2024年2月21日 (水)

【速報】聖パウロ学園 奨励賞(3位)グリーンインフラ・ネットワーク・ジャパン ポスターセッションで

グリーンインフラ・ネットワーク・ジャパンのポスターセッションが、東京ビッグサイトで開催。聖パウロ学園のプロジェクトチームが「森の教室に関する活動」を、ポスター発表しました。そして、大学や企業の参加が多い中で、奨励賞を受賞したと校長小島綾子先生から一報ありました。おめでとうございます!

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★京都産業大学と東京農業大学に続く3位のようです。実質2年間かけてプランニングと試行錯誤をしてきたボランティア&探究活動&SDGsアクションの一つの成果です。

★ボランティア活動は聖パウロ学園の日常であり、探究は3年かけて試行錯誤してきました。気候変動リスクやSDGsを達成する活動もここ数年チャレンジしてきました。

★これらの経験がひとつにつながった瞬間ですね。パウロの森を新しい角度からとらえ返し、活動拠点にしたパウロ生の「目からウロコ」の活動でした。

※ちなみに、「目からウロコ」のエピソードはもともと聖パウロからきています。

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22世紀型教育準備へ(11)【独り言風】ラディカルな学びのツール 探究を教科が回収してしまう動きか?

★現在、生成AI関連の学びのツールの開発が多様に行われています。その中で優れているけれど見た目の費用で高いものは学校で避けられる傾向があります。しかし、その中で、いわゆる偏差値というものが高い東京と神奈川の学校が最終的なコスパを比較考量して高いもの(とはいえ生徒1人1000円しないのですが)を選択しているらしいのです。いずれ未来コンパスのようにどこの学校も似たようなツールを導入せざるを得なくなるでしょうが。

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★当ブログのアクセス記事が、今までと違うのは、そのような新しい流れが反映しているからなのかもしれません。今までとは異なる種類の記事がいくつもアクセスが増えているのです。

★とにかく、何人かの親しい生成AI開発の企業のスタッフから、話を聴いていると、2040年から2050年までに到達目標が掲げられている内閣府のムーンショット目標にむかって、大学と企業の連携開発は進んでいて、そこに直結する生成AI関連ツールを活用した高偏差値学校グループが出現しています。

★そこがどこかなのは、4月以降にだんだん明らかになっていくと思います。

★そして興味深いのは、その動きの大きな特徴は、教科の中に探究が回収されていくのです。総合型選抜と一般入試も境目がなくなっていきます。

★早稲田大学と慶應義塾大学の一般入試の統合体が出現してきます。そして、それとオックスブリッジの口頭試問が加わってきます。ただ、生成AI関連の対話評価システムで採点シテムのスピードは加速度的です。現在もすでに小論文を生成AIが自動採点する創意工夫はいくつかの学校で先生方がチャレンジし始めています。来年の今ごろには、公開セミナーなどで公開されているでしょう。

★2027年ころから始まる新学習指導要領の改訂では、探究は教科に回収され、探究の時間は、すべて自由研究になりそのベースにツールとしてのSTEAMキットがセルフ生成AIロボに搭載されているでしょう。本当は、これが探究そのものなのかもしれません。ともあれ、ある区ではその第一歩を4月から開始しますね。今後は、多くの学校でそうならないと、ムーンショット目標は達成されませんから。

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2024年2月20日 (火)

22世紀型教育準備へ(10)生徒の対話力 「チャット→メタ認知→弁証法のマルチスパイラル」

★先週18日(日)、和洋九段女子のFuture Roomで、21世紀型教育機構(以降「21会」)のカンファレンスが開催。リアルスペースとライブ配信の両方を合わせると多くの方が参加され、久々の対面型カンファレンスということもあり盛況でした。

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★テーマは、「22世紀型教育の準備は始まっている」でした。今の中高生が22世紀にはもう私たちの年齢以上になっています。ですから、21会の生徒自身が、カンファレンスの中で「自分たちが22世紀の社会をデザインしていく自覚を持っています。今日はその第一歩を踏み出していることを皆さんと共有したいと思います」と高らかに宣言しました。

★文化学園大学杉並、聖学院、工学院、和洋九段女子の4人の高校生が22世紀の教育は自分たちが創っていくのだけれど、いまどうすればよいのかというアドリブ型というかナチュラルな対話を披露しました。

★このようなパネルディスカッション風のものには、一般には教師が司会などするものですが、今回はありません。生徒自身がナチュラルでカジュアルでラディカルでそれでいてディープな弁証法的対話を展開していくのです。

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★最初は、感覚的で主観的なチャットから始まり、次に問題を客観的な視点(メタ視点)で、ロジカルシンキングの問い合いをしていきます。しかし、で、自分たちはどうするのか?と弁証法という意味でのダイアローグ(対話)にブレークスルーしていくわけです。

★このようなソクラテスやヘーゲルに代表される弁証法的実装ができるのは、21会校が破格のグローバル教育を行っているという文化が共通しているからです。そして、生徒が教師の目を意識せず、自分の言葉を見せることができる仲間をつくり、ともに対話できる場をつくる教師がいるからです。そのような教師は21会ではSGT(スーパーグローバルティーチャー)と呼んでいます。

★それから、SGTのグローバルな教育観の肝は、もちろん、日本的な文化と世界の文化の融合をどう学びで展開していくかです。このへんの理屈については21会校のSGTが対話をしました。いずれご報告します。

★それにしても、登壇した4人の生徒を支え見守るべく、各学校から仲間がやってきていました。先生方の対話の途中、飛び入りで語った生徒もその中にはいました。マインドセットという言葉がよくつかわれます。シンプルには、教師も生徒も表現で自分を開いていける状況が生まれるような場の設定ということでしょう。

★SGTは、本当にそのようなアートプロデュース力がありますね。

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2024年2月19日 (月)

22世紀型教育準備へ(09)フェリスを注目する時代の眼差し

★ここにきて、昨年12月12日に書いた「2024年中学入試(14)フェリスの国語と教養科 shuTOMO12月号の記事保存版」という記事にアクセスが集中しています。shuTOMO12月号の「フェリス女学院中学校・高等学校 この授業・この先生 文学を通して多様な思想や文化を知り、『世界の一員』という視点を持ってほしいですね。フェリス女学院 国語科 教養科 近藤華子先生」という記事について感想を書いたものです。執筆者は渋田隆之さんです。首都模試センター・中学受験サポーターで、神奈川の大手塾で中学受験セクションを立ち上げたり、国語専門塾を経営したり、教育コンサルタントなどで活躍したり、書籍や雑誌などで影響力を持っています。

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★近藤先生のリベラルアーツをベースにしたプログラムが探究の授業だけではなく、国語の授業にダイレクトに反映していることについて書いたと思うのですが、このことに注目している時代の眼差しがあるのだなあと少し元気づけられました。

★また渋田さんのように、そのようなフェリスのリベラルアーツベースの言語能力育成のメカニズムが、学校の顔である入試問題に反映していることを鋭く見抜く洞察力を持っている方の存在に中学入試の世界に希望をもてたわけです。

★中学受験や中学入試は、まずは合格を目指します。その集中力はとても大事です。しかし、その集中力は入試問題の向こうにあるその学校のキャリア教育に結び付いた学びまで見通し、さらにその向こうに自分の生き様の像を映し出せるほどであるとよいですね。

★近藤先生及び渋田さんのような理想を現実にする学びのデザインや洞察力。中学受験のブームが終わったとメディアは最近言っているそうですが、中学受験のブームのために私立学校はあるのではないのです。

★生徒の人間としての生き様を生み出す教育の環境やシステム、仕掛けなどに取り組む私立学校の教師の営みに終わりはありません。それには渋田さんのような文学的なあるいは哲学的なプロデュースの眼差しが大いに頼りになるでしょう。

★22世紀型教育だって、不易流行に変わりはないのです。このようなフェリスの不易の部分こそが、もっと大事になるでしょう。

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2024年2月18日 (日)

22世紀型教育準備へ(08)かえつ有明 人的資本広報活動 教育の魅力は教師の魅力

★昨日17日(土)夕刻、かえつ有明中・高等学校の広報主任内山誠至先生から、2月1日~2月3日に実施した中学入試報告資料が教育関係者に配信されました。同資料はA~Eの内容になっています。それにしても、短期間にこの膨大な資料をまとめるには、教職員一丸となって制作したことが伝わってきます。

A 2024年度中学入試レポート 

B 2024年度中学入試統計表(出願者、受験者、合格者数) 

C 2024年度中学入試データ(平均点、合格最低点) 

D 2月1日午前入試および午後入試(+2月3日午後AL思考力入試)における教科ごとのまとめ 

E 2月1日午前入試および午後入試の問題データ(国語、算数、社会、理科)

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★A~Cは、入試の詳細なデータ。ふだんからのデータサイエンススキルの面目躍如です。

★DとBはすべての各教科及び思考力入試の問題の傾向分析、生徒の反応分析、来年度の指導のポイントがきっちりまとめられています。

★教育関係者や塾関係者は、これをさっと眺めるだけでも、同校の教育の魅力を支えている教師の人的資本の豊かさを感じるはずです。もちろん、このような入試が終わるや報告書をまとめる体制がここ何年も続いているわけで、教師の研修の内製化の一環でもあり、教師の魅力がアップデートされていくことは想像に難くありません。

★かえつ有明の人気が継続し、それとともに難しくなっていくのですが、それには、このような教師の人的資本を輝かせるシステムができていて、このような教師の魅力を内山先生は広報活動の一環として伝えているのです。

★ファンが増えるのも当然です。この人的資本広報活動は、私学の22世紀型教育の準備につながっていきます。

★とにもかくにも、学校の魅力は教師の魅力、教師の魅力は学校の魅力です。シンプルで最強です。

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22世紀型教育準備へ(07)21世紀型教育機構のカンファレンス 新年の覚悟を共有して

本日18日(日)、和洋九段女子で21世紀型教育機構のカンファレンスが開催されます。コロナ禍でしばらくオンラインで機構会員校限定の勉強会を行ってきました。しかし、ようやく対面で行うことができるようになりました。もちろん、アフターコロナですから、対面で小さくそしてライブ配信で大きく同じ気概を持った方々と共有する無料イベントです。22世紀型教育への準備という教育アクションによって社会に貢献するアテンションをあげることによって、機構会員校のみならず日本のこれからの教育のブランドを創っていく動きです。ブランドアクティビズムの手法をとっています。一般的な広報活動とは違い、私立学校の覚悟と気概の教育が軸になっています。

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(同機構理事長平方邦行先生:富士見丘のグローバル探究の成果発表会に出席されていたとき撮影)

★21世紀型教育機構では、会員校宛に、新年の挨拶として、機構の理事長平方邦行先生から、次のような文章が配信されました。本日のカンファレンスの前提の覚悟になります。ご参考にしてください。

21世紀型教育機構 新年のメッセージ
2024年1月10日
21世紀型教育機構
理事長 平方邦行

2024年は、自然と社会と精神が分断されることによって大惨事が起き、その痛みは遠くの出来事ではなく私たち一人ひとりに重くのしかかってくることを改めて受けとめなければならない覚悟の時代を迎える瞬間から始まりました。

思えば、私たち「21世紀型教育機構」は、2011年の東日本大震災の時にその覚悟を自覚し、「21世紀型教育を創る会」から始まりました。5年の歳月を経て、21世紀型教育の土台を同盟校は鋭意努力し、日本ではどこも行っていていない「アクレディテーション」によって21世紀型教育の持続可能性と質的進化を果たすシステムを作り、2015年に「21世紀型教育機構」としてバージョンアップしたのです。

2020年には、パンデミックに直面しましたが、本機構の同盟校は速やかにオンライン授業で対応し、生徒の命と精神と学びを守る21世紀型教育の持続可能性を証明し、「21世紀型教育」を行っている私立学校の存在が価値あることを示しました。一般財団法人日本私学教育研究所及び一般財団法人東京私立中学高等学校協会においても、全国に21世紀型教育を行うミッションを共有するに至りました。

そして2024年、再び東日本大震災と同レベルの能登半島地震に見舞われたのです。自然というのは、自然と社会と精神の循環を持続可能にするように、人間に畏敬の念を抱かせながら根源的な言動をかくも促すものなのだと感じない日はない今日を迎えています。多くの老若男女の命が失われるニュースを日々目にしています。また、こうしている間にも、ウクライナやガザをめぐる自然と社会と精神の分断が激しく、多くの人が貴重な命を落としています。もはやこの悲惨な有様と痛みは、遠くの出来事では済まされないのです。ですから、目の前の生徒の命と学びの機会を今まで以上に守ることが私たち21世紀型教育機構の使命であることを皆様と共有させて頂きたいのです。

2024年は、もし元号が昭和のままだとしたら昭和99年です。いよいよ時代は本格的に質量ともに21世紀型教育に移行すると同時に、目の前の生徒が100歳を迎えるときには、すでに22世紀になっていることに思いを馳せ、「22世紀型教育の準備をしていく転換点」でもあります。

地政学リスク、気候変動のリスク、精神不安のリスク、人工知能リスク、あらゆる局面での社会的結合のリスクなどを乗り越え好転に変換する知(知性・感性・身性・社会性・宇宙性などの包括知)はいかなるものか、自然と社会と精神の循環を修復し持続可能にし、人類の新しい平和と新結合を生み出す子供たちの叡智と行動と新しい価値を生成する「22世紀型教育」へ共に邁進していきましょう。

追伸:「22世紀型教育のモデル」を本機構の21世紀型教育研究センターの皆様に創発して頂きたいと思います。そして「22世紀型教育プロジェクト」を加盟校に広めて頂きたく、よろしくお願い致します。 

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2024年2月17日 (土)

22世紀型教育準備へ(06)富士見丘の圧倒的グローバル探究力 全員が英語を公用語として探究活動②

★現在の富士見丘の高2が、40歳になるのは2046年です。2101年、つまり22世紀が始まる時95歳です。確実に高2の皆さんが22世紀社会を創り上げていくリーダーとして活躍します。「2023年度SGH・WWL課題研究発表」は、同校の理事長・校長もその期待と希望を胸に、高2生にエールを開会の言葉として贈るところから始まりました。そして、高2生の未来の活躍の様子が目に浮かぶようなパフォーマンスが繰り広げられたのです。2年弱かけてきた「台湾」「マレーシア」「グアム」のフィールドワーク・グローバル探究の成果を15チームが発表し合うコンクール形式のイベントです。

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★予め生徒も共有しているルーブリックに基づいて、上杉恵子先生(明海大学ホスピタリティーツーリズム学部教授)と歌野寧先生(池田高等学校 広報主任・英語科教諭)が審査をしました。チームのプレゼンが終わるたびに、質疑応答が展開。2年弱の探究の成果を5分でプレゼンしますから、各チームは、いかに包括的な言葉や図、グラフなどで全体像を表現するか、具体を抽象化しつつも、イメージを膨らませる高度なシンボリックな表現をしています。

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★お二人の先生の問いかけは、聴衆者にイメージの補強をする意味で教養ある問いだなあと感心させられました。リーサーチの場所はもっと他の場所もいったのではないか?提案を広める具体的なアクションは何か?インタビューの相手の反応に他にどのようなものがあったのか?探究のテーマの重要性や信頼性についてどのくらいの人が興味を抱いたのか?など。

★すると生徒の皆さんは、間髪を入れずに、質問に感謝し、インタビューや文献リサーチやアンケートの結果から回答していました。確かに、5分のプレゼンで、そのような膨大なデータを示すことはできませんが、質問されたらいつでもいろいろな角度から応えられるほど、エビデンスを用意していたのです。

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★したがって、ルーブリクにある評価観点、たとえば、explore(インタビュー、フィールドワーク、アンケート、文献リサーチなど)、exchange(議論をしなが論理的構成、視聴者を世界に巻き込む表現や演出の編集工程)、トゥールミンモデル(意見、根拠、データ論拠、反駁など)など甲乙つけがたかったでしょう。

★特に問題解決の提案は、リーフレットやTikTokなどですでに実装しており、インパクトがみなあるのです。

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★そんな中で、ハンドメイドの防災グッズをつくるワーックショップを各所でやって、リアリティのある防災教育を行っていくという提案をし、実際に保育園で実践した事例も報告するところもありました。サイバースペースとリアルスペースの交差が、さすがはSTEAN教育も行き届いている富士見丘だと感心しました。

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★コンクールの結果は、本当に甲乙つけがたかったと思います。吉田理事長は、今までは、前もって選抜したチームの発表をしてきたが、今回は全チームが出場した。それだけ、英語の力においては本当に甲乙つけがたく、立派なものに今年はなっているのです。」と目を細めていました。何せ、理事長自身青年時代に留学しており、英語堪能ですから、そのことがよくわかるわけです。そういう意味で、帰国生は海外で経験した教育環境と何ら変わらないのです。理事長校長と英語で対話できるのですから。

★最後に、優勝賞の発表がありました。審査員の先生方は、論理展開、効果的表現、英語力ではおそらく点差がつかなかったのでしょう。最終的に1位になったのは、台湾フィールドワークの❝SDGs×Disaster Prevention~No one left Behind❞のチームでした。災害が起きたときの障がい者の防災について研究し、本当の問題は何か、解決するにはどうするかアクションプランイング、そして解決策を広めるリーフレット作成と実際の広報活動まで5分でプレゼン。

★審査員の先生方は、おそらく問題意識の信頼性、妥当性、深さなど、実際に能登半島地震でも大きな問題になっている緊急性など合わせて、このチームを優秀賞にしたのでしょう。しかし、それとて僅差だったと思います。

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★最後に富士見丘の理事長補佐・校長補佐の吉田成利先生か富士見丘の生徒と池田高等学校の生徒にエールを贈る言葉がありました。成利先生自身、イギリスやアメリカの大学院で研究しPh.D.を取得しています。法学博士です。現在明海大学の准教授でもあります。

★ご自身のグローバルな経験や大学院での経験、何より本物の探究方法を生徒と共有しています。もちろん英語でです。

★そんな成利先生が、ご自身のことも含めて、探究という究める行為は一生かけて終わらないのだという意味のことを福沢諭吉の言葉から引用して語りました。

★私立学校は気概と理念を不易流行として継承していくことが求められそれは並大抵のものはではないのです。人気があって入ってみたものの、校長が変わって元の木阿弥という事態だって少なくありません。

★その意味で、富士見丘の今年の人気は22世紀にかけて安泰だと感じ入りました。

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22世紀型教育準備へ(05)富士見丘の圧倒的グローバル探究力 全員が英語を公用語として探究活動①

★昨日、富士見丘では、「2023年度SGH・WWL課題研究発表会2024.2.16」が開催されました。同校の6年間の破格のグローバル教育の集大成ともいうべき公開イベントです。各所から見識者も駆けつけていました。また、同校は鹿児島のSSH校池田高等学校ともコンソーシアムを組んで、年間通じての知の交流をしています。そのため池田学園の理事長・校長はじめ2チームの生徒の皆さんも参加されていました。

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★とにかく驚いたのは、高2の「グローバルスタディー演習」で探究活動をしてきた生徒15チーム全員が、英語でプレゼンテーションをしたということ、しかも私が知っている東大の英語弁論大会で2位(大学生も参加する大会)を受賞した女子生徒の英語能力や探究スキルなど以上のパフォーマンスを発揮したことです。

★発表内容の英語を、プレゼンのためにそのときだけ暗記したというのでは、このようなパフォーマンスは発揮できません。中学から入学してきた生徒はこの5年間、高校から入ってきた生徒はこの2年間、探究のときも公用語は英語だったわけです。そんなはずがないと思いますか?

★まず20%以上は帰国生です。最近の帰国生は日本語ケアを同校の先生方が丁寧にしなければならないケースが多くなっています。したがって、学校生活では、英語と日本語がまじりあっているのは想像がつくでしょう。吉田晋理事長・校長(自身が英語力堪能です)はパレートの20%法則について時々語っています。20%のポジティブな能力や言動がチーム全体に好循環を生み出すという法則で、GAFAMもこの法則を取り入れ、創発を生み出しています。

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★そして、さらに、「グローバル演習」は、高大連携、海外団体との連携を行っています。高大連携では、慶應の大学院生などファシリテーターに来てくれますが、彼らは留学生です。また台湾、マレーシア、グアムをフィールドワークの地としていますから、現地に行ったときは当然ですが、ふだんからオンラインでディスカッションを続けています。このような環境ですから、当然公用語は英語になるのです。

★そのようなわけですから、英語のスキルも、高3の時には、ほとんどが英検2級以上(日本の大学入試の出願時に、アドバンテージになる英語力のポイントです)、28%は英検準1級以上(海外大学入試の出願書類において、必須の条件です)になるわけです。

★そして、英検以外の資格試験もあるし、すべての資格試験の共通尺度はCEFRです。CEFRテストというのは存在していないので、CEFRの本当の認定は、膨大な資料を自己申告し、海外大学の場合、インタビュー(口頭試問)で、その自己申告の信頼性、妥当性をチャックされます。おそらく、富士見丘の生徒は最終的に潜在的にCEFR基準C1(英検1級相当)になっていることでしょう。

★それにCEFR基準B2とかC1は、言うまでもないのですが、英文法の力だけではまったくないのです。リーディングやリスニング、エッセイライティングの力、論理的思考力、スピーチと言っても2種類あって、プレゼン型と対話型の両方の優秀性が求められます。

★日本語の小論文試験や口頭試問など突破する能力を英語で発揮するということです。これはもう、普段から英語を公用語として活用する環境になければできることではないのです。

★国連やEU議会に行けば、公用語は英語だけではないし、みな母国語だってリスペクトしています。つまりそこでは多言語が溢れていて、互いにどの言語で意思疎通できるのか選択しながらディスカッションするわけです。ビジネスの世界でもそうです。

★参加者の方々が、今回のイベントを見て、ショックを受け、こんなに高校の教育は変わっているのですかと。私はおせっかいにも、確かに、そうなんですが、富士見丘のようなグローバル教育の環境をすべての高校がもっていると認識しちゃうと、他の学校にいったとき、あまりのギャップにびっくりしますよとフィードバックしました。

★以上のような前提(最小限の情報ですが)を共有して富士見丘の高2のパフォーマンスを振り返ると、その突出した資質能力のレベルの高さが良く理解できると思ったわけです。

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2024年2月16日 (金)

22世紀型教育準備へ(04)今東京私学の数学科の教員の数学的世界作りが凄い!

★東京私学教育研究所ブログに、【研究所ブログ第11回】「授業づくり合宿ー小田原 春の数学祭ー」の記事が掲載されています。研究所の研修委員会は25種類あって、数学の委員会もその一つです。委員は、すべて公募によって、東京私学中学高等学校協会の会員校の先生方が意欲的に手を挙げて形成されています。現在の委員は、次の通りです。学校はバラエティに富んでいます。

※委員名(支部・学校名・敬称略)
 委員長:武藤 道郎(③芝)、委員:鈴木 徹(⑦大森学園)・赤間 祐也(⑩武蔵)・及川 寿幸(⑫ドルトン東京学園)

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★私学の先生方は忙しいのは周知の事実ですから、宿泊してゆっくりカジュアルにラディカルにディープに対話しようではないかという企画なのでしょう。最近の数学の先生方の大いなる関心は<日常の事象を数学をつかって解決する活動では、「目的に合わせて、生徒たちが自分たちで条件などを設定する」活動も要求され、たとえば、数学的モデル化の過程を経験していく授業づくりもそうである。そのような授業づくりを私学の先生方といっしょに取り組んでいまたい」ということのようです。

★何せビッグバーンが起こったときに、そこにあった法則は、まず「数学の法則」です。他の学問は、宇宙の進化と共に不変と変化のダイナミズムの中で生まれてきています。「数学の法則」は、不変/普遍なのです。それがゆえに、目の前の日常生活に追われていると、大学受験勉強もそうですが、その数学の本来的価値を見失ってしまいます。

★そこを回復しようというラディカルなアイデアが、数学の委員の先生方なのでしょう。もちろん、そのために、日常の授業の中にICTを取り入れたり、グラフ理論やデータサイエンス的な要素をいれたり、OSTという対話方法を組み込んだりして、授業を創意工夫することについて対話し、実践に取り入れていくわけです。

★ともあれ、数学は、そうした未来永劫不変/普遍の宇宙言語なのです。めちゃくちゃロマンがあります。

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2024年2月14日 (水)

22世紀型教育準備へ(03)三田国際 MITaへ

★三田国際学園の副校長今井誠先生から、教育関係者に、2024年度の中学入試の結果データがリリースされました。今井先生によると、今年の入試の特徴としては、同時出願回数を5回から3回にする募集要項の内容変更により1)延べ出願数は若干減少したものの、実出願者数は増加。2)受験率の上昇 特に2/1第1回は最大で92.7%と平均しても90%を超えているということです。しかし、何より驚愕なのは、さらりと次の声明を出しているところです。

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(イメージはbingが作成)

★来年度にはサイエンス環境をさらに充実させるために「ラボ棟(仮称)」を増築するというのです。そこでは、ロボット開発やデータサイエンスといった、これまでのラボとは異なるサイエンスの新しい拠点とするのだと。ロボティクスやビッグデータ解析に精通した教員も生徒たちとともに学べることを楽しみにしているということです。

★もう、大学になってしまおうということですね。

★これは22世紀型高大連携です。大学が高校に何か教えるという関係ではなくて、三田国際がある一定の大学の研究領域を学んでしまうということです。それに大学がついてくるという逆ベクトルが作用するわけです。資金調達はどうするのか?ハーバード大学流儀でいけばよいのでしょう。

★ともかく、医療系とコンピュータサイエンス、国際政治経済などは、高校生段階でどこまでも研究できるのです。

★三田国際は中高でありながら、MITaになるわけです。そんなことができるのか?AI時代とは、大学入試自体をショートカットするということを意味します。22世紀のビジョンが三田国際にあります。三田国際の中学生が人生百年時代ですから、22世紀でクリエイティブリーダーとして大活躍しているのが想像できますね。

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