2024年6月21日 (金)

新しい高大連携の兆し 高大連携アントレプレナーシップ

★本日の日経の記事「大学発スタートアップ、5年で9割増 地方にも起業の波」(2024年6月21日)にはこうあります。「大学の研究成果などを生かして起業する「大学発スタートアップ」が増えている。経済産業省の調査では、2023年度は4288社と5年前より9割増えた。学校数あたりの企業数は富山県が最も伸びた。民間出身知事のトップダウンによる支援体制の強化などが奏功しており、これまでの大都市中心から全国へと起業の裾野が広がる。」

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★富山に限らず、北海道でも広がっているようだ。地方創生は、大学がハブになるということか。政府は、大学だけではなく、高校にもグローバルアントレプレナーシッププログラムを支援している。

★したがって、今流行っている高大連携は、高大アントレプレナーシッププロジェクトに進化していくだろう。

★医療機器などのイノベーションは、クリエイティビティを発揮する最近の探究型プロジェクトは親和性があるだろうし、総合型選抜も即戦力が大学につながる可能性も大きくなってきた。

★メガバンクも大手株式会社の株を放出し始めているようだし、新しい資本主義は学問知とイノベーション知の化学変化によってさっさと生まれるのだろう。

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中学入試で「シンプルな考え方=コンセプトレンズ」を身体化する学びができる

★中学入試準備の学びはいろいろなやり方があります。中学入試問題から逆算して、小学校低学年にもできるようにブレイクダウンして、徐々にハードルをあげるカリキュラムデザインが一般的でしょう。これはできる子にとっては、どんどん難問に挑戦していき楽しめます。しかし、一方で、躓き始めると、進めなくなります。ここで必死になるわけですから高ストレスになるのは当然です。

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★これは実は何も中学入試に限らず、大学入試準備の学びも一緒です。つまり、学習指導要領も同じなのです。ですから、個別に補習することが必要だったり、ピアインストラクション(PI)などの創意工夫がされています。あっ!PIは意外と実施されていないかもしれません。

★もしPIをやると、考えるコツみたいなものがそれぞれの生徒の中に宿り始めます。身体化されるわけです。ただし、これは、自分でどんどんできる子も宿っています。PIによって宿ることもあります。個人指導でも宿ることはあります。

★しかし、このコツ、つまりシンプルな考え方=コンセプトレンズを身につけられるようにというビジョンがあれば、多くの生徒が自覚的に身体化していくことになります。

★そして、このコツは、1人ひとりによって微妙に違います。最大公約数の5つの視点はあるのですが、それを教えても身体化しないのです。

★3歳の子どもがラジコンスタントカーで楽しんでいる場合、ここに「0」「1」の真偽の計算を自動化しているなと教師が意識し、コントローラの操作を対話しながら、楽しみます。もちろん、真偽の論理を教えるわけではありません。

★小学5年生とスマホの通信の波形を見える化して、直角三角形とどうかかわるか尋ねてみたりしてみます。別に三角関数を教える必要はありません。しかし、この教師の意図は、やがて真偽の論理や三角関数を理解できるようになることではないのです。その単元に出会ったときに、経験が結びついたり、結構シンプルな考え方で解けるなという感覚が身に付くことが必要なのです。

★この感覚が、あらゆる局面で活用できるようになることがポイントです。もし、それができるよういになったら、コンセプトレンズが見事に身体化したことになるでしょう。身近なものには、電子顕微鏡にそのコンセプトレンズを装着して考えるとよいし、遠くのものには電子天体望遠鏡にそのコンセプトレンズを装着するとよいわけです。

★そんな自分なりのコンセプトレンズを身につけることを、GLICCでは、国語と算数と英語で学びながら実施しているのです。本日21時から、盟友のGLICC代表鈴木裕之さんと対話します。GLICCで学んでケンブリッジや東大、一橋、早稲田などに進学した帰国生が身体化していったコンセプトレンズですね。

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私立中高の不易流行の位置づけ➋ 東京私学教育研究所の考え方をきっかけに

★よく私立学校は、伝統と革新の統合という考え方を提示します。それはイギリスのイートンも同様です。もともと私立学校は、イギリスのイートのような私立学校としてのパブリックスクールの影響を受けています。アメリカのプレップスクールもそうです。ですから、この場合の伝統を意味する「不易」の部分は、「普遍」と置き換えたほうが私立学校の系譜としては自然かもしれません。

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★イートンのような私立学校は、近代国家誕生前夜から存在していますから、もしかしたら国家を超越した精神構造を持っている可能性があります。私学の建学の精神は、世界に目を向け国をどうするかという視点があったと思います。そして「流行」は、建学の精神が抽象的な普遍の表現になっているので、そこは時代を牽引していくときのイノベーションを取り入れ、普遍的具体を表現していくということなのでしょう。

★私立学校の場合、「不易流行」=「普遍的抽象×普遍的具体」といえるかもしれません。

★公立学校は、近代国家が制度上つくりあげた学校なので、あくまで国民を育成するためが理念になっていて、憲法が変われば、不易の部分も変わるでしょう。

★ただし、公立学校の教師は、クリティカルシンキングは民主主義国家の憲法上は保障されていますから、国の制度上、行政上の動きはモニタリングすることはできます。不易流行の精神構造の制度的な位置づけがそうなっているだけで、教師一人ひとりの精神の豊かさや深さに優劣は当然ありません。

★私立学校であれ、公立学校であれ、教師一人がひとりがどのようなマインドを発揮するかは、自由です。とはいえ、いろいろな制約の種類が私立と公立とでは違うので、その違う制約の中で、どのように創意工夫して教育出動をするかは、やはり教師一人ひとりの力量に任されます。

★それゆえ、東京私学教育研究所では、東京の私立学校の先生方と協力して教師のマインドとスキルを磨く研修を実施しているのだと思います。

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私立中高の不易流行の位置づけ❶ 東京私学教育研究所の考え方をきっかけに

★東京私学教育研究所の【研究所ブログ第25回 全国夏の初任者研修】で初任者研修で提示される内容が一部公開されています。その中に以下のような図があります。当然ですが、建学の精神から私立中高の教育は生まれ進化しているということがわかります。まさに「不易流行」なわけです。おもしろいのは、建学の精神はマインドであるはずなのに、建学の精神とは別にマインドが設定されています。

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★これは、初任者のマインドを示しているというのがブログを読めば了解できます。建学の精神と初任者に限らずですが教師のマインドはその在り方や価値観は全く同じではありません。相互に尊重し、化学反応が起こり、良好なベクトルがたくさん生まれるという仕掛けになっているようです。

★組織によっては、組織の理念に自分のマインドを合わせる同調圧力的な事態もありますが、私立学校の場合は、不易流行という精神構造になっていますから建学の精神の不易の部分と出会った教師や生徒、保護者それぞれのマインドと信頼性のある適合的な化学反応が起こる対話システムによって不易が流行になっていくというエンジンが重要だということでしょう。

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2024年6月20日 (木)

聖パウロ学園 ソウルシップ(魂のリーダーシップ)が生まれつつある

★昨日は、聖パウロ学園高等学校校長小島綾子先生といっしょに四谷にある聖パウロ修道院を訪れました。私も副理事長なので(汗)。聖パウロ学園は、もともとは修道院が創設した学園です。しかし、長い歴史の間に、法律ができて、宗教法人と学校法人は別法人なりましたから、今は経営的には互いに独立しています。しかし、聖パウロという精神的支柱は当然同じですから、ミサの時には神父がやってきてくれ。

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★今回お会いしたのは聖パウロ学園の卒業生でもある前管区長の澤田神父です。日本のカトリック教会も世界と事情は同じで、聖職者の数は少なくなってきています。ですから、世界を飛び回っています。日本にいないときは、サレジオ会の神父様にミサを依頼します。

★神父の皆さま方は、当然忙しいのですが、ミサ終了後、上智を受験する生徒や哲学や社会学に興味がある生徒と対話をしてくれます。

★昨日も澤田神父と対話をした後、小島校長は急いで高尾に戻りました。探究ゼミでサレジオ会の関谷神父がワークショップをすることになっていたからです。

★信者はほとんどいません。聖職者も常駐していません。しかし、幾つかの修道会と連携して、カトリック学校の軸を持続可能にしています。そんな中で、澤田神父が、なぜ聖書や神学を学ぶのかと問われました。それはおそらく哲学や社会学、今では経営学にも通じることです。AI世界ではますます重要です。

★世界の政治経済の軋轢がなぜ起こるのか、どうしたら解決できるのか、その知恵を無尽蔵に学ぶことができるからだというのです。

★さすがはパウロの弟子です。そうこなくては!聖パウロ学園に入学してくる生徒は、偏差値エリートではまったくないのですが、自分を変えたいという希望の火を灯して入学してきます。

★その静かな情熱をこのグローバルリスクが遠くの出来事ではなく、生活圏内に及んでいる今だからこそ燃やすのだと。聖パウロ学園のスクールモットーであるゴールデンルールを胸に探究という人生の道につながる学びを行っています。

★そして、数々のボランティアや未来都市構想コンクールなどで教育出動しています。その姿は魂のリーダーシップそのものです。私はそれを「ソウルシップ」と呼びたいと思います。

★もちろん、大学進学実績もなかなかななものです。たぶん、入学の時に比べるとちょっとあり得ない感じかもしれませんね(微笑)。

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富士見丘 高1 今年もグローバルワークショップ始まる

★富士見丘の中1から始まるグローバルエッセイ(「5×2」という自主探究)活動が、高1になるとグルーバルワークショップに能力が発揮され、高2になるとグローバルスタディーという海外でのフィールドワークをベースにしたグローバル探究に発展していきます。

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★その高1のグローバルワークショップがいよいよ今月始まりました。このワークショップは、慶應義塾大学大学院メディア研究科大川研究室とのコラボ授業で、今年度でもう10年目を迎えたと言います。

★今年度は「LEGO」を使い、創造力やコミュニケーションを養う「STEAM」の一環として実施されるようです。初回は、慶應義塾大学大学院の学生20数名がファシリテータとなり、英語で授業が行われたというのですから、いつものこととはいえ、驚きですね。コースに関係なく、全員がグローバル探究に取り組むのが富士見丘の特徴であり、言語も英語をガンガン使用していきます。

★LEGOは、あのGAFAMのブレインストーミングやフレームストーミングのミーティングでも活用されています。MITメディアラボとレゴ社が開発したプログラムで、世界中で活用されています。

★ただし、どのフレーム内で活用されるかで、効果は異なってきます。まさに多様なクリエイティビティを生み出す優れたプログラムです。

★富士見丘はグローバル探究というフレームで活用しています。グローバルな舞台では、「言葉」は最高の媒介ツールです。自分の想いや考えを表現するには「言葉」をベースにします。

★しかし、「言葉」はなかなか厄介な代物で、信頼関係ができていないと同じ「A」という単語を使っていても、感じ方や考え方がズレてしまいます。しかし、「A]という言葉を使っているのだから同じ意味を共有しているのだと錯覚してしまう場合はあるあるです。

★一方LEGOは、自分の想いや考えを形にします。そのときはじめてあった人でももともと同僚であった者同士でも、同じ形でも見る人によって違うという前提から出発することができます。違いがあるのは当然なのだから、そこを互いに対話してズレを修正したり、互いの考えがなかな噛み合わない時は、レゴを作り直して、第3のものを共に創ろうという流れになります。

★まさにブレインストーミングやフレームストーミングのきっかけづくりには最適だし、富士見丘のようにグローバル探究を軸にしている場合、「言葉」の大胆にして繊細な機能を身体化するには、ぴったりのツールでしょう。

★このような理論的な背景をルビンの壺のように「地」に置いて、「図」は大いに楽しもうというプログラムは、大学と連携することによってさらりとできます。

★富士見丘は、学問と教育現場をプロデュースする教師がたくさんいます。最近はやりの高大連携の中でも筋金入りの本質的な連携です。これは大きな富士見丘の特徴であり優位性です。

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2024年6月19日 (水)

21世紀型教育機構 着々と22世紀型教育の準備へ

★文化学園大学杉並のキャリア探究オープニングイベントの記事が、21世紀型教育機構に掲載されています。同機構は真摯に日本の教育を世界を作る智慧を共有するグローバルリーダーが巣立つ環境を創っている学校が加盟しています。文大杉並も加盟校の1つです。授業と探究とダブルディプロマを有機的に結合する学校になっているのですが、さらに外部のさまざな団体とビジネス的な取引ではなくコミュニティシップを発揮するつながりに成長しています。

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★各加盟校が建学の精神に基づいながら、そのエッセンスである<Men for Others>というマインドを共有し、基礎スキルであるC1英語、PBL、STEAM、リベラルアーツを共有する取り組みをしてきました。

★その共通マインドと基礎スキルを土台に、各加盟校が独自の先見性・先進性を発揮しているのです。

★同機構加盟校の2024年度海外大学合格者数も合わせると100大学は優に超えています。

★もちろん、大学合格第一の目的ではなく、大学を超えたその先の生徒1人ひとりの生き様(22世紀を彼らが作っています)を形成する過程が重要です。

★その過程の具体的な展開の1つが今回の文大杉並のプログラムです。

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2024年6月17日 (月)

文大杉並、和洋九段女子、駒沢学園女子 思いがけず利他

★先週、文大杉並のキャリア探究オープニングイベント、和洋九段女子のPBL体験、駒沢学園女子校長土屋先生がプロジェクトリーダーをしている研修を見学しました。この3つに何か共通しているコトがあるなと日曜日は孫と遊びながらモヤモヤリフレクソロジー状態でした。そうしているうちに、ふと孫が主体で私は受け入れているけれど孫が楽しくなくてはその受け入れはハッピーではないという状態は、まさにこの3つのイベントでの先生方の役割に通じるのではないかと感じたのです。

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★そんなとき、偶然にも東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授中川岳志さんの「思いがけず利他」という著作に出会ったのです。まさに❝思いがけず❞でした。

★中川さんは、「リベラル保守宣言」という著作も随分前に描かれていて、私学の精神とは親和性があります。そう感じたのは、ここのところ「リベラルアーツ」ということについて思い巡らしていたということもあるかもしれません。

★この著作の中で、与格構文についてのエッセイがあります。中川さんはヒンディー語も学ばれていたようで、この言語では主格構文と与格構文を使い分けているというのです。私がコントロ―ルできないことについては、私に与えられたという感じの与格構文で表現するというのです。

★コントロールできないということは、「思いがけず」出会ったり、直面したりということです。こういう状態を与格構文で表している状況を中川さんは「思いがけず利他」と呼んでいます。

★ああ、これだなと。どの国でもこの与格構文的な発想はあるけれど、文法として、つまり言語文化として身体的にルールになっているというのは確かに珍しいかもしれません。

★なんでも「私が~、私が~・・・・」は、ウンザリします。しかし、それは私たちが主体構文と与格構文を使い分けていないから起こることだったのかもしれません。ファシリテーターは与格構文的「思考動」の役割を果たしています。しかし、何か危機が訪れると、それはリスクマネジメントは自らが動かなければなりません。

★リスクによっては、コントロールできず、主格構文が与格構文的な最悪な事態になってしまうこともあるでしょう。

★したがって、中川さんは利他=善という図式はとりません。

★心地よい学校とは、学校の教師が主格構文と与格構文という両方の発想の平衡感覚が優れているということだと感じたのです。

★経営陣は、リスクマネジメントという安心安全な組織を形成し、その中でその平衡感覚が教師にも生徒にも保護者にも共有されていることがすてきな学校だなと。

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2024年6月16日 (日)

なぜ「英語・国語・算数」入試を推奨するのか。GLICC鈴木裕之代表。

★先週金曜日、<GLICC Weekly EDU 第176回「グローバル教育の第3の波ー言語の学び方」>で、GLICC代表鈴木裕之氏とGLICCの言語の学び方についてコンセプトについて対話しました。GLICCは、帰国生や英語をベースにした学びの方法で受験する生徒を応援しています。したがって、その応援の範囲も、中学受験も高校受験も国内外の大学受験もすべてにわたります。

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★もともとは、帰国生の大学受験から出発していますから、中学受験は英語入試が行われるようになってから開講しています。帰国生の大学入試は、C1レベルの英語力と小論文の指導が中心です。帰国生の多くは、IBやAレベル、あるいはそれに準じるカナダなどのハイレベルの教育を受けていますから。そのような帰国生は、対話型を望むので、なぜか口コミで少人数ですが、GLICCで学びます。東大、一橋、早稲田を中心に合格していくわけです。

★高校受験も帰国生が中心ですから、このようなGLICCの言語能力の学びをベースにすればよいだけです。

★一方中学受験生は、大学の帰国生が習得しているリベラルアーツ的な素養をまだ獲得していないので、そこから始めます。中学受験で「帰国生入試」と「英語・国語・算数」入試を推奨するのは、そういうわけなのです。

★帰国生入試を受験する生徒は、2通りあって、高い偏差値の学校を狙い、そこに合格して東大などの最難関の大学に入りたいという日本型大学進学タイプ。もう一つは、偏差値が高くなくてよいが、高偏差値の学校では学べないグローバル教育を行っていて、国内外のキャリア志向というグローバル大学進学タイプです。

★GLICCに通う生徒は、国内外に視野を広げているグローバル大学進学タイプの生徒です。

★ですから、中学受験の段階でも、すでにグローバル大学進学タイプの学びを行っていくことを推奨しているのです。そのようなキャリア教育を行っているあるいは実質的にそうなっている首都圏私立中高24校も鈴木さんとの対話の中でしました。今後は、このような学校に続いて海外大学実績を出していくと予想されるのは、和洋九段女子と駒沢学園女子、サレジアン国際グループだという話も加えています。

★さて、「英語・国語・算数」入試の準備のためにどんなふうにリベラルアーツを学ぶ教材を創っているのか?これはかなり企業秘密というか、おそらく中学受験でそんな深い学びをわかりやすく表現しているのかと驚かれるでしょう。学びは、やはり本質的なものです。公立の小学校で、そこまで行えないのですから、やらざるを得ないというのが、今の世界の中の日本の教育の現状です。

★「国語・算数・社会・理科」の中学入試の準備の学びにも実はそのような本質的な学びは塾によってはやっていますが、多くの場合、そんな小難しい話は保護者にはわからないから(実際には、保護者の方がよほど本質的なんですが)と、わかりやすさを前面にだしています。

★受験であろうが、一条校の学校であろうが、学びは本質的でなければ。そう思いませんか(微笑)?

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2024年6月14日 (金)

一部の生徒しか得意でないからそのカリキュラムはダメだというパラドクス

★以前から結構耳にする言葉「一部の生徒しか英語ができないようなカリキュラムはだめだ」「一部の生徒しかICTのスキルが向上していないようなカリキュラムはだめだ」というのは、ちょっと考えるとどこかがおかしいと思いませんか?

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★世の中、英語やICTだけではなく、国語でも数学でも、化学でも、歴史でも、みんなができるカリキュラムなんてあったためしかないのですから、もし先の言葉が本当なら、みなダメなカリキュラムですよね。でも、そんなことをいう人はこれまたいないのです。

★思考というのは、「置き換え」が得意なので、その視点で見ると、実は、「英語ってそんなに必要なのか」とか「ICTってそんなに必要なのか」といいたいところ、「公平性」というウケのよい考え方を部分的に適応して語っているレトリックにすぎないのです。

★そんなにすぐれたカリキュラムやプログラムだって、生徒によってはうまくいく場合もそうでない場合もあるわけです。

★だって、生徒一人ひとりは個性もあるし、才能もあるからです。個別最適化というのは、本来その生徒一人ひとりの個性や才能に合わせた学びの環境をデザインすることなのでしょう。

★ところが、個別最適化によって、デコボコの学力をみな同じにしようというようなお話ですから、個別に面倒を見て画一的な学力を身につけようという逆説的なお話に聞こえるのは私だけでしょうか。

★たとえば、ハワード・ガードナー教授による8つの多重知能は、みな8つの知能を高めようというわけではないのです。得意不得意があるよというはなしですよね。それをどのようにミックスしていくかは、本人や教師のサポートによって様々でよいはずです。

★資質・能力についてだって、多様であって、そのすべてを高めようというわけではないはずです。

★ところが、実際はそうなってしまうのが「公平性」という罠なのかもしれません。

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