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2018年7月26日 (木)

工学院 なぜタフでフレキシブルなのか。

★工学院大学附属中学校・高等学校は、八王子エリアで、日本全体の中でも突出した教育コンセプトとその実現に学内は騒然となりながらも邁進している。創造的破壊とは、かくもモチベーションが高く、それ以上にコンフリクトが絶えないのか。

★それゆえ、タフでフレキシブルな学校経営であり、風変わりな強烈な学校である。もしこのような学校が欧米にあったとしたら、最高の教育実践校として高い評価をもらうことになるだろう。

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(左から、島田先生、田中先生、奥津先生、岡部先生)

★とはいえ、ちゃんとこのような嵐のような変幻自在な学校経営のかじ取りをしている4人の教師がいる。彼らは、トリプルAの人材だ。Active, Adaptive, Assistiveなのである。つまり、いろいろなセミナーやグループが、今大事だというキーワードがすでに実践されている学校である。

★4人の先生方は、何よりソフトパワーを持っている。それが外部のネットワークとリンクするとき、ただ、外部のソフトパワーをそのまま使ったり、あるいは外部のネットワークに丸投げすることがないわけだ。

★安定して幸せな学校は、ソフトパワーがそれほどあるわけではない。パッケージ教材やプログラムを日々丁寧にこなして、それで大学実績を出すだけの学校である場合が多い。物事を理解するだけの人間を養成していると安定しているように見える。

★ところが、ソフトパワーに満ち、物事を理解するだけではなく、物事を創造し、理解するキミから成長するキミへとジャンプできる学校がこれから必要なのは言うまでもない。

★島田先生は、未来の自動車の研究を生徒と共にしているし、田中先生は、個の力が社会を変えるソフトパワーを生み出す新しい組織をデザイン中。奥津先生は、あらゆる事象を数学的思考、端的には方程式に変換する能力開発者。岡部先生は、UCLA卒業当時から、今巷でいわれている未来の教育を見通していた。岡部先生の目に新しく映るものはなく、次に何が来るのかさらなるリサーチの最中。

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(信念の私学人平方校長と議論しながら、相対化していくのが岡部先生の役目。)

★こうして4人の先生方の特徴をみていくと、グローバル、STEAMのビジョンがほとんどそろっている。グローバルに関しては田中先生、サイエンスとテクノロジーは島田先生、マスは奥津先生。

★エンジニアリングは?岡部先生は英語の教諭であるが、20世紀末IT革命が世を席巻してた頃、ITベンチャーや大手外資系企業にいた。今でいうSNSやオンライン学習の開発チーフをやっていたときもある。よって、この領域には、岡部先生がいる。

★それでは、アートは?それがちゃんといる。この加速度的な変化の旗を振って、アメリカ大統領のように先頭に立って、文科省とやりとりし、私立学校全体を保守しようという私学人平方校長がそうなのである。

★エッ!?平方校長は生物や技術の教諭ではないのか?その通りなのだが、実は彫刻家なのである。群馬県の美術界の名士でもある。

★というわけで、グローバルとSTEAM、すなわちGSTEAM教育を邁進するのには、理由があったわけだ。

★世の中が変わるというのもある。しかし、時代の深層のニーズは、GSTEAMの理論と実践とスキルを生徒1人ひとりが体得できることである。

★ただ、深層のニーズだから、本物なのである。本物はウケがそれほどよくない。ポピュリズムの現代にあっては、生産者に操作されている消費者のニーズをふりまかねばならない。

★工学院は、そこは巧くない。巧くなければいけないのかという正しい考え方もあるが、世の中とは、残念ながら、正当性よりも妥当性が効を奏すようだ。

★さて、工学院の4人衆と校長は、どう舵をとるのか。巷で論じられている未来の教育は、岡部先生と私もいっしょにシンクタンクを立ち上げていた時があったが、そのときに、すでに見ていたものばかりだ。

★だから、さらに次はどうなるかが、本当の意味での未来の教育なのだが、その未来は、生徒のいまここでにすでにある。それを敏感に察知するのが田中先生。4人のチームワーク次第ということだろう。

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