2026年1月13日 (火)

2026年中学入試(22)富士見丘 コロンビア大学合格 アイビーリーグの大学

★10日に出願がスタートしたばかりですが、富士見丘の中学入試の応募者は順調に増えています(同校サイトで1月12日現在の出願状況公開)。すでに帰国生入試は終わっていますが、帰国生の応募者総数も前年と変わらずで、帰国生からの人気も続いています。そんな中、富士見丘の生徒がコロンビア大学に合格したことが公開されています。1月9日に同校がサイトで「大学合格速報」を公開しています。

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(写真は同校サイトから)

★コロンビア大学は、ハーバード大学やイエール大学など8つの名門米国私立大学のグループの総称アイビーリーグの一つです。すでに、破格のグローバル教育とSTEAM教育や生成AIを授業で使うイノベーション教育も充実している質の高い教育環境をデザインしていますから、海外大学に多くの合格者を輩出しています。しかも世界大学ランキング100位以内の海外大学も多数合格していますから、いずれアイビーリーグの大学もと思っていました。

★富士見丘の海外大学進学準備教育の特筆すべき点は、富士見丘独自の教育システムで多数合格者を出しているということです。IBやAレベルなどを導入することが多い中、独自の教育システムによって海外大学の進路を開いているのです。

★しかも、海外大学進学準備コースというものは作っていません。すべての生徒が国内外の大学への道に進める教育環境デザインがなされているのです。ですから、一定の教師チームが海外大学合格のための指導をしているのではなく、ふだんの授業や探究活動がそのまま海外大学の進路に通じているのです。

★したがって、インターナショナルスクールに通わなくても、富士見丘に通えば、IBスクールなどの教育と同質の教育を受けることができるのです。いやそれ以上です。というのも、教育理念が「忠恕」という世界精神をベースにグローバル教育やイノベーション教育が展開していて、テニスなどグローバルアスリートが羽ばたく環境もデザインしているからです。

★つまり、トータルな人間力をベースとしたグローバルリーダーが生まれる教育環境なのです。近い将来、東大に進みたいと思う生徒がでてきたら合格するでしょう。

★本物教育で結果を出していく理想的な女子校です。

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2026年1月12日 (月)

2026年中学入試(21)帰国生入試で教育の質を察知する

★首都圏の中学受験の出願はすべて始まっています。この時期、一足先に行われた帰国生入試の応募者数がだいぶ判明してきたので、中間報告的に見てみましょう。というのは、この時期併願校を完全には決めかねているという受験生・保護者もいるでしょうから、最後の詰めとして、対話や思考の質という点から見ると、併願の最終決定のヒントになるかもしれないからです。

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★10人以上の帰国生の応募者を集めている東京の学校を、判明している分ですが、表にしてみました。三田国際、広尾、八雲、聖学院、工学院大学附属などはまだ非公開なのですが、この中には入ってくるのと同じような価値を有しています。

★さて、なぜ帰国生なのか?それは帰国生が選ぶ教育の質や学びの質は、豊かな対話の環境、高次思考の育成がされているかどうかを大事にしているからです。

★主体的・対話的で深い学びや協働的な学びなど、今どこでも行っています。しかし、それが学校全体で行われているのか、まだその質やレベルはどうなのかというと、それは、学校によって違うのです。

★その違いは、外から見ていてはわかりにくいのですね。しかし、豊かな対話や高次思考を学べる環境があるかどうかは、次の教育環境がデザインされているとあるということがわかります。

❶C!英語

➋PBLやIBL、デザイン思考、システム思考など全授業で行っている

❸イノベーション×リベラルアーツ(TOK、哲学対話、アート思考など)を学校全体で取り組んでいる

★この3つを全学的に取り組んで、さらに

a 高大連携、

b 海外留学、

c 外部団体との連携

★を行っているところ、そしてこの3つの学校全体の取り組みa/b/cを行っている結果、難関大学と海外大学の両方に合格者が出ているという学校は、豊かな対話と高次思考を学べる環境です。

★これに思考コードなど、対話と思考の広がりと深さをメタ認知する知のコンパス(たんなるルーブリックではありません)を使っているところは、万全です。

★なぜなら、これらの環境は豊かな対話の成長、高次思考の発達がなければ、実施できない環境だからです。

★そして、帰国生が集まっているということは、このような環境デザインを行う教師が存在し、その教育環境マネジメントが巧みな学校です。見よう見まねで教育環境を整えたけれど、このマネジメントをする教師が学校全体に広がっているのではなく、一人で回しているところは、なかなかうまくいかないでしょう。帰国生は、学校説明会に行くとそれをすぐに見抜きます。

★そして、帰国生の口コミネットワークは、国内でリアルな情報収集をすることが難しいので、強い絆でできています。国内生の知らない情報も持ち合わせています。

★したがって、国内生は帰国生がどのような学校を選択しているかその情報を得ておくことは参考になるのです。

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2026年1月11日 (日)

2026年中学入試(20)東京初日出願日 サンデーショックの影響の現象即反映 しかし影響を受けない女子校の出現も

★1月10日から埼玉の中学入試が本格始動。一方東京では、中学入試の初日出願日。今年は2月1日が日曜日ですから、いわゆるサンデーショック。かつてほどではないにしても、女子学院や東洋英和など例年2月1日入試を実施していたプロテスタント女子校を中心に入試日を2日に移動するわけです。キリスト教の学校は、日曜日は礼拝をする宗教的文化があります。私立学校は学校法人ですから宗教法人ではないので、必ずしも宗教文化を入試という世俗の文化より優先させる必要はないのですが、明治から創設されているプロテスタント女子校などは歴史的文脈も大切にして、入試日移動を果たしているのでしょう。しかし、フェリス女学院のように移動しないことを決めた歴史あるプロテスタント校もあります。ただし、この判断には、大所高所から議論を重ね悩んだことと思います。

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★まだ出願が始まったばかりです。また10日が土曜日ということもあり、倍率データを収集しきれていないということもありますから、全貌は見えないのですが、上記の表のように、女子学院、東洋英和、桜蔭は、初日で前年応募者を超えていますから、サンデーショックの影響の現象が即反映されています。

★中学受験がいかに市場の原理で動くかがわかるケースですね。これによって、女子受験生全体に不確実な受験状況になる懸念があります。たとえば、桜蔭と女子学院の両方を合格した受験生は、どちらかしかいけないわけです。そうなると、そのことを見越して多めに合格を出すでしょうが、それはあくまで予想でどうなるかわかりません。学校当局の予想を上回ると、繰り上げ合格者を出しますから、それが玉突きになって、女子受験生全体に玉突きのように繰り上げ合格者がでるわけです。

★あまりに多く合格者を出して、定員以上の歩留まりになると、教室の数が足りなくなります。教師も増やすわけにはいきません。それゆえ、多く合格者を出すといっても、常識の範囲内なのです。ですから、不確実なわけですね。市場の原理といっても、学則定員の制約があるので、企業の感覚では考えられないのです。

★とにかく、受験生にとっては、併願によって悲喜こもごもになります。学校当局にとっても、入学者の数が決まるのが遅くなり、学校運営にまで影響が及びます。

★しかし、今回のサンデーショックで注目されているのは、そのようなサンデーショックの影響をさほど受けないで、生徒獲得に成功する女子校が現れます。そこはどこなのかという点が重要です。このサンデーショックの現象は、学力競争がベースの入試設定がされている学校の範囲で起こるのですが、学校の教育の魅力優先で選ばれる女子校が、今現れていて、そこは周りがサンデーショックの渦に巻き込まれているとき、受験生がその魅力を大事にしているため、影響を受けないのです。学力競争と教育の質競争の明確化がはっきりするでしょう。

★たとえば、上記表で、初日出願の段階で、神田女学園が入っているのは、その現れの一つです。グローバル教育と破格の多様な高大連携プログラムをひた走っている女子校で、そのユニークな教育を支持する受験生が挑戦します。模擬試験の段階でも志望者が多いと言われています。

★サンデーショックの影響を巧みに乗り切る女子校とサンデーショックの影響を受けない(ある意味巧みに乗り切る戦略でもあるのですが)女子校はそれぞれどこなのか?新しい女子校の在り方が見えてくるでしょう。

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2026年1月10日 (土)

2026年中学入試(19)10日埼玉中学入試の応募者前年対比から見えるコト

★前回は、本日10日の埼玉入試の応募者の多い順にみてみましたが、今回は前年対比多い順ベスト10を見てみましょう。

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★西武文理、埼玉栄、浦和実業は、多い順でもベスト10に入っていましたから、人気上昇が継続しているということでしょう。ほかの学校は、応募者数は驚くような数ではないかもしれませんが、教育の質を上げていることがきちんと<表現>されているということでしょう。

★前回の多い順のベスト10の学校と前年対比ベスト10の学校の両方を眺めてみると、次の5つの教育の質が磨き上げられているかが決め手になっているようです。

❶進路指導やキャリア教育が充実している

➋部活が盛ん 強豪部活活動もある

❸グローバル教育が充実している

❹イノベーション教育が充実している

❺探究やPBLの学びが充実している(心理的安心安全をベースに高次な思考力・判断力・表現力を養う)

★もちろん、これら5つの教育の質すべたが磨き上げらているというわけではありません。各学校によって5つの教育の質のバラツキはあるでしょう。また、充実させる方法も違うでしょう。

★たとえば、キャリアデザインであれば、海外大学進学準備教育まで行っているとか、医歯薬系の進路指導が充実しているとか、一般選抜と総合型選抜のバランスをとっている等々違うわけです。

★ですから、この5つの柱のそれぞれの方法が違い、さらにその方法の質の違いもありますから、学校ごとに最低でも5の3乗通りくらいは目に見える違いがあるはずです。

★とはいえ、そこまで読み取れるデータや資料は今のところありません。そのうち生成AIにプロンプトを書き込めば、回答がでてくるかもしれませんが、現段階では、パンフレットやホームページに書かれている情報が中心ですから、」その多様で多次元の差異はわかりません。

★まだまだ受験生と保護者が自ら足を運んで感じることがとても重要ということでしょう。

★ということですから、自分が決めた学校が一番なのです。自分とその選んだ学校を信じて進んでいただきたいと思います。

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2026年中学入試(18)埼玉中学入試 10日から本格的に始まる

★今年の首都圏の中学入試も、本日10日埼玉から本格的に始まります。10日の応募者数多い順ベスト10は次の通りです。たくさん応募を集めている学校は常連校です。

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★この驚くほどの応募者数については、いろいろな理由があるわけですが、正しく読み解くには、教育ジャーナリストおおたとしまさ氏の次の論考を基礎知識として確認しておくと参考になります。<開智所沢「志願者日本一」報道のミスリードはなぜ生まれたのか——。"合同併願制度"を徹底検証する おおたとしまさ : 教育ジャーナリスト 東洋経済ONLINE2025/12/09 9:00>がそれです。

★しかし、これらの学校が人気があるのは間違いがないのです。市場が支持しているのですから。選択理由は、受験生や保護者が相当多角的に考えています。教育投資として効果があるかどうか、安心安全な環境で自分の子どもが成長できるのか、人間力と学力のバラナンスは適切か、ハラスメント撲滅対策は適切か、目標に向かって頑張り続けることができるか等々、データや情報を収集して志望校を決めています。そして、その志望校に入るためのハードルをどう突破するのか本当に頭が下がる取り組みをされています。

★しかも、最近では、この取り組みが合格を目標とするだけではなく、そのあとの子どもの人生にとって意味のある学び方や学校選択になることまで意識されるようになっています。このような受験生や保護者の姿勢や志向性に、学校も対応するように教育の質に磨きをあげています。この磨き上げ具合の高さの<表現>に比例するかのように学校の人気もあがるのです。

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2026年1月 5日 (月)

2026年のビジョン ポスト・メタモダニズム?

★欧米では1960年代から動き出し、日本では1980年代に、現代思想ブームとなって、モダニズムを批判し、ポストモダニズムの価値観が広まりました。しかしながら、確かに一つの大きな物語に支配されているモダニズムから個々人の価値観中心に動き出した社会は新自由主義によって危うさを感じたというより、空白の経済社会を生み出し、ポストモダンの次が模索されはじめました。その次の世界を何と呼ぶか?ポスト・ポストモダンということなのでしょうが、名称は定まらないまま、21世紀を迎えました。

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(ポスト・メタニズムはまだ始まったばかり、意外と日本から誕生するのかもしれません)

★21世紀は、モダニズムとポストモダニズムとポスト・ポストモダニズムが同時並行的に進み、教育の世界では、ようやくポストモダニズム的な価値観で進み始めているのが日本の現状です。しかし、「主体的・対話的で深い学び」とか「協働的な」学びとか、個々の主観的な価値を大切にしながらも、協働主観的な価値観も実はベースになっていて、すでにポスト・ポストモダニズムに突入しているのですが、いまだモダニズムVSポストモダニズムの枠組みで教育が捉えられています。

★ところが、このポスト・ポストモダニズムに対する名称を2009年ごろから「メタモダニズム」と名付け、明快にメタモダニズムの特徴を示していったのが、欧米です。

 ★ティモテウス・ヴェルメーレンと仲間たちがウェブジン『Notes on Metamodernism』を2009年から2016年まで運営したのが有名らしいです。日本では、まして日本の教育界ではあまり関心を持たれている雰囲気はありませんね。

★その欧米の動きは、ポストモダンの枠組みではもはや説明できず、別の批評的言説――すなわちメタモダニズム――によって構想される必要のある、21世紀文化の展開を記録する長期的・学際的・国際的研究プロジェクトの一部であったようです。

★『Notes on Metamodernism』は2009年5月にティモテウス・ヴェルメーレンとロビン・ファン・デン・アッカーによって創設され、ナディーン・フェスラー、ヒラ・シャハル、ルーク・ターナー、アリソン・ギボンズとともに編集されたようです。7年間の運営期間中、このウェブジンには約50名の批評家や理論家が参加し、時事、ネットワーク文化、現代建築、デザイン、ファッション、アート、音楽、文学、演劇、パフォーマンス、写真、映画・テレビ、理論における動向や傾向について執筆したらしいです。

★メタモダニズムという名づけはしていませんでしたが、この文脈で❝21世紀型教育❞を2011年から仲間たちと提唱し自薦してきたことに今になってようやく気付きました。名づけはしませんでしたが、21世紀型教育とメタモダニズムは呼応していた可能性があります。

★ウェブジンは数十万の読者に届き、世界中の大衆メディアで取り上げられ、各国の国立図書館や研究図書館にインデックスされ、Google Scholar を含むさまざまな引用指標にも登録されているということです。

★しかし、10年前でこのウェブジンの運営は止まっています。その後多くの研究者が論じているということで、ウェブジンの歴史的役割はいったん終えたということかもしれません。

★ところが、日本の教育ではまだウネリにはなっていません。いくつか目に見えない壁があるからでしょう。一方で、落合陽一さんや安宅和人さん、マルクス・ガブリエルさんなどすでにメタモダニズムすら超えているということもあるかもしれません。

★つまり、ポスト・メタモダニズム?かもしれません。21世紀型教育が22世紀型教育にシフトしようという動きがあるのも、少し早すぎますが、彼ら知のイノベーターや世界の動きとシンクロしているのかもしれません。

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2026年1月 4日 (日)

問いは命がけ トゥーランドットの3つの問いともう1つの問い

★新春恒例「NHKニューイヤーオペラコンサート」を見ました。いや聴きましたかな。第68回目ということを知り、日本にオペラを広める努力が続いていることにちょっと感動。しかも今回のテーマは「歌がえがく 心のかたち」というのですから、目に見えないものを言葉と音楽とアーティスティックな時空でデザイン。何か感じるかもと初めてまともに見ました。

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★オペラは「神話」か「恋と死の物語」ばかりだからで、音楽性と物語性の価値のギャップがあると思い込み、全曲を聴くということはしてこないで生きてきました。今回それは機会損失だったなと思い知りました。パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスという三大テノールのオペラのハイライト曲集しか聞いてこなかったのです。彼らが日本に公演しに来た時、チケットを購入したいくらいですから、オペラの音楽的な可能性は感じていましたが、全く浅薄でした。

★ニューイヤーオペラコンサートも全編はとても時間が足りないので、各作品の超要約版でした。しかし、物語の価値を高めるような演出にちょっと驚きました。特に最後の「トゥーランドット」のパフォーマンスはすてきでした。トゥーランドット姫が異国の王子にほかの王子の求婚の時と同じように、3つの謎を問いかけます。答えられなければ死です。異国の王子はすべて解いてしまいます。トゥランドットの心はとり乱れます。そこで、異国の王子は明日の朝までに、自分の名前をあてられたら、私は死にましょうと問いかけます。ここらへんの異国の王子を愛して名を言わぬまま死んでいく従者の娘のことは、心痛め泣いてしまい、身勝手なアッパークラスの行為に怒りを感じますが、そこはともかく、最後はハッピーエンドです。詳しくはググっていただければと。

★私がこの「問いの試練」という物語の構造は、結末や犠牲者という登場人物がいろいろ違いますが、たくさんあるなあと。この認識は発見ではなく、多くの人が語っていることです。研究論文にもなっています。竹取物語やスフィンクスの神話などそうでしょう。

★そう思うと、ユングやフロイトなんかも物語や神話を心理学的に分析していたなあと。言語学でも物語の構造として研究がされていたでしょうし、社会学的にも文化人類学的にもこの構造をどうとらえるか研究はなされているはずです。

★どの視角や視座から分析するのか実に興味深いですね。心理学的には、おそらく拒絶という「自己防衛」や「恐怖」「不安」などの象徴でしょう。同時に解かれた時の「解放感」「癒し」などが対になっているでしょう。なるほど、正解のない問いが世の中的に人気がないのは、結構命がけだからですね。

★また、自分を理解してくれる人の探索の象徴でもあるかもしれません。解けなかったら死だというのは、ちょっとサディスティックだったり、孤独の極致ですよね。誰もどうせ理解してくれないという。

★社会学的には、階級格差の象徴でもありますね。入試問題の問いが、選別の手段として使われていると思ってしまっているところに、現代社会の危機が潜んでいるかもしれません。問いの重要性をこの視角で捉えることはリスクがあるかも。もちろん、リスクは危険であると同時に好機でもあります。ただ、だれにとって好機なのでしょう。

★文化人類学的にはイニシエーションの象徴かもしれません。古い自分を捨て新しい自分になる儀式は、文化人類学の一つのテーマでもあります。

★神話という物語構造としては、聖域の境界線を象徴しているかもしれません。結界とか。異世界転生が流行るのも、もしかしたらこういう構造が時代を超えて受う継がれているからかもしれません。

★こうしてみていくと、問いの重要性とは、多様な視角からとらえても、抽象的には変容や解放を生み出す発想ですね。

★そして、問いは、選抜や研究に限定されるのは、もったいないですね。もちろん、資格を得るわけです、階層構造の上位を目指すわけですから、それもまた社会学的には問いの一つの機能でしょう。しかし、最近注目されているSTEAMというイノベーション教育は、もっと多様な問いの大切な働きを取り戻す教育なのかもしれません。

★つまり、この中にAという芸術があるからです。アートの奏でる問いは、自己変容であり、社会変容であり、世界変容を問いかけているのかもしれないからです。通過儀礼だとしたら、それは自分を変えるけれど、それは秩序を守るメンバーになれるかという問いです。変わるのは自分ですが、自分の内面から変わるかどうかは「?」です。

★自分を変え、社会も変え、世界も変える。なぜ?これがトゥーランドットの異国の王が投げかけた問いの解答かもしれません。

★問いについては、いろいろな視角や視座で考える必要があります。もしかしたら、これが「探究」の最終的な問いかもしれませんね。

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2026年1月 1日 (木)

【謹賀新年】判断のコンパスは変幻自在だけれどフレームは変わらない

★年末、佼成学園の山本亮先生がfacebookで紹介されていた本が気になっていました。それで、元旦の午前中お雑煮を食べながら、ピアニストのガルシアさんのNHKの番組を見て感動しながら、読みました。山田和雅さんの「戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン( 2025/12/12)」がそれです。ガルシアさんが、嵐山の寺という自然と寺とピアノが一体となった時空で生み出す響きや能登半島の震災でようやく仮設で暮らせるようになった方々とピアノを通して希望を共有している響きを聴きながら、斜め読みでしたが、山田さんの森羅万象を見据えてシステムのデザイン思考という多様な発想をマッシュアップ(私は最近フュージョンという言葉を使っているのですが)のアイデアと実践例にインスパイア―されました。山本先生ありがようございます!

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★昨年度から2027年度にかけてフュージョン教育研究会を開いています。また株式会社ONETESの代表山下一さんとは「思考コード」をどう拡張転移していけるのか対話を続けています。山田さんの同書は、この文脈と共振し、次のような感想を抱かせてくれました。

「私たち人間の命は、思考活動や表現活動が、森羅万象と複雑だけれど適切な関係を生成することによって支えられています。森羅万象は刻々と変化するけれど、人間のみならず地球全体のそれぞれの生命の平衡を維持するように動いています。
 ですから、私たちの思考活動や表現活動は、そのつど生命を守る判断を求められ続けます。選択肢に直面したり、適切な選択肢がなくて創るときがあったりするのです。
 森羅万象は地球環境すべてというマクロレベルな動きと制度で構築されている社会というメゾレベルでの動きと個々の単位であるミクロレベルの動きがダイナミックにつながるように動きます。
 しかし、この適切な循環というエコシステムは普段は複雑すぎて見えません。それゆえ、適切でない判断がエコシステムにダメージを与えることはしばしばです。というより、近代社会は壊し続けてきたというのが本当のところかもしれません。今この破壊を止めるべく、マクロレベル、メゾレベル、ミクロレベルをつなげようとするエコシステムを創っていく判断基準の3つのレベルを通して一貫して有機的につながるチャレンジがされています。そのチャレンジの中で、ざっくりとした基準フレームは、縦軸がマクロ、メゾ、ミクロの次元、横軸が過去、現在、未来という時間軸のマトリクスになっています。
 その縦軸と横軸のフレームは変わりませんが、森羅万象の複雑な変化によって、個人や組織や地球は調整転移して判断基準をつくり、そのコンパスを頼りにして思考活動や表現活動を遂行し、命を守っています。9つのドメインを創るフレームは変わらないのですが、その縦軸と横軸の各次元は変わります。
 判断のコンパスは変幻自在だけれどフレームは不変なのです。」

★これをGooglenotebookLMで絵にしたのが次のイメージです。

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★思考コードは、この判断のコンパスの相対的に具体的な姿であるということがわかりました。今年は、この「判断のコンパス」を手がかりに、活動していこうかなと。

★さて、これから親族と新年を祝って飲みましょう。無目的な集まりは共愉ですね。

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2025年12月30日 (火)

【今年を振り返って➋】グリコのおまけにヒントあり?旧友がお前の話は「おまけ」の比率が高すぎるぞと。

★毎年この年末あるいは年始の時期は30年以上の付き合いのある友人とじっくり対話します。もちろん、特にテーマもなにもないし、それぞれの仕事は利害関係もないので、とっちらかった話なのです。ただ、家族の話や自分たちの老人にありがちの病気自慢話には花が咲きます(微笑)。友人との出会いは、米国とノートパソコンでした。いっしょに仕事をしはじめて、教育業界で、米国の学習理論とノートパソコンを活用した情報収集やプレゼン資料を作りまくっていました。

★そして、話だけではおもしろくないので、ちょうどHISの海外の格安チケット販売がブームになってきたときだったので、20世紀末に、格安で米国に視察に行き、ノートパソコンでインターネットを活用する環境をつくりました。2007年までは、海外を共に経めぐりながら、ITの可能性を探りました。グローバル教育とイノベーション教育の発想はそのとき以来続いています。しかし、友人は社会学的発想をおもしろがっていたし、こちらは哲学的発想をおもしろがっていたので、そこからは別々の道に進みました。ソフトパワーの重要性は共通認識だったのですが、捉え方が違っていたからです。

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★それでも、へーゲリアンウェイやプラグマティズムについては捉え方はだいぶ違いますが、共通しているので、年に1,2度の対話は続いています。今年も相変わらずものの見方は違いますが、最終的には、新しい方向性のヒントをもらいます。もらうのはいつも私の方なのです(汗かつ微笑)。

★友人が言うには、おまえの話はいつもグリコの「おまけ」の部分の比率が高すぎる。もっとバランスは考えないのかと言うのです。そういわれて、たしかにいつも「おまけ」をどう新しくするかばかりを考えて、小さい動きですが実行しています。

★実際には、友人の方が「おまけ」大好きです(笑)。ただ、実生活においては「おまけ」と「実質」のバランスを計算していますね。ところが、私は計算はしていますが、「おまけ」ばかり見ているような気が確かにします。同僚からも、今は本間さんの話にかかわらないですよ。目の前の仕事やりますからねとよく言われます(笑)。

★しかし、友人の話はそれで終わりではなかったのです。「おまけ」と「実質」をつなぐミッシングリンクが何かだろうよと。友人はその回答は言いません。聞いてもわからんなあと言うでしょう。もし回答したら、それいいねやろうよとなるのは見えているからです。やるんならお前が自分で考えて勝手にやりなということです。

★で、頂きました(笑)。そのミッシングリンクが何か?それが2026年の探究ではなく探求・冒険のテーマとして降りてきました。もちろんグリコのおまけの話はメタファーです。その前にグリコのおまけの歴史もググってみました。壁打ちにして最終的にこんな回答に落ち着きました。

「グリコのおまけは、100年以上にわたり子どもたちの「わくわく」をつくり続けてきた存在です。最初の絵カードから始まり、時代ごとにフィギュアや組み立て玩具へと姿を変えながら、開ける瞬間のドキドキを大切にしてきました。そこには「おいしさと健康を届け、子どもの成長を応援する」というグリコの変わらない思いが込められています。現在のおまけは環境に配慮した木製素材を採用し、日用品と組み合わせて遊べる仕掛けが施されており、子どもたちが自由に発想を広げられるよう工夫されています。こうした遊び心あふれる進化は、グリコのおまけが単なる付属品ではなく、世代を超えて創造力を刺激する小さな冒険の入口であり続けていることを示しています。」 

★このグリコのおまけの歴史を知ったうえで、友人は語っていたのだと、改めて感服。

★そうそう、友人は英語が堪能でPBLも得意でICT(生成AIはもちろんんこと)の実装力もすさまじい。そこに「おまけ」をちょっと付け加えると、22世紀の世界を開いていく人間像に近い姿になります。今も世界を飛び回り、世界の同じような質感の教師たちと子供の才能の「おまけ」と「実質」を引き出す方法を交換し共有している教育的な知的好奇心の塊です。

★そして、友人の隣人には、この「おまけ」も兼ね備えた教師もいます。その教師とも10年以上の交流をさせていただいていてよく対話するのですが、不思議と3人で対話したことはないのです(笑)。

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2025年12月29日 (月)

【今年を振り返って】学校選択の決め手:対話をするとき3タイプの理解方法を柔軟に融合する教師がどれくらいいるか?

★学校の授業や多様な教育活動において、教師と生徒、生徒と生徒が対話をする環境をデザインすることが求められています。その象徴的な手法が「主体的・対話的で深い学び」です。これを実行しようとする、対話は欠かせないのですが、互いが主体的に対話する必要があります。もしどちらかが受け身だとそれは対話ではなくなりますから。また、対話は自分と他者の化学反応を引き起こします。それが深い学びになります。

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★ということはその前提に互いの違いというものがあります。ものの見方や考え方、感じ方などの相違点と共通点があるからこそ第三のアイデアが生まれ深い学びが加速します。

★このような違いや共通点はどこからうまれてくるのでしょうか?それは以外にも思考の方法の特徴が違うので、ものの見方に違いが生まれ、ものの見方の違いは、感じ方の違いにも影響します。もちろん、ものの違いが違うから、考え方の違いや感じ方の違いに影響を与えるという循環が起こっているわけです。

★とはいえ、ものの見方や感じ方は複雑です。ところが思考方法の違いはだいたい3つくらいです。したがって、その3つの思考方法のタイプを確認するところからはじめたらよいのではないかと。

★一般に、人が何かを知ろうとすると、まずは物事を理解します。それが一つの事実としての理解になります。その事実を他の事実と結びつけるときにロジカルに因果関係を積み上げていくタイプと幾つかのアナロジーでつなげていくタイプとメタファーでいきなり結びつけるタイプと3種類あります。

★この違いを互いにリスペクトしながら対話していくとおもしろいものや発想が生まれ、それを実装にもっていこうとすると因果関係を積み上げていくことが重要になります。いずれにしても、エビデンスを見つけたり検証したりするときは、因果関係や相関関係が必要です。ただ、その因果関係だけだと新しいものや発想が生まれにくいということもあります。因果関係を積み上げるロジカルタイプとアナロジータイプやメタファータイプのコラボレーションが重要だということです。

★そして、さらにコラボレーションできるには、3つをつなぐ判断基準が必要です。それは直観的にということもあるでしょう。論理的にということもあるでしょう。身体的にということもあるでしょう。この判断基準の精度をあげていくには、経験しかないのかもしれません。同時にそれを見える化する方法のあくなき追究も必要ですが、これはもしかしたら学問や研究の重要な意味なのかもしれません。中高教育ではシンプルなリフレクションルーブリックの作成ということになるかもしれません。

★実は、今年、このような話をして意気投合してしまう校長先生や教頭先生に複数出会いました。また、このような話には興味がないという表情をされる方とも会いました。意気投合する校長や教頭のいる学校は、この対話の間口の広さと奥行きの深さを組織として創り上げています。よって、人気があります。

★逆に興味がないという校長や教頭がいる学校も、別の基準で人気がある学校もあるし、その別の基準は競争の尺度なので、負け組になるところもあります。

★学校選択は私事の自己決定ですから、選択の自由です。ただ、未来にかけてサバイバルする学校は、対話のシステムが立体的にデザインされているところです。競争的価値観は相対的で移ろいゆくものだからです。ただ、対話のシステムのデザインがされているかどうかは、なかなか目に見えるものではありません。説明会でお話をする校長先生をはじめ、多くの先生方や生徒の皆さんの対話の雰囲気を感じる以外になさそうです。

★とはいえ、それをなんとか言語化したり図式化したりすることにチャレンジし始めている学校も増えています。そのような学校と出会えるとよいですね。

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