2019年8月23日 (金)

令和元年度福島県私学教育研修会(1)想い

★2011年3月11日のあの東日本大震災と「フクシマ」という想像を絶する自然災害と科学神話の崩壊。未だ解決されず、復興へ向けて福島県、もちろん日本全体が尽力している。2020東京パラリンピック・オリンピックは、震災復興も含んで行われる。

★福島県の私立学校も、当事者であり、教育において新しい東北を創っていく人材を育てる教育をという想いは共通している。その想いを共有して、福島県私学教育協会研修会も、5年前にその質を大きく転換したと同協会会長の森涼先生は語る。

★昨日22日(木)、「第45回福島県私学教育研修会」が、そんな想いを参加者1人ひとりが改めて感じながら始まった。

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★開会式の後、すぐに、森会長からこの1年間の教育関連最新情報が報告された。世界の動き、日本の動き、福島の動きと丁寧にいまここで自分たちが日々挑戦していることが、いかに県全体、日本全体、世界全体とつながっているのか、膨大な資料を提示しながら、簡にして要を得た名プレゼンテーションをされた。

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★そして、参加された先生方は、私立学校の教師として、私学の助成の現状も共有すべく、精緻なデータを読み込む方法も語られた。教育の倫理と経営の論理の複眼思考の共有を森会長は目標としている。教育が社会にインパクトを与えるには、経営という感覚も必要だからだ。

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★私学の経営視点は、時代の精神を読み解き、入試市場の動向を見極め、政府や自治体との助成金の交渉する論点を開発することが重要なのだということが明快に論じられたプレゼンテーションだった。

★新しい東北は、あまりにも大きな根源的な問題から出発するがゆえに、実は新しい日本、もしかしたら新しい世界のお手本を意味しているのかもしれない。

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2019年8月22日 (木)

静岡国際シンポジウムで、「中高生は、みんな未来を発明する才能者」という学びの環境を知る意義

9月1日(日)、静岡聖光学院で、「第3回静岡国際シンポジウム」が開催されます。今の中高生にとって、とても大切な学びの環境が披露されます。静岡聖光学院の生徒は、毎月のように海外に飛び、驚くべき思考や発想、アクションを発揮している世界の中高生とコミュニケーションをとり、世界を彼らといっしょに創っていくにはどうしたらよいのか視野を広めています。今もイートンカレッジに学びに行っている生徒がいます。

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★そして、来週28日からは、静岡聖光学院の生徒による国際サミットも開催されます。7カ国から中高生が参加します。このサミットは9月5日まで開催されていますから、9月1日静岡国際シンポジウムは、その真っ只中で開催されます。

★ですから、世界からやってきた中高生も登壇してスーパープレゼンテーションをします。通訳は、静岡聖光学院の生徒が行うそうです。

★日本の中高生と世界各国の中高生が互いに語り、考え方ものの見方を交換するとどんな化学反応が起こるのでしょう。このリアルな化学反応こそ、日本の中で世界をみている私たちが思いもよらない発見・発明の世界、新しい社会のありかたを生み出すはずです。

★今回、東京から、聖学院、三田国際の先生方も駆けつけ、静岡聖光学院とともに、今の中高生に必要な学びの環境づくりの実践を語り合います。

★首都圏模試センターの取締役教育情報部長北一成氏も登壇し、こうした新しい学びを時代が要請している教育の今そして未来について熱く語ります。

★さらに、石川一郎先生が、今夏第三部作目の執筆を終えたところで、見てきた新しいビジョンについて、本邦初スピーチします。

「中高生は、みんな未来を発明する才能者・世界に挑戦する才能者。」というのは、スローガンではありません。本当にそうなって、今までにない幸せな社会の在り方を歴史が欲しているのです。9月1日、静岡聖光学院でその歴史の局面をいっしょに立ち会いましょう。

 

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2019年8月21日 (水)

聖学院 中高生にとって大事な学びを創る ≪Z世代≫の学びへの挑戦!

★今教育学部の教授たちのリサーチで、学習から降りてしまった中高生が増えていることに警鐘が鳴らされている。果たして今の中高生は学習から離脱してしまっているのだろうか。その是非は専門家に任せるとしても、リサーチの道具立てが、基礎学力だとか中堅校だとか、つまり偏差値だとかで、かなり昔から使われている道具立てでリサーチされていることは否めない。

★英語教育もまだまだ重要でなかった1980年代前から行われていた道具立てだ。ICTなどは、まったく学校には登場してこなかった道具立てだ。よいわるいはともかく、いささかそれでは、2002年以降に生まれた今の中高生には窮屈過ぎないだろうか。グローバルネイティブでデジタルネイティブな≪Z世代≫とよばれている今の中高生にとって、さすがに新しい環境が必要なのは、そんなリサーチをするまでもないだろう。

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★≪Z世代≫にとって、はっきりいって、過去の道具立てでの診断的リサーチはあまり役に立たない。今でも診断的リサーチは必要だが、激動の時代である。世界的なコンサルティングファームは、さらに予測的リサーチ、何をすべきかというprescriptive researchをも重視している。

★この時代のベクトルを鋭く見抜き、俊敏にアクションを起こしたのが聖学院の児浦良裕先生だ。中3の在校生Yujinさんとの出会いも功を奏した。児浦先生は、あるときは広報部長、あるときは国際部長、あるときは21教育企画部長というマルチコーディネーターである。

★中3のYujinさんがグローバルに中高生クリエーターとアクションを起こす団体「SustainableGame」を主宰して、どんどんZ世代のコミュニケーションの場、アクションの場を広げていくのを受け入れ、その肝を学内にも大いに浸透しようと決断した。

★まず、ふだんの授業を学びの離脱がおこるどころか、学びの場を生徒が自ら生み出せる場にしようと、教師一丸となってPBLを実践する授業デザイン研究会を実施した。

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★そして、国際部長としては、Very50という革新的な団体と連携して、MoGを実施。MOGとは、「Mission on the Ground (地上の使命)」の頭文字をとっている。アジア新興国のチェンジメーカー(社会起業家)のもとで、「SDGs(持続可能な開発目標)」のテーマをチームを組んで解決に挑むことで、「問題解決能力」の養成に重点を置いている。≪Z世代≫のリーダーYoujinさんも、SDGsの活動をしているが、このプログラムに参加。世界のZ世代とチェンジメーカーになる輪を広めている。

★また、児浦先生は広報部長として、メディアに注目を浴びている3つの思考力入試の体験講座を各塾に招かれて実施している。3つの思考力入試のうちレゴを活用するプログラムを実施。言語化だけが思考力だと思われていた従来の学びに、物語化、図式化、物作り化など多角的なアクティビティをコンビネーションして行うPBL型体験講座を実施。≪Z世代≫の学びのお手本を広めるインフルエンサーである。

★これだけでも、凄いのだが、同じく21世紀型教育機構の同士校である静岡聖光学院と合同キャンプまでやってのけ、グローバル教育をついに学校同士で連携してしまった。これは21教育企画部長として面目躍如といったところだろう。もちろん、これが成就したのは、静岡聖光学院も≪Z世代≫の学びに日々挑戦しているからだ。

今回、これらの教育企画運営を通して手ごたえを感じた「生徒が限界を超えて成長する教育」とは何かについてスピーチする。9月1日、静岡聖光学院で行われる「第3回静岡国際シンポジウム」で児浦先生は熱く語る。Z世代の中高生が古い学びの殻を破り、新しい学びを開く。もはや教師だけが学びを設定する時代ではない。生徒ともに学びは生み出されのである。児浦先生の新しい視座をシェアしようではないか。

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2019年8月20日 (火)

神崎史彦先生との≪対話≫

★鈴木先生が、GLICCの英語の授業で、席をしばらく外している間、神崎先生と先生の新刊書の中に埋め込まれている幾つかの言葉を、ディコンストラクションする≪対話≫をした。

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★≪対話≫の端緒は、「教科教育」と「特別教育活動」と「探究」と「キャリア教育」などが有機的につながる≪Xなるもの≫なるものは何かという話だった。

★いったい何の関数なのか?そのヒントは、すでに神崎先生は自著の中に埋め込んでいる「置換」という思考スキルのメタ的な機能を引き出すことだった。思考のスキルは多様なのだが、結局は「置換」スキルに回収できてしまう。

★この実感を、現場で行うPBLの中にデザインして配置しているアクティビティの中に見出すソクラテス的≪対話≫、つまり産馬術を活用して行っていった。マインドマップとKJ法の共通点と差異を具体的に≪対話≫する迂回をしながら。

★これによって、≪アクティビティ≫が、学びの活動の手法以上に、経験のシミュレーション化という意味があることが共有できた。世界と世界性。つまり意味以上の意味というのが、常に言葉にははりついている。

★東南アジアの研修のように、学びの対象がリアルな場の経験であることは、日常の生活ではそうあるわけではない。また経験がいかに大事でも、極限まで行けるが、実際に死の体験をするわけにはいかない。化学反応や分子のつながり、ブラックホールなど、実際には肉眼では見ることができない。過去の歴史も物語としてみることはできるが、実際に見ることはできない。僕たちはシミュレーション経験をしているのだ。そのシミュレーション経験としての意味がアクティビティにはあるのではないかと。

★≪置換≫は、レトリックに多様な種類があるのと同じように、多様なバリエーションがある。だからそれに応じてアクティビティも多様である。

★たぶん、神崎先生と僕とのこのような≪対話≫は、共通ベースがあると共訳可能性が大であるが、共通ベースがないとわかりにくい。共通ベースとは、「思考コード」「思考スキル」「置換のメタ機能」「U理論的自己変容」「システム思考」「ピアジェ―パパート―レズニック」「デューイ」「脱カント」・・・という言葉を巡る意味のデフォルトネットワーク。

★どうやって、手に入れるのか?それは神崎先生と≪対話≫をするときに、神崎先生の著書を読みながら行うと実感できる。

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神崎史彦先生と鈴木裕之先生との≪対話≫

★昨夕、GLICCで、超多忙な神崎史彦先生と鈴木裕之先生と≪対話≫ができた。21世紀型教育機構の各校の学びの質の進化を持続可能にするサポートをいっしょにしているので、≪対話≫のテーマはおのずと≪学びの魂≫の部分に集中した。

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★21世紀型教育機構のビジョンは、時代の精神を汲み取ったり、時代の要請に耳を傾けたりしながら、アップデートしていくから、忙中閑ありのタイミングを見つけては≪対話≫をしていく。

★僕たちは、みなそれぞれにPBLの現場を持っている。議論、対話、論文、プレゼン、学習する組織、クリティカル&クリエイティブシンキング、スピードデーティング、learning by makingなどのそれぞれのアクティビティデザインの経験から汲み取った独自のメソッドで展開している。

★僕たちが大事にしていることは、経験値を尊重しながら、そこからメソッドとして形式知化しては、アクティビティの中でその形式知を暗黙知に転換して経験値をさらにあげていくことだ。それと、自分たちのアクションが、形式知化されメソッドというメタ化されるわけだから、それが世界標準の水準に耐えられるかを確認し合う。そうしなければ、21世紀型教育機構の教育の質の進化のサポートはできない。

★それと、そもそも世界標準とは何かについて≪対話≫する。そうすると、経産省の未来の教室や文科省の大学入試改革の実態や学習指導要領改訂の目標が、世界標準に達していないことがわかるわけで、現状の日本の教育の枠組みの中で、葛藤を調整するだけでは、子供たちの未来をいまここで共有できない危機感を感じることもできる。

★僕たちは、日本の教育の内側にリアルに位置しつつも、外側にもメタ的にだけではなくリアルに反転できる可能性も考案しなくてはならないと。

★僕たちの≪対話≫は、神崎先生は白い帽子をかぶり、中立的に語り、鈴木先生は赤い帽子をかぶり、熱く語る。僕は年の功でダースベーダー役。つまりブラックハットをかぶる。しかしながら、最終的には、そしてみんなでイエローハットをかぶり、希望の光を見出す。あっ、それからみな経営的視点ははずせないから、みんなでグリーンハットをかぶり、クリエイティブなアイデアをいかに実現するかにシフトする。

★でも、多くの場合、時間がない。昨日のように5時間半も、ただただ≪対話≫をするのは珍しい。だから、イエローハットとグリーンハッとをかぶれないまま終わる時が多い。そのときは、モヤモヤ、ドキドキ、ムラムラが残る場合もあって、精神衛生上よくないという。ブラックハットは、責任がある。ごめんなさい。ちゃんと、イエロー&グリーンハットをかぶるところまで気遣うことも大切だと昨日は身に染みた。

★それにしても、このような≪対話≫ができるのは、神崎先生は、3部作を執筆しているし、鈴木先生は思考実験という著書をアレックス先生とジェームズ先生が執筆出版するときに編プロを行った。そして、お二人は、それぞれのセオリーを、自身の授業で展開している。

★神崎先生は、レゴを使いながら、レズニック→パパート→ピアジェと思想的にたどっているし、鈴木先生は、最近はデューイを、もちろん原書で、読み深めている。

★だから、お二人のセオリーの共通点と差異をファシリすることはおもしろい。その共通点と差異こそ学びの魂の可視化。ここから、新しいプログラムを創ることもできる。

★このプログラムは、日本の教育のリアルな内部にいながら、外部というポジショニングにワープすることもできる可能性が大である。外部とは世界なのであるが、リアルな世界のことだけを言っているわけでは、もちろんない。

★リアルな世界の背景にある世界性を含んでいる。ちょっとハイデガーやガダマーの存在論的解釈っぽくて、わかりにくいけど。

★そこは、また≪対話≫で現代化していけばよい。≪対話≫は続くというわけである。

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2019年8月19日 (月)

9月1日  ≪Z世代≫が開くグローバルな世界をシェアしよう!

9月1日(日)、静岡聖光学院で「第3回静岡国際シンポジウム」を開催します。テーマは、“Everyone can be talented.“です。今、中学1年生から高校3年生、つまり12歳から18歳までの生徒は、≪Z世代≫に属していると言われています。1995年から2012年までに生まれたこの≪Z世代≫は、なんといってもデジタルネイティブ。イノベーションによって生まれたPCやAIは、自動化から自律化していて、今までの世代とは全く違う知の感覚を有しています。

★にもかかわらず、今までと同じ学習観で、≪Z世代≫は「学習離れ」が進んでいると警鐘を鳴らす教育学者も現れています。知識はわからなければ、≪Z世代≫はスマホで調べればよいし、ゲームもeスポーツという流れでもあり、その≪遊び≫の概念はこれまでの世代とはどうやら価値観が違うようです。

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(自然科学部のメンバーがドローンで撮影。自分たちでつくっているビオトープを上空から俯瞰。災害時の救済のためにも役立てるように今からドローンを活用した技術開発をしているという)

★このような新しい世代のすべての行動が善であるかどうかではなく、新しい世代の学習観やものの見方感じ方を認めることが大切です。しかし、多くの学校ではそこに気づいていません。難関大学に向けて壁をクリアする挑戦をする学習が善で、入りやすい大学や入ってからあまりストレスのかからない大学を選択する行為は、もはや「学習」から降りていると表現されています。

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(左のフライヤーは、≪Z世代≫で設立しているSustainableGameに依頼した。同団体の代表は、聖学院の在校生でもあるYOUJINさん)

★価値観が多様な中で、自分にとって関心のある事柄を深く追求していくことが最重要な≪Z世代≫にあって、「学習」から降りているどころか、新しい領域を開拓して、新しい技術を発見したり発明して、世界の平和や民主主義に貢献しようというアクションを起こすことが、必ずしも難関大学に挑戦することと一致しない場合もあるし、古い学習観の日本の大学より、イノベーションと個々人のタレントを重視する海外の大学を選択しようという≪Z世代≫のアクションをもっと評価することが大切です。

★そういう新しい≪Z世代≫の息吹をさらにもっとトルネードにして、日本だけではなく、世界を巻き込む≪Z世代≫のソフトパワーを大いにサポートしているのが、静岡聖光学院です。

★静岡聖光学院の生徒は国内外の知的なイベントや国際交流で活躍するだけではなく、自分たちの手で、国際サミットを企画運営するアクションを起こしています。もちろん。静岡聖光学院の先生方もサポートしていますが、英語科教諭や情報の教諭でない場合、英語とICTに関しては、生徒と共に学びながら行っています。

★何せ、国際的な≪Z世代≫のネットワークです。しかもイギリスや東南アジアで交流している≪Z世代≫は、みな自分たちの国の未来を担うリーダーとして育っているわけです。静岡聖光学院の生徒は、そのようなネットワークを今からつなぎ信頼の絆を深めていっているのです。

★英語やICT、そして実はスポーツマンシップやアートをテクノロジーと融合するSTEAM技術も共通言語として活用されているのです。授業だけはなく、すべてのアクションはプロジェクト型で動いているのです。

★従来の授業感や学習観では、教師は≪Z世代≫をサポートできないことを、静岡聖光学院の教師は共に世界を飛び回りながら身に染みてわかっているのです。

★スモールサイズの学校だから、一握りの生徒や一握りの教師が行っているアクションではありません。全生徒全教師が一丸となって未来の世界を未来のリーダーたちといまここで創り上げようとしているのです。

★どうしたこんなことができるのでしょうか?どうしてこんな凄いことを行うのでしょうか?誰も見たことない教育が静岡聖光学院では生まれています。そして、東京でも、同じように≪Z世代≫がパワフルに活動するのを応援する学校があります。聖学院がそうです。今回の静岡国際シンポジウムに、聖学院の教師も駆けつけ、≪Z世代≫といっしょに創っていく≪学習≫や≪キャリアのロードマップ≫は何か、大いに語り合います。

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2019年8月18日 (日)

2019東京都私立学校展(5)PBLやアクティブラーニングで生徒の学びを変える学校が熱い!

★八王子で、ある意味行列ができる高校と言えば、聖パウロ学園。授業はPBLを中心とした≪対話≫がベースの授業が展開している。教師と生徒の信頼関係が、生徒の学びのモチベーションを高め、学び方を創り上げようという学習行動に進化していく学校だ。

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★先生方の笑顔が安心安全な学びの環境を生み出している。広報部長の望月先生(社会科教諭で、神話や民話、童話の背景にある歴史物語を生徒と発掘しながら授業を展開する)によると、都心の私立学校展がゆえに、ブースに立ち寄る受験生は少ないと思ったが、昨年の倍以上の方と対話ができたということだ。

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★同じように八王子に位置する工学院にも受験生と保護者が昨年以上に訪れた。PBL授業をベースにヨーロッパ、オセアニア、東南アジア、米国と多様な海外研修を繰り広げ、一方でSTEAMによるモノづくりの生徒の実績がメディアを騒がせている。News Picksに6ページもの記事が掲載される程のNew Power Shool。工学院大学の新宿キャンパスでも週1度ペースで高校インタークラスの英語による哲学授業や中国の授業が行われている。

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★アクティブラーニングの見学ができる学校と言えば、日本全国から注目を浴びているのは、かえつ有明。思考力入試の中でも、アクティブラーニング入試は、中学入試市場に大きなインパクトを与えた。帰国生からも大人気の世界が求める最も生徒がハートフルになれる学校。

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★そして、女子校でPBLといえば、和洋九段女子である。PBL入試の体験授業はいつも満席。PBL授業で、多角的な視点をもち、PBL型授業ベースのグローバル教育で世界的視野を身に着けて欲しいという進取の気性に富んだ保護者が今大注目している。

★2学期からは英語でPBL授業体験ができる英語入試対策授業も企画しているが、すでに申し込みは殺到している。PBL授業で、生徒が笑顔で真剣に思考に没頭し、高パフォーマンスでプレゼンする姿に、教師は感動しないではいられないという想いを持った教師がいつのまにか揃ったと中込校長先生は先生方に絶大なる信頼を寄せる。

★中込校長先生は、理科の教師で、多くの教科書も手掛けている。今理数探究の教科書をつくるプロジェクトのメンバーでもあるということだ。和洋九段女子のSTEAM教育のエッセンスづくりにもなるということだ。もちろん、授業は当然PBLでなければならないという。PBLの和洋九段女子。そういえば、経産省の「未来の教室」のキーコンセプトはPBLだ。

★時代が和洋九段女子に追いついてきたということだろう。

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2019東京都私立学校展(4)今回の私立学校展のパラダイム転換 海城がお手本の役割果たす。

★今回は、すでに述べたように、国際フォーラムが2020年東京パラリンピック・オリンピックのための工事のため使えない。そこでスペースが狭い科学技術館を活用せざるを得なった。しかし、そのデメリットをメリットに転換する創意工夫を考案したという。それは、私立中高協会の副会長長塚篤夫先生(順天学校長)によると、各校のブースは時によってはポスターセッションで説明できるようにブース内の掲示物を工夫しようということだったという。

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★まず今までとは違い、座って個人相談や学校の説明をすることができない。ブース内は3人というルールだが、実際には2人が限界。もし、たくさんの受験生と保護者の行列ができたときには、対応ができない。

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★そこで、多くの方々にポスターセッションで、教育の内容や結果のみならず、その学校で生徒がどのように学ぶのかまで説明しよということになったという。もちろん、受験生・保護者を3人の先生で対応できるのであれば、個別に対話をするのもありで、そこは臨機応変でよい。

★しかしながら、私立学校の教育は、やはり生徒の学びのプロセスがそれぞれの学校の独自のプログラムに沿って躍動するから、そこをプレゼンするには、生徒も慣れてるポスターセッションを教師も応用しようということだったようだ。

★ある意味、私立学校の広報の真髄を貫いた私立学校展になったのではないか。

★そして、ポスターセッションとしてお手本を披露したのは、海城の特別校長補佐中田先生だった。高偏差値の学校で、グローバル教育や授業でICTを活用しているNew Power Schoolの海城であるが、その仕掛け人が中田先生であることは広く知られていることである。

★やはり、こういうときに大活躍するのは、中田先生である。中田先生は、海外で実際に多くのビッグビジネスマンと会い、帰国生子女の説明をしてきた経験が豊富だし、海外でプレゼンする意味の重要性を身に染みて知っている実践家であると同時に教育の理論家である。

★時間があれば、多くの学校の若手先生方はそっと見学されたし。

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2019東京都私立学校展(3)渋谷―自由が丘―二子玉川―渋谷の東急プレミアムエリアが熱い!

★渋谷―自由が丘―二子玉川―渋谷は東急線と田園都市線で囲まれる東急プレミアムエリア(と東急電鉄が呼んでいるらしい)。三田国際が誕生した時と同じくして、楽天が二子玉川に本社移転してから、英語とICTは当たり前という雰囲気が流れているエリアである。実際にインターナショナルスクールもあったり、東南アジアの高度専門人材が、日本語を学んだりしているエリア。都立大にはケニア共和国大使館もあり、グローバルシチズンが多く居住するエリアでもある。

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★したがって、このプレミアムエリアでは、破格のグローバル教育や、グローバル教育の根底にあるダイアローグという意味での≪対話≫ベースの教育を行っている私立中高一貫校が多い。八雲学園は、2年前に共学化したが、そのときにRS(Round Square)という世界の私立学校のエスタブリッシュスクールのみが加盟しているコミュニティに加盟した。

★それらの私立学校は、当然グローバルシチズンシップを発揮した世界の民主主義と平和を目指す教育をし、なんといっても極限の社会貢献としての奉仕活動を行うプログラムを有している。何せ第二次世界大戦のファシズムに屈せず、極限のサバイブ経験をもつクルト・ハーンが呼び掛けたコミュニティで、日本からみていると想像もできないコミュニティの深い教育観が横たわっている。

★ケニアのRSに加盟している私立学校が研修旅行で東京に立ち寄ると、RS加盟校同士は、国際交流をするのに、電話一本、メール一本でつながってしまうから、八雲学園にも大使館を訪問した後に、立ち寄るという自然体の国際交流が行われる。毎月のように、世界のRS加盟校から交換留学生が訪れている。もちろん、受け入れたら、八雲学園から相手の加盟校に留学することができる。航空運賃や生活費はかかるが、基本あとはお金はかからない。互いにホームステイをする。

★よくあるエージェントが仲買する留学は、ホームステイはちゃんと費用をとるのが当たり前だが、RSの中での交換留学はそれはないのだ。八雲生が世界から自分の未来を見て、行き来しているというのが、自然な感じなのだ。そこは、今までのグローバル教育では味わえない大きな特色だろう。

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★そして、なんといっても、三田国際のブースに受験生・保護者が殺到していたのは、もはや年中行事化していて、このプレミアムエリアには、本当に進取の気性に富んだ保護者が多いのに驚かされる。

★このエリアには、SGH認定校の昭和女子大もあり、美術系のベースがあり、海城学園よりも先に取りいれたPAなどの対話をもとに自分の世界を深められるトキワ松もある。

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★岩崎家と松方家は親戚関係だが、その両家にゆかりのあるシスターが、私財をなげうって、戦後路頭に迷う子供たちを救うべく立ち上がってできたのが聖ドミニコ学園。一学年80人のスモールサイズがゆえに、質の高い教育が蓄積されてきた。そして今年から、インターコースをつくり、PBLやICTを埋め込んだ授業も展開し、13世紀にカトリック教会を救った聖ドミニコの≪対話≫を現代化した。再びドミコの精神を必要とする時代の激変がやってきたという使命感から教育のアップデートを行ったということだ。ドミニコ会の長い歴史の中で、たおえば、ルネサンス時代ユートピア都市構想を打ち出したのもドミニコ会士だったし、大航海時代の南米諸国をスペイン艦隊から救うべく殉教したのもドミニコ会士だ。

★なんといっても、カントもヘーゲルも、ハイデッガーも、あのマルクスでさえも乗り越えようとした西洋の哲学の基盤を創ったのもドミニコ会士だ。フランス革命をサポートした修道士の中にドミニコ会士もいた。もちろん、宗教改革の時にプロテスタント運動の波に撤退せざるを得ない地域もでたという歴史もあり、救済の歴史ばかりではない。何せ資本主義の萌芽はドミニコ修道会からという説があるくらいだから、光と影の歴史はあるものだ。ディベートの基礎もドミニコ会士がつくった。そこから中世以来の大学システムができていった。

★今回の改革で、ドミニコの精神を現代化することになれば、女子校として新たな光を放つことになろう。そもそも女子修道会の立ち上げをサポートしたのもドミニコ会だと言われているぐらいなのだ。

★東京都市大等々力は、五島慶太翁の精神を現代化し、その勢いは三田国際と競る勢いである。もともと英語教員を目指していた五島慶太。英語でサムエル・スマイルズの資本主義のベストセラー「自助論」を読んでしまったがために、大東急を形成するまでに自分のキャリアを変えてしまった。

★しかし、その晩年は宗教的精神と教育に回帰していく。アートと宗教的精神は、等々力から近い五島美術館に行けば味わえる。教育は東京都市大等々力にまさにある。

★このプレミアムエリアのすぐ延長上に洗足学園や森村学園がある。今回は東京都私立学校展だったから、参加していなかったが、当然、両校のグローバル教育が破格なのも言うまでもない。

★渋谷には渋谷教育学園渋谷もあり、等々力を支えている五島育英会の本体もある。エリアに光をあてるのは、そこに進取の気性に富んだ保護者がどれぐらい居住しているかという教育の新市場へのニーズがあるかどうかを判断するときに重要であろう。

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2019年8月17日 (土)

2019東京都私立学校展(2)北区と文京区が熱い!

★私立学校展の各校のブースはどこも熱いのだが、気になったのが、順天、聖学院、桜丘、成立学園、東洋大京北、駒込だ。最初の4校は、北区に位置し、あと2校は文京区に位置している。隣接エリアだから、このエリアで何かが起こっている。なぜ気になったのかというと、いずれも黒山の人だかりで、これらの学校に共通するところがあるが、そこがおもしろいからだ。

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(順天のブース、立席ということもあって、ポスターセッション型の相談会になっている)

★順天の学校長の長塚篤夫先生は、東京私立中高協会副校長で、吉田先生。平方先生とともに、文科省の高大接続改革以来の多様な分科会のワーキングメンバー。ワーキングメンバー全体のムードは、世界標準というより、公立学校の現場主義の雰囲気。今回の改革は、世界的な教育改革で、日本だけの問題ではないが、どうしても日本の官僚主導というかお上主導の教育行政の伝統が、世界から教育をみようろしない。

★そこで、理想と現実のギャップが生まれ、現実路線に合わせて大学入試改革は動きがちになるが、それをなんとか世界標準に近づけようと議論をしかけているのである。今の子供たちの未来である2040年を世界標準にしておくことは、今教育を担っている教師のミッションなのだという。

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(聖学院のものづくり思考力入試、M型思考力入試、難関思考力入試は、各メディアに注目されている。レゴを使うモノづくり入試や難関思考力入試は、新しい学びと評価され、塾からもワークショップの依頼が多い。)

★改革の中でも、長塚先生は、多面的評価について担当をししている。ルーブリックとeポートフォリオの流れの理想と現実の狭間で右顧左眄することなく踏ん張っているわけだが、出来るという信念がある。それはご自身の経営する学園である順天がそれを着々と実現しているからだ。

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(桜丘は高橋知仁校長自らが、リーダーシップ研修でファシリテーターを行ってしまうほどアクティブ。そのスマイルが、学内のチームワークをつくる秘訣である)

★私立学校と公立学校の行政上の違い、経営上の違いはあっても、多面的評価やポートフォリオの重要性は同じであると。

★この流れを、不思議なことに、先に挙げた北区と文京区の学校は、以心伝心よろしく実践している。多面的評価をしているかどうかは、入試要項を見ればわかる。2科4科の入試以外に、思考力入試やプログラミング入試、自己アピール入試など、適性検査型入試以外に深い学びができる入試を設定しているのだ。

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(駒込のプログラミング入試は、時代の先端をいく。今月の体験会もすでに満席だと聞き及ぶ)

★これは、4科主義の大手塾やそこをサポートする教育シンクタンクが「謎の入試」と呼んでいて、偏差値で評価できない入試をやっているのはいかがなものかと指摘しているのだが、惑わされずに思い切って実施しているのである。

★そして、その「謎の入試」を体験した生徒の中から、類まれな才能を発揮するのみならず、教科の学力も伸ばすことになるという事態が発生している。

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(東洋大京北の人気が絶大なのは了解済みであるが、私学展でも同様であった。哲学入試が人気ということは、やはり時代の希望は自分で深く考える構えが必要だと実感されているということを示唆している可能性大)

★長塚先生は、偏差値も多面的な評価の1つとして認め、それ以外にも多様な基準があってよいと。そのためにはルーブリックやポートフォリオが必要なのは、世界の教育のある意味常識だと、海外の教育のフィールドワークやリサーチを通して、確信している。首都圏模試センターや各学校で独自の展開をしている「思考コード」という考え方も高く評価し、ルーブリックが具体化拡散に展開してしまうのを、メタルーブリック的に俯瞰する思考コード。とくに、そこにコンピテンシー軸が入っていることに、興味と関心が高い。

★この新しい教育に対するものの見方・考え方が、北区・文京区に広がっている。この雰囲気が先の6校に共通しているところがおもしろい。進取の気性に富んだ保護者が、北区・文京区にたくさんいるということでもあろう。

 

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