2020年7月15日 (水)

ノートルダム女学院のハイブリッドPBL授業(02)2つのハイブリッド

★今回のパンデミックによって、一斉休校中、2カ月あまり、ノートルダム女学院中高(以降「ND」と表記)はオンラインPBL授業にシフトし、日々進化していきました。

★そして、なんということか、このパンデミックにさらなる苦境が襲いました。先週から、九州をはじめ西日本は、梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われたのです。

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(豪雨のため警報がでて、休校中でしたが、オンライン授業をする先生、オンライン会議をする先生、アルコールで教室を消毒している担任の先生とNDキャンパスは活動していました。)

★特に、大雨特別警報が発令された熊本、鹿児島両県の一部では、「線状降水帯」が発生。洪水、土砂災害などが出る災害が起こりました。

★その影響は京都にも及び、昨日までに3回も警報がでて、そのたびに各学校は休校となりました。NDも例外ではありません。ただ、不思議なことがNDでは起こりました。ちょうど分散登校を経て、すでに学校は再会されていますから、ようやく期末試験を行う日を迎えています。

★そのため、生徒たちは、自宅で学習し、質問があればグーグルクラスルームなどのプラットフォームで先生に質問したり、試験準備のために、オンラインPBL(プロジェクト型)授業を開く先生もいました。警報がでたのですから、従来通り生徒は自宅待機で自学自習のはずです。これは今始まったことではありません。

★したがって、そこは学校当局は、一斉休校の時のように、オンラインPBL授業を全学年全クラスで実施するとは号令をかけませんでした。当然ですね。しかし、そこは教師と生徒の意思次第です。オンラインPBL授業とかプラットフォームで質問するとかいう幾つかの選択肢が新しく加わったのです。

★キャンパスのリアルな空間で行うPBL授業とパンデミックや災害の時にはテレワークとしてオンラインPBL授業を行うというのが、ニューノーマルな学校生活となっているのです。

★しかし、そのリアルな空間でのPBL授業も、実は新しいPBLになっていたのでした。

★ですから、NDのPBL授業は、平常時にはリアルなPBLで、非常時にはオンラインによるPBLという両方できるという意味でハイブリッドPBL授業であるという意味は間違いないのですが、そのリアルなPBL授業の中にオンラインが並走するという意味でのハイブリッドPBL授業というタイプもニューノーマルな学園生活のシーンになったのです。(つづく)

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2020年7月14日 (火)

2021年変わる中学入試(01)首都圏模試センター教務陣続々YouTuber!

★本日、首都圏模試センターの教務陣とZoom創発会議を行いました。教務陣は思考コードと思考スキルというリベラルアーツを中学入試に盛り込む画期的な発想を実現しました。

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★これらのリベラルアーツのスキルは、まだ業界に広まっていませんが、世界のエスタブリッシュスクールやCLIL、IBなどでは基礎スキルとして活用されています。これらのスキルや思考のルーブリックでもある思考コードは、首都圏模試の多様な模擬試験に取り組むことによって、自然に身について欲しという同社の願いがあります。

★もともとGAFAが席巻していて、リベラルアーツありきのイノベーションをうたっていますから、まだまだ日本では気づかれいなくても、未来への先行投資として山下一社長が企画、実行したものです。私も少し手伝いました。

★それが、今回のパンデミックで、世の中がテレワーク化し、首都圏模試もその例外ではなく、急激にリベラルアーツとテクノロジーの親和性が社内共有されてしまったのです。

★そこで、今ままでPDFで「この一問を通して偏差値アップ」という問題解説をしていものを、Youtubeでオンディマンドで解説してしまおうということになったのです。

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★同センターの取締役・教育研究所長の北一成氏が、首都圏模試のメンバーは全員YouTuberになるのですと、新しい発信力の革命が中学受験市場で起こるのだと。

★ああ、それで、「おうちdeオンライン説明会&相談会」を行い、105校もの私立学校が参加するイベントを巻き起こしているのだと合点がいきました。

★教務陣と動画編集の視点と思考スキルと思考のフローのデザインの対話を通して、これは結局システム思考を生徒は身につけ、中高に入学し、大学に進学・卒業したのちに、たいへんな思考のエネルギーを生みだす土台を創っているという実感を得ました。

★中学入試や大学入試では、ミネルバ大学のようなオンライン入試が行われていきますから、首都圏模試センターも当然準備をしているでしょう。しかし、それがメンバー全員がテクノロジーやエンジニアリングのスキルまで体得していくとは、さすが私学の先生方や受験生の保護者が頼りにする首都圏模試センターです。

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ノートルダム女学院のハイブリッドPBL授業(01)PBLの再定義

★ノートルダム女学院中高(以降「ND」と表記)は、数年前から21世紀型スキルをベースにPBL授業を試みてきました。その進化/深化の広がりやスピードはコースによって、学年によって違っていたのですが、昨年の夏以降、全学年全クラスで取り組んでいこうという話になり、私もサポーターとして先生方といっしょに授業リサーチをしてきました。

★同校の先生方の実践しているPBLと私の実践してきたPBLは、共通するところもあるし違いもあります。共感しながら差異を気づきとするかどうかは、あくまで先生方の問題です。対話によって、お互いにPBLの大切さに改めて気づいていく瞬間が実に快く、私自身もアップデートしていきました。感謝の連続です。

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(理科の村田先生の中1の理科の授業をリサーチしたのち、Zoomでリフレクション対話をしました)

★そんな時、今回のパンデミックでした。休校期間中は、当然ながら、リアルに授業リサーチに訪れることができません。オンライン授業にシフトしていましたから。そこで、しばらくは、ND教育開発センター長の霜田先生及び有志の先生方とオンライン上で、オンラインPBL及び学校再開に向けてハイブリッドPBL授業の模索をしてきました。

★この模索は、NDにととまらず、複数の私学の先生方とも行うことができましたし、今も続いています。オンライン上の知の茶室と称して継続しています。

★そして、いよいよ分散登校が始まり段階的に学校完全再開になってきました。しかし、COVID-19の感染者数は、第2波が来たかと思うほど拡大し始めてもいます。やはり、ノー3密のリアル空間では、以前のディスカッションやペアワークをベースにしたPBLは難しいということも実感しています。

★講堂や多目的ホールのような広いところで、マナボードを活用しながら以前から行っていたリアルPBL型授業は可能です。ただ、全学年全クラスが同時間に行うことができないのは言うまでもないでしょう。

★コンパクトに教室の中で行うしかないわけです。したがって、PBLの再定義をして、ハイブリッドPBL型授業を新たに創る授業リサーチを始めたのです。従来は多様なアクティビティタイプから取捨選択して、各授業の生徒の成長のゴールイメージ、つまり全人教育的な包括的なゴールイメージを実現するPBL授業をデザインしていくリサーチプロジェクトでした。

★どちらかというとアクティビティの再定義でした。たとえば、アクティブラーニングとかPBLは、「講義」はしないという極端な先入観があり、そのために自分はそのような授業はできないという壁が出来てしまう場合が、一般的に問題になっていました。

★しかし、講義の質をブルームのタキソノミーに対照して考えていくことによって、アクティビティとしての「講義」もあると再定義を共有していったりしました。講義といても、一方通行の講義は、そもそもなく、先生が問いを投げ生徒が考えながら、進んでいく講義がほとんどでした。問答法型ですね。

★先生方と、なぜ問答法型か?と対話していくと、思考力をトレーニングするには当然そうだろうと。そうでうよね。そこが根本ですよね。ただ、問答法のデメリットは?と。ラウンドテーブルで12人ぐらいで行うソクラテスメソッドのようにはいかないし、ミネルバ大学のアクティブラーニングフォーラムのようにはやはりいかない。人数の問題だということになります。単純に多いから少ないからというのではないのです。問答法は特定の限られた生徒になりがちで、他の生徒が同様に思考しているかどうかは実は不安が残るわけです。

★そんな対話をしていくと、すぐに問答法講義にペアワークが盛り込まれ、あるときはディスカッションが盛り込まれていくわけです。こうしてPBLのフォームはシェアされていきます。

★ですが、ディスカッションをやっても、調べ学習の延長に終わる場合どうしようという新たな疑問がすぐに現れてきます。そんな疑問を持った先生方が、私が訪れたとき用意して頂いている部屋にやってきてくださる機会も増えてきました。

★そこで、哲学対話もNDでは、宗教科の山川先生や保健体育科の三井先生が実践されているので、そのような雰囲気で私も対話をしていきます。「問いの創り方」が重要なのだと。そして、それが肝なのだと。しかもその問いは教師主導だけではなく、生徒自身が生み出すということなのだと。それにはペアワークやディスカッションは最高の場なのだと。

★ここまで共有し、オンライン授業にシフトしましたが、オンライン授業は、なおさら問いと対話が大切だということになっていったのです。

★ところが、学校再開は、withコロナです。ノー3密空間では、最高だと思ったペアワークやディスカッションは条件や制約が付きます。思うようにできません。そこで、PBL自体の再定義が始まったのです。

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(村田先生による牧田富太郎博士のサインの解読問答は実に興味深いもので、博士の人生そのものが凝縮されたものだという仮説を生徒ともに語っていったのです。もちろん、科学とは何かも。)

★昨日も、中1の理科の村田先生の授業リサーチに訪れました。先生も放課後までは時間が空かなかったし、私も移動しなくてはならなかったので、放課後Zoomでリフレクション対話をしました。今までは、忙しいので、私の描いたアクティビティのスクライビングをみながら、10分の休み時間で対話し、そのスクライビングに私からのコメントを添えたものをフィードバックしていました。

★気づきの共有がポイントでしたが、いかんせん対話の時間が短いですね。しかし、時間をどこかで別にとろうとすると、物理的に不可能ですから、瞬間瞬間でシェア・フィードバックという仕組みをつくっていったのです。

★ところが、今回のパンデミックによるオンライン授業体験が、授業リサーチの方法まで再定義してしまいました。私が東京にいても、Zoomでできます。

★リサーチもハイブリッドになったわけです。とはいっても先生方は忙しいので、40分ぐらいが限界です。オンライン研修をしようと5人くらいで行うのは2時間くらいですが、1人の割合は20分強です。やはり40分は少ないわけではないということなのかもしれません。

★これによって、再びレクチャーや生徒へのフィードバックなどの再定義についても対話が進みます。ハイブリッドですから、実は生徒がタブレットやラップトップを操作することもアクティビティになっているという発見もあります。

★村田先生の授業は、クラスルームを活用して問いを生徒が考える時間を同期非同期で進行していきます。そのとき生徒は自らデバイスやアプリを操作しなければ成立しないのです。

★リアルな時空のやりとりとサイバー上のやり取りがパラレルに進行するには、一見教師のスピーチだけが続いているようなのですが、生徒の能動的なデバイス操作が介在します。この重要な意味について対話するなどということは、コロナ以前にはなかったことです。

★そして、何より村田先生の講義におけるストーリーテリングが実にパワフルになっているのです。探究とはなにか?信念を持って生きるとどうなるのか?豊かさとはどういうことなのか?そしてもちろん科学とは何か?科学的思考とは何か?それらの関心を掘り起こし、科学の扉を開くマインドセットを中1のこのタイミングだからこそ語り行うわけです。

★従来のように事実説明ではないのです。TEDばりのキーノートスピーチになっています。これはオンライン授業では、丁寧に明示的にかつエピソードを交えた暗示的な要素を編集して語りかけるとことの重要性に気づいたからだということです。

★また、サイバー時空を活用すること自体が、脳内刺激を新たに活性化するという仮説推理の話にも広がっていきました。

★7つの切り口で、ハイブリッドPBL授業をアナリーゼし、統合していくわけですが、その対話の中でいろいろなPBLの構成要素の再定義が行われていくでしょう。これからも実に楽しみです。

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2020年7月13日 (月)

品川翔英の進化(03)授業を実施するたびに学校が変わる(了)脳科学も意識して

★今井先生のハイブリッドPBL授業は、ペアワークやディスカッション、クイックライト、問い作りなど多様なアクティビティを授業にデザインしていきます。また、グーグルやロイロのプラッとフォーム、アプリなど、適宜オンラインの学流ツールを活用していきます。リアルとサイバーのハイブリッドというわけです。これが第2波や第3波に直面した時の備えにもなっています。学びのリスクマネジメントの時代でもあります。

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★さらに、今井先生は、ハーバード大学の研究者と現場の教師が協働して授業の中でどのようなアクティビティが使われているかタイプ別にその生徒への効果について研究している成果を活用しています。欧米の学習理論は、AIのディープラーニング(機械学習)も同時に研究が進んでいて、fMRIなどを活用した脳科学は相当進化しています。その研究成果と学習理論は切っても切り離せない関係になっています。

★その研究成果も様々ですが、テレビを見ている時と講義を一方的に聴いている時は、対話をしている時や夢を見ている時より活性化していないということはもう20年も前から結果がでていて、ハーバード大学のマズール教授やあのハワード・ガードナー教授をはじめとして授業や学習の理論が新しくなっているのです。その成果の一つがPBLやアクティブラーニングです。

★この手法はJ.デューイのときからすでに始まっていますから、新しい授業や学習の理論ではないのですが、現在ではAIと脳科学の成果を取り入れて授業や学習のデザインをするようになっているのです。PBL自体も時代と共にアップデートしているのです。

★もちろん、脳科学や機械学習は、まだまだわからないことだらけですから、リフレクションするときに生徒が脳を活性化しているかなと意識する段階です。それでも、生徒の表情や身体の動きを見ることによって、脳情報の処理中か処理した情報を表出しているかはわかります。観察の仕方がまた違う角度から意識できるようになります。

★コロナ禍にあっては、授業はやはり楽しくしたいし、互いにオープンマインドになって励まし合いたいしという想いが今井先生の授業には盛り込まれていました。それが脳を活性化したいという想いと重ね合うわけです。

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★また、生徒が「自立」して学んだり、「創造」したりするには、授業は教師が全部主導するのではなく、生徒も学びの「責任」を引き受けなければなりません。その理論はピアソンとギャラガーが、ずいぶん前にGRRモデルとして提示していて、アメリカとカナダの教育では定着しています。ミネルバ大学のオンライン上のアクティブラーニングでは、このモデルが相当意識されています。

★ですから、今井先生も授業をデザインする時、教師の時間と生徒の時間の割合を巧みます。すると、レクチャーというアクティビティだけではなく、生徒が自ら動くアクティビティが重要になってくるというわけです。

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★多様なアクティビティのタイプを活用すると、生徒は多角的なアプローチで記憶していくし、思考スキルもたくさん活用します。ワークショップのメンバーと話し合いながら、どの問や解答を作成する際に、どんな記憶術やスキルを生徒は使うのか議論していきましたが、実に複眼的な思考を生徒はトレーニングしていることがわかりました。この議論は、実はリベラルアーツの言語技術のトレーニングの議論でもあります。

★特に、参加メンバーは、物語における主人公の成長を捉える生徒のペアワークの成果に焦点をあてて対話していました。比較・対照、カテゴライズ、逆説といったスキルの変化に注目していたようです。

★また、高3で扱った丸山圭三郎の「言語と記号」という難しい言語哲学のテキストについては、言語と文化のカルチュラルスタディにまで進んでいく生徒と調べ学習で終わる生徒とのギャップをどう埋めるかという話にもなりました。ここは時間がなかったので、いずれ探究していくと思いますが、このギャップがなぜ生じているのか、アクティビティやスキルの分析をしていくとヒントがあるかもしれません。

★このギャップこそ、ビゴツキーの言う「最近接発達領域」です。今井先生は、生徒と対話し、アクティビティや学びのツールを駆使して、ここを発見していく教師です。この領域が見つかったとき、生徒の自立と創造は始まります。そして発見するには互いに協働する貢献が必要なのです。

★今井先生は、経験から学び、その学びを同僚との対話によって、理論として共有する過程を螺旋状の気流に乗って進めていきます。品川翔英のカリキュラム進化論はこの探究の竜巻が生まれているところにあるのですね。

★このような授業の進化論の話は難しくなるので、受験市場では話されないし、メディアも光をあてないでしょう。つまり本質的なものや大切なものは目に見えないものです。そういったのは星の王子さまでしたか。

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2020年7月12日 (日)

新しい女性グローバル市民(01)中学受験市場と中学入試市場の差異を見極める母親

★とある学校の保護者と不思議な出会いが、これまた不思議なネットワークに連鎖し、Zoom対話となりました。最前線で活躍されている女性であり母親です。もともと帰国生だったり、今もなおグローバルな世界にいたり。もちろん世界的視野は広く情報通です。同時に中学や高校の受験生の保護者でもあります。

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★当然ながら、学歴キングダムに疑問を持ちながらも、それは世界情勢や政治経済の社会構造や産業構造を読み切っている新しい女性グローバル市民です。自身はものすごいプロフィールの方々のようです。どこでどんな仕事をしているのか話される端々にそのプロフィールは予想できます。

★同時に母親でもありますから、そのような新しい女性グローバル市民としてのポジショニングから眺めて、子供の進路をどうするのか現場の情報を知りたいということで、私へのアクセスに興味をお持ちになったのでしょう。

★最近、女性医師ともよく話をします。最先端の医師であると同時に、やはり受験生の母親です。

★みな共通しているのは、私立中学受験というと、偏差値競争が激しく、お金持ちの子弟が行くところといったイメージを持っていながら、そうではない世界はあるのかどうか模索しています。ですから、実際に学校をつくって理想を実現しようとする母だったり、20世紀型中学受験市場にはない新しい教育マーケットはないのかどうかという関心が高いのです。

★とある学校の保護者との出会いが、その新しい教育マーケットでの出会いでしたから、公立学校を改革するまでもなく、まず自らの力で変えようとする私立学校があること、中学受験市場と中学入試市場の区分けが明快になってきたことなど、ご自身の体験談の情報交換をしながら、本間さんに会ってみようとなったようです。参加された方は首都圏以外から、海外からと、なんともグローバルでした。

★まさか社会構造や産業構造の堅牢さと変容の必要性の話題が母親からでてくるとは思わなかったので、ついしゃべり過ぎました。いつもの保護者の顔は受験生の母親としての顔や学校の保護者としての顔でしたが、こういうときの顔は多面的です。才能あふれる雰囲気に圧倒されました。

★世界を語り、自分の子供の環境を語り、そのギャップに驚き、嘆き、でもネガティブではなくポジティブに徹底的に情報収集・共有し、そして分析し活路を見出そう、ダメなら海外にいくしかないかと断固たる決意もありそうでした。そんなわけですから、今回、参加したメンバーの方々は多様な情報を持っていて、私の説明は本当は不要だったでしょう。

★では、なぜ私と対話する機会を作ったのか?それは、日本の教育現場と入試の関係がきちんと情報発信されていないからです。なぜ新しい入試が必要なのか、なぜ2科4科だけではななくなったのか、何が変わるから多様な入試なのか。それと大学入試や私学とのかかわりとはどうなっているのか。インターネットや文献では調べることができない情報を知りたいということでしょう。

★偏差値だけでみていくと、そんな多様な入試はいらないので、多くの塾では新しい入試について発信していないのです。かなりされるようになったと私は思いますが、私がかわっている新しい中学入試のマーケットと中学受験市場の比は、1:4で、中学受験生の25%くらいの規模です。

★外からみたら、まだまだ新しいウネリは見えているとはいえません。しかもそれがカリキュラムとどう直結しているかという話までできるマニアックなという意味では、私にアクセスすることは少しは意味があるかもしれません。

★特に、不思議なことに、参加者はPBLというプロジェクト型学習は当然で、実際にそれを実行している学校を運営していたり、すでにPBLを実践している学校に子供が通っていたりするのです。

★ですから、入試―PBLというラインがあることをもっと広めたほうがよいのではないかと。子供の成長の場として、そのような対話空間は重要なのだというのは、ある意味世界では常識です。日本ではまだまだです。ですから、そこは何とかしたいし、世界標準の成長の場を見つけたいのだという息吹を感じました。

★そして、参加されたメンバーは、口をそろえて私たちのような母親は本間さんが思っている以上にたくさんいます。そこここに転がっていますよと。だから、このような情報の公開は必要なのだと。

★入試と教育と学校と社会構造を鳥の目と虫の目の複眼思考ができる新しい女性グローバル市民がたくさんいるのだということです。

★多くの学校や塾で、私の話は難しいと言われるのですが、今回はむしろ私の世界情勢や社会構造の変化については、百も承知で、中学受験マーケットと中学入試マーケットの情報の非対称性の部分をどんどん見える化し広めて欲しいということでしょう。

★さて、どうしたらよいのか?ただ知りたいというだけではなく、知るためにどんなアクションを起こすのか、多角的に検討するウネリがどうやらこのようなネットワークから生まれてきそうですね。21世紀はまさしく女性の時代です。

★Zoom対話が終了して、京都に向かう新幹線に乗っていると、三田国際の学園長大橋清貫先生から電話がありました。今まさに、こんなZoom対話があったんですよと伝えると、まさしくそういう時代ですよ。本間さんがまだ見たことのない新しい教育シーンをスタートしたので、どこかで取材に来てよ。きっと情報として価値あると思うし、そういうZoom対話で共有して欲しいねと。なんとタイミングがよいのだろうと驚愕。

★さて、学校の先生方、そのようなダイナミックな話の中で、極めて重要な母親としての視点が投げかけれらました。それはPBLをやる本質的な理由だし重要な価値のある視点です。ここから先は、先生方とはZoomで対話することにしましょう。

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品川翔英の進化(02)授業を実施するたびに学校が変わる②

★さて、今井先生の国語のPBL型授業の話をしましょう。中1と高3の授業についてプレゼンがありました。そして、そのあと国語科の先生方とアナリーゼを行っていきました。最初は知の座標の4つの領域について参加したメンバー1人ひとりが感じたことを話していきます。このグループワークの経験と今井先生のPBL型授業の中で行われるアクティビティ「ペアワーク」が重なり合って、ペアワークが批判的思考をいつのまにかトレーニングしているという対話が深まっていきました。

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★4つの領域とは、「知識の発見」「論理的構築」「批判的思考」「創造的思考」です。ブルームのタキソノミーを座標化したものです。品川翔英の国語科先生方がルーブリックを考えていく際の出発点として議論したものを、ワークショップのときの座標としてアレンジしたものです。ブルームの成果も品川翔英の先生方の議論の成果もうまくモニタリングできる座標です。

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★どこでもシートに座標を書き、先生方の想いをポストイットに書き込んで、各領域にはっていき、グループで俯瞰しながら自分の考えを語っていくというペアワークのバリエーションアクティビティです。

★今回初めて参加した先生方も、各領域の定義や意味を自分だったらこう考えると推理したり仮説を立てて話していくうちに、最初定義を知らないからと心配そうでしたが、自分の考えでよいのだと分かった瞬間からは発言がとまりません。

★専任の先生方はこの仮説・推理対話はもう慣れてしまっているので、「私の考えですが」とか「もしかしたら違うかもしれませんが」という前置きを言うことはありません。講師の方々もだんだんそうなっていきます。

★仮説・推理がなければ、正解のない思考は回転しないし、それがあるからこそ、信頼性や正当性、妥当性などのアイデンティティチェックができるのです。正解のある問いに関しては、正しいかそうでないかしかありませんから、多面的評価で必要な信頼性・正当性・妥当性の視点で議論することはめったにありませんが、IBのTOKや欧米の哲学授業では、このような仮説・推理から対話は始まります。オープンクエスチョンとはそういう感じです。品川翔英の国語科の先生方も世界標準レベルで議論しているわけです。

★ともあれ、そもそもPBLとは何だろう?は、めちぇくちゃオープンエンドな問いなのですから。

★一見座標は設定されているようですが、このワークショップでは、ここで知とは何なのか再定義しながら行っていきます。アップデートは枠組みの再定義が起こらなければ生まれません。

★アップデートとマイナーチェンジは次元が違います。

★このように対話に耳を傾けじっくり考える習慣がついている品川翔英の国語科の先生方が、ワークショップを行うたびにアップデートするのは、この大前提の構えができているからですが、4つの領域全部をカバーするパワフルなPBL型授業を今井先生が実践しているからこそ座標を巡る対話が深まるのです。

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品川翔英の進化(01)授業を実施するたびに学校が変わる①

★ここのところずっとオンラインワークショップでしたが、昨日(11日)、久しぶりにリアル品川翔英を訪れました。国語科の先生方とPBL授業のアップデートのためのワークショップを行うためです。オンラインでのワークショップも新鮮でしたが、今回先生方は、1人ひとりタブレットやラップトップを持ち込み、ハイブリッド型のワークショップに自然になりました。

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★おもてなしの精神があふれている学校ですが、今回もまた新鮮なケアの行き届いたおもてなしに感動しました。ワークショップ15分前に、アドミッションオフィサー竹内さんがやってきて、本間さん、ゲストとしての環境にしますから、よろしいですかと。あっという間に、先生方と同じ環境でパソコンをつなげられるようになりました。

★同校はオンライン授業を行ってきたために、ワークショップも同じ環境で行うはずだと想定してすぐに動いてくれたのでしょうが、スムーズな環境設定のスキルを、コロナ以前は見ることがありませんでした。スキルはあったのですが、使うという前提がなかったわけです。それがポストコロナにあって、がらりとアクションが変わっているわけです。これだけでも、おお、品川翔英は進化していると実感を得ることができました。

★今回は今井先生のPBL授業のアナリーゼとリフレクションと気づきの共有です。今井先生のPBL授業のアップデートどころではない進化と生徒の成長力の見える化に驚嘆しましたが、もう一つ驚いたことがありました。

★それは今回から非常勤の先生方も参加されていたということです。生徒にとって、専任、常勤、非常勤の区別はありません。先生は先生です。ですから、ビジョン共有は当たり前ですが、授業のクオリティやデザインまで共有できるとしたら、その学校は本気だということになります。つまり、品川翔英は本気なのです。

★エっどういうこと?と思われるかもしれません。しかし、一般に非常勤の先生にまで、授業の方法論やデザインの仕方、ルーブリックなどの共有を目的としたワークショップは行いません。契約上の問題もありますが、そもそも今までのように一方通行型講義であれば、教員免許を持っていれば、あとは書類選考で十分だったのです。

★ところが、PBL授業となると、専任の先生は行っているけれど、非常勤の先生はやっていないとなりがちです。こうなってくると、困るので、ワークショップを行うとよいというわけですが、そこまで契約していないとか、だいたいできないとかいろいろな問題が起こります。よほど人間関係をきちんとしていないと、なかなか進まないというのが、日本のすべての学校でアルアルの話なのです。

★品川翔英は、そこを乗り越えているわけです。驚きです。しかも、このワークショップは、品川翔英にとってPBLとは何か、なぜ必要かなどを行い、ルーブリックの開発ワークショップなども経て、ケーススタディーに進んでいます。ケーススタディーも3回目を迎えています。

★そこに参加するのですから、さすがに非常勤の先生方も不安なわけです。それでも参加は自由というわけですから、参加する意思を持っているために、積極的に参加されていました。そして、専任の先生方のケアシップ、リーダーシップ、フォロワーシップ、コミュニティシップのさりげない発動が、共鳴共感の響きを生み出し、不安を払しょくする雰囲気が巻き起こっていました。

★実はこの雰囲気は、まさに今井先生のPBL授業において生徒と共有されている雰囲気でもあります。講師の方々もそこに共感していたのです。今井先生のPBL授業のケーススタディのワークショップと自分たちが創ってく授業のイメージがシンクロしていったのだと思います。

★先生方は「学びの共同体」を大切にしています。まさにその想いの面目躍如のワークショップになったのです。(つづく)

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2020年7月11日 (土)

八雲サードインパクト(01)東急線・田園都市線さらなる活性化

★東急線の都立大から徒歩7分。八雲神社に見守られる閑静な住エリアに凛として佇んでいるのが、八雲学園。3年前に共学校になり2度目のインパクトを世に与えましたが、来春は3度目です。1度目は20世紀末のバブル崩壊時期に颯爽と中学再開でインパクトを与えました。

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★なぜ3度目かというと、高校の共学化を行うからです。豊島岡女子や本郷、聖学院の高校募集の動きがあって、私立学校の高校募集に注目が集まる時期です。八雲の高校募集の共学化は、入試市場でも注目されるでしょう。

★また、今年4月からは私立高校に通う場合の就学支援金の上限額が、私立高校の平均的な授業料の水準まで引き上げられ、私立高校も実質的に無償化になっています。質の高い八雲学園の高校募集に男子も期待をするでしょう。何せ、高校入試は、すぐその先の進路先は重要です。

★2022年から、大学入試は、文科省の改革がどうあれ、大きく変わることは想像に難くありません。オンライン化が進めば、論理的思考力・批判的思考力・創造的思考力に力点がシフトします。ダボス会議をはじめ、世界の政財界人もタレンティズムへの道を拓こうとしています。18歳成年も相まって、自分が何ができるか、それを実現するためにどんな高次スキルを有することができるのか。

★そのような変化する進路先に対応できる学校は、今回も、八雲のようにきちんとオンライン授業で対応できているはずです。

★つまり、コロナ禍にあって、公立学校がオンライン授業を行ってこなかったので、今後の第2波第3波のみならず気候変動のリスクなどに直面した時に、八雲学園は十分に耐えられるオンライン授業を果たしてきたということがポイントなのです。

★このような話題性の側面だけではなく、実質的な教育の質が高いことは言うまでもありませんが、これについては本シリーズでゆっくり述べていきましょう。

★ただ、ここで確認しておきたいことは、英検2級までとれれば、高いアドバンテージのもとで上智大学、立教などの道が開けます。このレベル以上の英語力を今の八雲学園の教育だと身につけられます。これは、八雲学園の近隣の公立高校よりも有利な点ですね。もちろん、英語だけではなく、教育の総合力が八雲学園の特徴です。

★いずれにしても、インターナショナルスクールやそれ級の私立学校へ期待する受験生が多い東急線と田園都市線です。しかし、その期待に応える高校募集を実施している学校が少ないのです。三田国際や洗足学園は帰国生しか募集していません。桐蔭も中等教育学校です。するとあとは八雲学園と都市大等々力のどちらにするかということになるでしょう。

★どちらも教育の質が高いわけです。そこで凌ぎ合います。東急線と田園都市線は、五島慶太翁の夢である教育都市構想がベースですから、今でも教育に対する熱量が半端ないのです。五島慶太翁が創設したのは等々力ですから、同校は八雲に負けるわけにはいきません。八雲もひるまず立ち臨むでしょう。日ごろは仲のいい両校の広報の先生方ですが、スポーツの試合と同じような感覚で一戦交えるでしょう。

★教育の質の切磋琢磨は日本の未来にとってウェルカムではありませんか!

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ポスト・コロナショック時代がもたらすコト(39)才能が新しい社会を創る その才能がマグマのようにあふれだすには?

★オンライン授業を経て、今はリアルなノー3密空間で、小学校4年生や5年生と学んでします。盟友鈴木代表が主宰するGLICCでクリエイティブコースのワークショップを週に160分お手伝いしています。これが実に楽しいですね。孫と対話しているようなものですから、目が細くなってばかりで、お母さん方は、もっと厳しくと思っているかもしれません。

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★4年生80分、5年生80分。GLICCは基本海外帰国生とのオンライン授業がベースですから、リアルな空間は1教室5人くらい。でもノー3密ですから3人が限界です。ですから、ワークショップも対話が中心です。80分間で、上記の本をベースにプレリベラルアーツをやっていきます。もちろん、中学受験を考えている子供たちなので、入試問題もやりますが、それは子供たちにとっては、実はそれほど難しくないのです。

★5年になると、宿題で入試問題をやってきます。入試問題の解答解説は基本しません。どんなところができるのかできないのか、自己モニタリングできるようにするのが目的です。それに5年の段階ですから、どちらかというとゲーム感覚で、現状で半分解けたらすごいじゃんと自分で言っています。

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★セルフモニタリングする時も、ワークショップをやるときも、システム思考のエンジンの表は毎回テキストの表紙に貼ってあるので、それを意識して自分はどこが苦手だだとか言ってます。入試問題を解説するというより、本人がそういうスキルを、スピーチや記述や絵、図、グラフなどのスクライビングをしながら考えていきます。

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★スクライビングをするときは、ポストイットイーゼルパッドといわゆるポストイットを活用します。基本1人1セットもってやっていきます。適宜チームでやりますが。文章をポストイットでキーワードごとに分解してべたべた貼っていきます。そのあと、ベン図やフローチャートをつくるので、並べ替えたり、ペンでつながりを描いていったりします。

★すると、物語にしても、論理的文章にしてもその構造が見えてきます。分解と統合は、自分で見える化していくに限りますね。

★最後には、文章化するのですが、それは結構ハードルになります。スクライビングやスピーチが巧くいっても、文章に書くとなるとなぜかたいへんなようです。とにかくキーワードを書いて、もう少し詳しく書いてみたらを繰り返します。何か足りなくないとかコメントを言っていきます。

★なぜとか対照的内容とはとか、その段階ではヒントはだしません。もう少し詳しくとか何かたりなくないとかそのキーワードかっこいいとかそんな感じで言っていきます。で、できあがったときアナリーゼしようという話になります。ここは比較対照スキルつかっているとか、置換と根拠がいっしょかな、それいいじゃんとか対話していきます。

★そんなことを繰り返しています。SDGsは興味をなぜか持っている子供たちばかりなので、「自然と社会と精神」のスピーチは毎回やります。ネット上にいろいろな図がありますから、それと上記の「自然と社会と精神」のカテゴリーの本を組み合わせます。1つの図をパッと出して、それで気づいたことをスピーチします。正解はもちろん求めていませんが、毎回いろいろな図やグラフで語るので、何がわかっていて、何が知識だけなのかが本人もわかります。

★そこのところは、ネット上で動画を探して、いっしょに見ながら再度スピーチをしていきます。

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(写真はカルビーサイトから)

★30分に一度休憩を入れます。あっという間の30分なのですが、「じゃがりこタイム」です。じゃがりこは種類が豊富で、地域特産のものもあり、毎回どれを選ぶかジャンケンです。最初は休みはチョコレートだったのですが、じゃがりこがいいということで、定着しています。

★ワークショップということもあり、食べながらもできてしまいます。光合成のスピーチでつまったりするとき、じゃがりこに「置換」えてはなしてみるとどうなるのとか、今話したことあとででてくるよと声をかけると、比喩でしょとかやりとりがあります。

★いずれはじゃがりこ戦略とディズニーランド戦略を比較して自然と社会と精神について対話してみようと思っています。

★漢字やことわざ、故事成語は、書き取りまではできません。学校の漢字書き取り学習はたくさんあるということなので、それはそちらでと。でも読みは「ノック&ノック」とう時間をとります。漢字が読めないと文章が読めずに、そこでとまるので、読み方を間違えても、その間違えで熟語の意味がわかっているということだよとか、いいながら、読みをどんどん連射していきます。国語の先生には叱られるかもしれません。

★言語技術では、しかししながら、読めない単語や意味の分からない単語は、すぐに辞書を調べるのではなく、推理するというプロセスも大事にしますから、「ノック&ノック」はそうしています。それに、故事成語なんかネットにすばらしい動画いっぱいあるので、それを見て、その動画の再現解説をスピーチする機会を設けます。4年であろうが、5年であろうが、新聞の文章ぐらいは読めるようになります。

★SDGsをなんとか推進しようとしても、光合成について、二酸化炭素について、小学校4年生くらいまでは、よくわかっていないようです。私と対話している子供たちは、そのことにこれでいいのかというわけです。ちょっと前まで知らんかったでしょうとは言わずに、そうだねそうだね、でどうするよと言うことにしています。

★上記写真の「言葉と哲学」カテゴリーの2冊は、最高です。言語学と哲学の基礎が4年生・5年生にもわかるように書かれています。専門知識はなくても、こういう書き方があるのだなあと感動しています。上記の本を介して対話していくといっても、ほとんど子供たちがスピーチし、スクライビングし、まとめていきます。

★私がやるのは、別の言葉でいうと?置き換えると?今食べているものは、この文章でたとえると?とパラフレーズするとどうなるのばかりを聞いていきます。思考スキルもそうです。スキルに置き換えると?となるわけです。

★「置換」なんてといわれるかもしれません。実はこれが発想の転換にはもってこいだし、数学的思考の基礎でもあります。それゆえ、発想の転換には、上記の写真にあるような本を活用しています。国語の中学入試対策をクリエイティブコースでやているわけですが、結局、思考スキルは数学的思考のルーツにつながっていきます。プラトンは正しかったのかもしれませんね。

★それはともかく、みんなでじゃがりこ食べながら、その瞬間瞬間に問いを投げる対話は、さすがにオンラインではできないのですが、それ以外はオンラインでできてしまうということも了解しました(笑)。

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2020年7月10日 (金)

聖学院インパクト(03)GICのキャリアデザインン 社会的インパクトを生み出す人生

★聖学院の新クラスGISのキャリアデザインの発想が斬新なのは、毎年国内だけではなく海外大学にも羽ばたく幅広い人生の在り方を選択し同時に創るOBと共に多様なプロジェジェクトを教師も経験してきたからでしょう。

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(同校の今年の卒業生は、海外大学に合格したという実績だけではなく、そこにいくまでに起業したりプロジェクトを運営したり社会的インパクトのアウトカムがすでにあった。だから合格したということもあるだろう)

★GISは、その経験という臨床的な知を世界標準レベルの才能開発カリキュラムに昇華させる試みだと思います。一般的には、学校は基本的には教師の力量ですべてが決まるのですが、教師力だけにたよっていると、教師の力量がまちまちということはよくある話です。というか、ほとんどの学校がそうでしょう。

★そこで、聖学院は教師自身が自己マスタリーしてトレーニングするシステムとカリキュラムのレベルをアップデートできるシステムの両方を作り上げてきました。ですから、GISはその結晶です。

★教師は、聖学院の生徒が国内外で社会的インパクトを生み出せる才能を開花するだけではなく、その才能を試行錯誤できるプロジェクト環境を生み出します。そこですでになんらかのアウトカムが生まれますから、自分の才能と社会的インパクトの相関をモニタリングできます。

★このモニタリング評価は、言うまでもなく、模擬試験の偏差値とは全く違います。

★ルーブリックによるポートフォリオ評価と自分たちのプロジェクトに協力してくれたステークホルダーの動き、そして社会的貢献度などおよそ従来の偏差値評価とは違います。

★ところが、ポストコロナ時代は、この社会的インパクトへの挑戦は大事な大学へのパスポート構成要素になります。

★もちろん、国内の大学がすべてそうなるわけではありませんが、海外大学に進学するOBは、日本の大学にもアプリケーションを出しておきます。AO入試(総合型選抜と名称が変わる)の場合、たとえば上智大学だと英検2級が必要ですが、GISをはじめ聖学院のクラスは英検2級は軽くとってしまいます。今年海外大学に進学するOBは準1級レベルは超えています。

★したがって、上智大学やICUなども合格して海外大学も合格するのです。これはある意味保険ですが、今回のパンデミックで、この保険の意味が大きく変わりました。大学経営は世界中で苦しいし、オンライン授業などで大学の組織自体が変容します。変容すると価値が変わります。

★ですから、今までの大学受験だと偏差値表とにらめっこしていればそれで事足りたのですが、ポストコロナの時代は、自分で大学の情報を集める必要があります。

★そうすると、世界の大学が思考力と社会的インパクト創造・実現力という才能を評価するようになることがわかるでしょう。そして、そのような評価をする大学を選択することが、18歳で成年になって社会的活動を始めるためにも、時間を大切に過ごすことができるのです。ポストコロナ時代は、偏差値をあげるためだけの受験勉強は時間の無駄という時代がやってくるはずです。

★時間は投資という考え方が明確に教育の世界にもやってきます。オンライン授業でそのことがはっきりしてきたはずです。

★したがって、高校3年間教科書と受験参考書だけで過ごしたとしたら、大学や社会に出たときには、人間力・知力・発想力・革新力などすべてにおいて遅れているということになるでしょう。

★GISが、そうならないためのすばらしい才能開発カリキュラムをつくるわけですが、そのアップデートは30名のGISクラスのメンバーと共に創っていくことになります。新しい世界の創造は、まずGISの果てしないアップデートからスタートすることでしょう。それが意味ある・価値ある高校生活となることは容易に想像できるではないですか。

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