と完全にわかりやすさというコモディ化を推進している最悪な教師がいる学校がある。
★そこを見抜けるかどうかで、子どもの未来は違ってくる。
★ところが、国語の場合、その知識を記憶したからといって、日常の言語的思考において活用するかどうかは明快ではないし、使わないことの方が多いのである。したがって、記憶貯蔵庫があるとすればだが、そこに使わないで、積み重ねられ、その整理の仕方いかんによっては、記憶はしたものの探すことができない状態になっている。だから、そこはAIによって、検索してもらおうよということになる。
★しかし、ここで、大事なことは検索というシステムがAIと人間の場合はどう違うかというコトだ。人間の場合は、連想や同意義や反意語、隣接性、共通性などの関係性で記憶を呼び覚ます。
★大事なことはこの記憶の仕方ということなのだ。そして、この記憶の仕方こそ思考の仕方と一致する。記憶は思考であるということだろう。
★その意味で、知識=思考というコトなのだが、記憶システムの解明が、知識と思考の関係を考えるときに重要だということだろう。
★だから、知識はAIに任せておけばよいという考えは、おそらく人間の思考力を弱体化させるだろう。逆に、知識を思考の領域にもちこめない、丸暗記としての記憶もまた、思考を弱体化させるのである。
★おそらく、A1は、国語の場合は、普段使わない超長期記憶の問題も含んでいるために、正答率が低くなる。A2は、文脈の中で思考する記憶。ある意味、超短期記憶の発動で、それゆえ、記憶しているという意識がめだたないだけなのだろう。
★文章を読むとき、超短期記憶を発動している。そのとき「思考スキル」という関係性を考えるキーを押しながら読み進んでいくのである。一連の問いは、その超短期記憶を呼び覚ますキーの実行でもある。
★ところが、丸暗記のままで、その領域の問題を出題することに、結果的になってしまっている国語のA1知識という思考軸は、記憶のシステムを活用するキーが見当たらない場合が多い。そこで、正答率が低くなる。
★実用的かどうかは、ひとまずカッコにいれて、A1の問題を突破するには、脳内に文脈を記憶しておく必要がある。文章読解のように思考スキルを発動できるわけである。
★それゆえ、マインドマップやコンセプトマップのような、記憶すべき知識同士の関連性を可視化しながら、それを記憶していく。そのマップのどこかの格子点にたどりつけば、それをたぐっていけば、記憶の奥に置かれていた知識をたぐりよせることができる。ディスカッションしながら、マインドマップをデザインしていく作業は、記憶システムにマッチするのである。
★知識とは、思考の際に行う文脈を関係づけして記憶するメカニズムであり、思考とは知識の関係をたぐりながら、あらたな関係を見出し、新しい知識に転換していく記憶のメカニズムのことなのである。
★AIは、記憶のメカニズムは有していない。検索のメカニズムを有しているだけだろう。覚える君から考える君というわかりやすい比喩が流行っているが、それはメタファーであって、地の文ではない。しかし、メタファーをファクトとしてすりかえて、まともにそう言っている教育関係者が多い昨今。ヤバイ。
★教育の世界にわかりやすさというコモディティ化をもちこむことによって、子どもたちの才能を見誤るカリキュラムをつくることになりかねないというリスクマネジメントができる教師がいる学校と完全にわかりやすさというコモディ化を推進している最悪な教師がいる学校がある。
★そこを見抜けるかどうかで、子どもの未来は違ってくる。
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