2026年4月21日 (火)

2027年中学入試の動き(05)リベラルアーツ型グローバル教育は学校選択のシンプルな3つのポイントを鷲づかみ!

★現在グローバル教育を行っていない私立学校はないと言っても過言ではないでしょう。とはいえ、グローバル教育といってもいろいろあります。英検準1級以上を目標にする高度な英語教育を行っている学校も、海外研修や留学の多様なプログラムを用意しています。海外大学進学を目標にしている学校も、同様です。

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(copilot作成)

★しかし、それらのグローバル教育は、必ずしも、学校全体やどのクラスの運営もチームをつくっていくマインドやスキルを身につけるプログラムを用意しているとは限りません。英検資格をベースにする英語教育や海外大学合格実績を出す学校は、その目標を達成しようという個人の生徒をトレーニングしていくだけでも十分だからです。

★ところが、全学的にリベララルアーツ教育をベースにし、CEFR基準でいうC1英語を目指したり、リベラルアーツ教育の基本はダイアローグベースの学びです。当然海外大学合格実績も出ます。

★B2英語とC1英語の教育では、前者が受験英語レベルなのに対し、C1英語は大学のゼミでディスカッションができるレベルですから、高次思考力が必要です。リベラルアーツ教育はC1言語の力は最低必要です。

★したがって、リベラルアーツとグローバル教育を行っていると世界で活躍するリーダーシップが育まれ、結果的に海外大学も合格します。するとやはり、学校選択の次のシンプルな3つのポイントを備えているということになります。

 ①学校経営や学級運営のチーム力
②生徒1人ひとりの才能を引き出す教師力
③生徒1人ひとりが自分で自らの最高の学び方を発見しアップデートし続ける能力を身に着ける学びのメカニズムが学校全体で作られている。

★リベラルアーツ型グローバル教育を行っているところは、八雲学園、富士見丘、文大杉並、工学院、和洋九段女子、広尾学園、洗足学園、大妻中野、昭和女子大学附属、成蹊などです。

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2027年中学入試の動き(04)PBLは学校選択のシンプルな3つのポイントを鷲づかみ!

★今やPBL(プロジェクト型学習)はどこの学校でも行われています。呼び方は、Project based Learningとか、Problem based LearningとかInquiry based Learningとか、Active Learningとかiいろいろあり、それぞれが特徴がありますが、学者によってその違いは諸説ありというところでしょう。ただ、共通点はあります。

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(copilot作成)

★教師が一方的に知識を教える「受動的な学習」に対し、学習者が主体的に関わる深い学びであるということでしょう。これは4つの特徴があります。

➊学習者中心: 教師は指導者ではなく、コーチやファシリテーターの役割を果たす。
➋実社会との繋がり: 知識の丸暗記ではなく、実世界で役立つ課題や問題に取り組む。
❸解決能力の育成: 正解が一つではない課題に対し、自ら探究し、解決策を見出す力を養う。
➍協働学習: グループワークを通じてチームワークや対話力を高める。

★しかし、これは学びの方法的側面で、このPBLに代表されるような学びをどの教科の授業でも行った場合、次の3つが生まれてきます。

①学校経営や学級運営のチーム力
②生徒1人ひとりの才能を引き出す教師力
③生徒1人ひとりが自分で自らの最高の学び方を発見しアップデートし続ける能力を身に着ける学びのメカニズムが学校全体で作られている。

★まさに、学校選択のシンプルな3ポイントを鷲づかみするのです。

★大事なことは、探究という授業だけで行われていると、それは探究の方法論として使われる域を出ないということです。ですから、PBLのような探究を行っているというだけでは、学校選択のシンプルな3つのポイントは生まれない可能性は高いのです。

★PBLを各教科の授業で実施ている学校は、このシンプルな3つのポイントを生み出している可能性大です。 

★PBLを教科の授業で全学的に実施している学校といえば、富士見丘、八雲学園、和洋九段女子、文大杉並、サレジアン国際グループ、三田国際科学学園でしょう。

★そしてIBLとPBLの両方を全学的に行っている学校といえば、工学院大学附属です。

★このような学校は、チーム力×教師力×生徒力が日々豊かになっています。

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2026年4月20日 (月)

2027年中学入試の動き(03)学校選択のシンプルな3つのポイント

★受験生・保護者にとって、いよいよ2027年の私立中学の選択リサーチが始まりました。校風や交通の便、偏差値、大学合格実績、面倒見などなどこれらの選択ポイントは変わりません。

★また、グローバル教育やSTEAM教育、探究が行われているかも大切でしょう。

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★しかし、最もシンプルで大切なポイントは、結局次の3つです。


①学校経営や学級運営のチーム力
②生徒1人ひとりの才能を引き出す教師力
③生徒1人ひとりが自分で自らの最高の学び方を発見しアップデートし続ける能力を身に着ける学びのメカニズムが学校全体で作られているか。

★特に③の生徒が自分で自分の最高の学び方を創造する内的エンジンについて学校も生徒自身も言語化しているかどうかはAI時代だからこそ最重要です。

★いずにれしても、このシンプルな3つを知るには、これもまたシンプルに学校説明会などリアルな学校の姿を見に行かなくてはなりません。ただ、すべて行くことは適いません。多様な学校情報やサイト、SNSをみて、絞り込むことは必要でしょう。その時、判断基準として、やはり、受験生・保護者は、上記のシンプルな3ポイントに対する考え方や価値観を見つめなおしておくことは重要ですね。

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2026年4月19日 (日)

2027年中学入試の動き(02)ONEテストと夢限大のコラボアクション

★3月から首都圏模試はONETESと名称を変更して新年度の活動の準備をしていました。そして、本日19日(日)、小6第1回「合格ONEテスト」を実施しました。しかも、その模試会場のひとつである立正大学品川キャンパスでは、私立中学合同相談会「夢限大」イベントも開催したのです。

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★「夢限大」は、ONETES模試と私学のコラボイベントです。そのほか(株)声の教育社をはじめ3社も協力しています。同イベントは大盛況だったとのことです。

★かつては、偏差値と大学進学実績で学校選択が行われてきましたが、今では、受験生一人ひとりの才能とその学校の教育の在り方のベストマッチングを求める傾向が強くなってきました。

★ですから、ONETESのような受験生の才能を見出す模試の結果と対話によってイメージしたそれぞれの学校の教育内容を照らし合わせる丁寧な学校選択リサーチが必要です。

★偏差値も高く大学進学実績もよいという学校の教育に合う生徒もいます。偏差値は高いけれど必ずしもその偏差値からイメージする大学合格実績が出ていないという学校に合う生徒もいます。偏差値は高くないけれど大学合格実績はよいという、入学後生徒の力が伸びる学校が合うという生徒もいます。偏差値も大学実績も今はそれほど高くないけれど、6年後期待が持てる教育環境をデザインしている学校が合うという生徒もいます。

★脱偏差値とよく言われるのですが、偏差値とリアルの一致やズレを洞察することによって、ベストマッチングを見出す確率は高いのです。要は偏差値とほかの情報と関係づけてどう分析するかが重要なのです。ある意味、データサイエンス的な発想が必要です。これは実は保護者が生成AIを巧みに使うことによって意外とできてしまうことでもあります。

★ただし、これは中学入試だけの話かもしれません。というのも、首都圏の中学受験生の数は、全国の小学6年生の3%くらいだからです。実は中学受験の偏差値は、高校入試や大学入試の偏差値とは全く次元の異なるものなのです。

★異次元というのは、中学受験をする生徒の潜在的能力は計り知れないということを意味します。その中での比較の数値に過ぎないのが中学受験の偏差値です。しかも、一般の偏差値は思考コードでいえば、生徒の多様な才能の40%ぐらいしか測れていないのです。残りの60%の才能は測れないままなのです。ところが、そのまだ見えない才能を私立中高一貫校の6年間で十分開花でます。

★もちろん、中学受験をしない子供たちも潜在的才能を持っていますが、それを開花する教育があることに気づいていないのです。それで、偏差値で測れる40%の才能の枠の中の競争に押しこめられ、その子供が本来持っている才能が60%の領域にあるのに、気づかないまま大人になってしまうのです。

★とはいえ、大人になって一期一会の幸運に巡りあえ、遅咲きということもあります。

★中学受験は、才能開花の確率を上げるための構想の一つです。その構想を活用するかどうかは私事の自己決定です。

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2027年中学入試の動き(01)八雲学園 第1回説明会満席

★今年も中学入試に向け各私学が動き始めました。昨日18日(土)、八雲学園は第1回学校説明会を開催しました。13日(月)にはすでに満席になっていますから、今年も注目されています。4月新年度を迎え、どこの私立学校も入学式、始業式、オリエンテーションなど目白押しですが、3週目からは、八雲学園のように来年度の中学の入学生のための説明会がスタートしています。

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★もちろん、授業及び部活などの教育活動の歩みが止まることはありませんから、私立学校の教師というのは、本当に生徒それぞれの才能を開くのに大活躍の毎日です。八雲学園も同様で、たとえば、つい先日、高校空手道部は全国選抜大会団体形3連覇、 個人形3位の成果を出しています。団体形では、部員一人ひとりの思いが一丸となる必要があります。そして、一人ひとりの精神力と技術力を日々磨き上げる努力は欠かせまません。

★同学園のバスケット部も強いのですが、やはり同じようにチーム力と個人の力量をトレーニングしています。この部活の学びは、八雲学園の教科の学びや探究、グローバルプログラム、文化祭、体育祭、合唱コンクール等すべてにおいても同じ構造になっています。

★このチーム力と個人のスキルとマインドを高めていく学びの構造は、どの分野においても成果が伴っています。

★どの分野でも同じように成果を出すということは、生徒の努力によるものですが、やはり八雲学園の学校全体で取り組んでいる教育の総合力があってこそなのです。

★先日BSテレ東「THE名門校」で、八雲学園が海外大学合格実績62名を出す理由についてドキュメンタリーが放映されていましたが、それはすべての教育活動で、チーム力と個人のスキルとマインドを高める教育の総合力があるからでしょう。もちろん、国内の大学合格実績も飛躍しています。

★そして、さらにそのスキルとマインドを生み出す生徒1人ひとりが自分で身に着ける「最高の学び方」があります。詳細は、説明会で紹介されています。

★2027年の私立学校選択は、「生徒のチーム力と個人の力量の合力の成果」とそれを生み出す「徒1人ひとりが、身に着ける<最高の学び方>」がきちんと説明されている学校であるかどうかがカギになるでしょう。

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2026年4月17日 (金)

これからの大学と高校をつなぐ学びのOS 凍てついた思考の壁を溶かす

★縁あって、一般社団法人 高等教育計画経営研究所セミナー「高校生・社会とをつなぐ、つながる――大学発信コンテンツの深化とメディア戦略」の登壇者の一人としてスピーチをすることになりました。高校側も新しい大学の動向をあまりしらない可能性があるし、大学側も高校の新しい動向をあまりしらない可能性があります。というのも、大手メディアの扱う情報は、高校や大学全体を見渡すものではなく、むしろ偏っている場合が少なくないからです。学歴社会の構造の中で編集されているので、当然です。それでなければ今までは売れなかったからということもあります。

★一方で、その霧を晴らす努力がもしかしたら、多くの大学でなされてこなかった、むしろその霧を受け入れていたのかもしれません。ところが、その霧を晴らす動きをする大学(私の幾人かの知人がそれぞれ3つの大学で教えているというかマネジメントしているのですが、いずれも中高の現場で活躍していた先生方です)が現れてきてもいます。その霧に飲み込まれて閉じてしまった大学もあればそうでない大学もあります。そんなことを思いながら、次のようなコンセプトに基づいて、これからの高校と大学のマッチングのメカニズムや構造について、拙いのですが情報分析をしながら話をさせていただこうと思っています。

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★次のコンセプトをGoogleNotebookLMで表現しました。次の文章とぴったり一致はしませんが、わかりやすいことはわかりやすいです。さて、コンセプトは次の通りです。

近年、偏差値が高くなくても、定員を安定して満たしている大学が現れています。これらの大学に共通しているのが、教養教育やリベラルアーツ、哲学的思考を重視する姿勢です。これは単なる付加価値づくりではなく、AI時代における「価値ある学び」の構造変化を敏感に捉えた結果だと言えます。

まず、従来の「知識を組み合わせて答えを出す思考」は急速に陳腐化しています。かつてはAとBの知識を論理的に結びつける力が評価されていましたが、この領域は今やAIが最も得意とする部分です。過去の事例を調べて整理し、定型的なロジックでまとめる作業はAIが代替できます。人間に残る価値は、AIが提示した複数の選択肢の中から、最適で倫理的な判断を下す力へと移行しています。

また、学校教育が重視してきた「正解に速く到達する思考」も価値を失いつつあります。検索技術やAIの発達により、正解を効率よく見つけるだけの力は差別化になりません。むしろ重要なのは、「そもそも何が問題なのか」を定義する力、つまり問いを立てる思考です。しかし、問いを立てる力そのものも、個人の中に閉じていれば陳腐化します。

そこで重要になるのが、互いの問いをぶつけ合い、新たな視点を生み出す「対話の組織力」です。対話には、変化への恐れやプライドといった“凍てついた壁”を溶かす力があります。人は本来、変わることに抵抗しがちですが、他者との対話を通じて自分の前提が揺さぶられ、思考の硬直がほぐれていきます。この「溶解のプロセス」こそが、対話のイノベーションの核心です。固定化した思考が溶けることで、新しい問いが生まれ、創造性が解き放たれます。もっともこの「溶解のプロセス」は並大抵のものではなくて、経験上3年くらいかかります。全く溶けないこともあり、諦めてしまうこともたびたびです。

しかし、この対話というメタOSは、ビジネスやマーケティング、研究の現場で直接的な価値を生み出します。何度もチャレンジしたくなるものです。顧客の潜在ニーズを発見するマーケティングは「問いの再定義」そのものであり、研究開発は「異なる視点の衝突」からイノベーションが生まれます。つまり、対話を通じて新しい問いを生み出す力は、そのまま価値創造の源泉になるのです。魅力があるのです!

大学が本当に提供すべき価値は、このメタOSを学生自身がアップデートし続けられる学び方を見つけ出せる環境づくりにあります。プログラムはその一部に過ぎず、学生が自ら学びの構造をデザインできるような組織文化こそが問われています。

さらに、このような学びはすでに中高段階で始まっています。海外大学への進学実績が高い中高では、探究学習や対話型授業を通じて、問いを立て合い、互いの思考を溶かし合う文化が育っています。こうした生徒たちは、大学にも同じレベルの対話的学習環境を求めます。そのため、大学側がメタOSを育てる学びの環境を整えれば、中高と大学の間に新たなマッチングが生まれ、偏差値に依存しない魅力が形成されていくのです。というより、結果的に両者の偏差値は上がってしまいます。

それはともかく、技術が進化し手段が溢れる時代だからこそ、「私たちは何のためにそれを使うのか」という本質的な思考と、それを他者と共に磨き続ける対話のイノベーション力が求められています。教養・哲学を重視する大学が今後ますます支持されるようになるでしょう。

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2026年4月 6日 (月)

御三家人気は健在の意味 VLL (Value Line of Learning)

★4月1日のYahooニュースで、<《2026年中学入試》麻布中学の志願者減少は“御三家離れ”の象徴なのか? それでもなお「御三家人気は健在」と言える根拠>という記事が掲載されています。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』を出版しているノンフィクションライター・杉浦由美子さんのレポートです。

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★SAPIXやONETES(旧首都圏模試)のインタビュー及びデータなどの情報を活用して記事が書かれているので、麻布という学校の教育がコンセプトの違う受験市場形成者にどう見えているかがわかります。また私もリスペクトしている中学受験専門の国語塾PREXの渋田隆之塾長のインタビューもしていて、現在の塾の受験指導の傾向が昔(私の時代)と変わったということも実感どおりでした。

★内容については杉浦さんの記事や上記写真の本を読んでください。なんだかんだといって偏差値をベースにしているので、新しい見方と従来の見方が交差しています。それゆえ、どう読むかは読者次第ですが、マーケティング戦略としては、どの価値志向の読者にも読めるようになっているのが凄いですね。

★だから、偏差値という知識の出し入れの能力を是とする立場だけではなく、生徒1人ひとりの才能と生き方というBeing(最近こういう言う方がされていますね。特にAI時代はDoingからBeingだと。定義問題なのでキャッチコピーとして理解しています。本質は両方の循環が大事です)を是とする立場にも視野が広まっている受験情報を流しているライターが現れたのは大歓迎です。

★今までは、ONETESの取締役の北一成さんだけが奮闘していましたが、北さんに続く編集者が現れてくることは私にとっては歓迎です。

★さて、麻布に関してですが、人気は不動です。ですが、この人気については、私は麻布のような「青年即未来」という創設者江原素六の生きざまそのものを継承している教育は、日本の歴史において極めて重要で、もし麻布の人気がなくなったときは、日本の歴史が全く違うものになっていると考えています。それほど麻布の人気は歴史のバロメーターですね。

★麻布の歴史は、官学の系譜と私学の系譜をどう考えるかということですが、表面的には気づかれないディープな日本の近代史の本質がそこにはあります。もっとも、こんなことは受験市場にとっては関心がないので、マーケティング的にはどうでもよいことかもしれません。しかし、クリスマスという市場があることによって、その根っこにキリスト教という本質があることが気づかれなくなってもそれが「ある」ということは変わりはないわけです。

★それと同じで、麻布が人気である市場が継続されることは、私学の系譜の第一世代の一人である江原素六の気概が継承され続けるということですからクリスマス市場と同じように重要なのです。江原素六の発想は、戦後教育基本法に受け継がれています。同法が改正されるときに、その精神が崩されそうになったため、東京私立中学高等学校協会、つまり東京の私学人は一丸となって、その精神の継承を守る言論を展開しました。

★その戦後教育基本法を成立させた座長のお孫さんが、当時の麻布の氷上校長で、氷上先生も機会があるたびに論じました。私はその講演で、当時の共立女子の渡辺校長と同席し、講演後氷上先生と対話をしました。そのときから「私学の系譜」というフレーズを使い、その視点で私学の建学の精神をみてきました。

★ところで、受験市場のマーケットという角度から麻布の人気をみると、私学の系譜とは全く違う様相になっています。まず、2015年以前は、偏差値ピラミッドで学校選択は行われざるを得ませんでした。知識ベースのテストの結果が偏差値です。ですからそのマーケットで偏差値55でも、麻布型の思考力の素養がある生徒は、そこは偏差値では測れませんでしたから、塾の指導によって確かに合格していきました。

★しかし、2015年から、麻布ならではの思考力型問題とはまた違うどちらかという英米哲学ベースの思考力入試という新タイプ入試が、偏差値にかかわらず多くの学校で実施されるようになりました。今では20%市場です。そして、東大には、共通テストという基礎学力という名の日本的試験が壁になって、才能豊かな生徒がチャレンジできなかったのが、そのような生徒が英語で思考することができるようになるカリキュラムのある学校から東大以上の世界大学ランキングの海外大学に入るようになったため、偏差値55の生徒が麻布にいかなくても満足できるようなってきたのです。

★つまり、中学受験市場が100%偏差値競争主義から、25%は偏差値競争主義+75%才能開花主義という整理がされるようになってきたわけです。かつては、その75%の層から、麻布を受けていたのですが、それがなくなりました。そしてもともと御三家を対象とする市場は25%だったのです。ですから、その25%、つまり首都圏の受験生12500人が御三家市場規模だったのですが、それが明白になったというわけです。それゆえ、この12500人の中で、人気があるないという話ですね。

★ところが、首都圏中学受験の人数50000人というのは、ざっくり今の日本の小学6年生の人口を100万人とすると5%シェアです。大学受験や高校受験の偏差値と意味が全く違います。

★この5万人は、実に才能者です。本当のことを言えば、子どもはみな才能者なのですが、そのことに意識を集中させている家庭層がこの5%です。今や御三家にいかなくても才能開花は十分に可能です。このことはもちろん2015年前からわかっていたことですが、実績という目に見えるものに魅力を感じがちなのは世の常です。

★ですから、世界大学ランキングの海外大学に50人も入るという実績を見て、やっとその学校の教育の内容の質に気づくというのが、最近の傾向なのです。

★この25%と75%の境目を「学びの価値ライン=Value Line of Learning=VLL」と呼びましょうか。VLLがあるおかげで、それぞれの価値領域で才能開花を行えるようになったわけです。メリトクラシーとビーイングという違いはあるけれど、それがよいわけです。価値意識は違う才能者があふれることくらい世の平和はありません。偏向主義からフラットにしていく運動は、まあ自然の成り行きではありましょう。

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2026年4月 5日 (日)

私立学校の数学の先生方の研修 世界は数学でできている 圏論

3月24日・25日、小田原で私立学校の先生方が20名強集まって、研修を行いました。東京私学教育研究所の数学の委員の先生方が研修のプログラムを練り上げ、講師の方とワークショップの形式で2日間情熱とワクワクが交差する研修でした。しかもワークショップのファシリテーターは委員の私学の先生方が協力して行っていました。

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★数学の委員の先生方による小田原の研修は3年目です。昨年までは、数学という授業の中で社会課題とどう結びつけるのかをテーマに行ってきました。その点は今年も変わらないのですが、生徒が一見数学の対象とは思わないものを数学の世界で捉えていくという点では、必ずしも社会課題にこだわる必要はなく、身近な素材を使って授業開きを行ったり、単元の終わりで数学の世界に引き込む心を揺さぶる授業づくりのWSを参加した私学の先生方と2セットも行いました。

★数学に対しては門外漢の私ですが、数学の先生方だけが集って議論していると、みなが数学の眼鏡を通して世界を理解しているということが伝わってきて、感動的でした。

★生成AIで金融ゲームのアプリを作って数列に結び付けたり、席替えをある条件になる確率を考えて行う授業、小学生から高校にかけて微積の概念を理解していく授業、スマホなど三角関数があるから成り立つことなど、いろいろな発想があったわけです。数学の眼鏡で世界を把握する数学の先生方の対話は、熱量が半端なかったですね。

★そして、終了後数日たって、日本経済新聞に「世界は数学でできている」シリーズが連載されるようになって、まさに研修で行ったことはこれではないかと驚きました。

★特に本日の「圏論」の話は、まさに先生方はこのスリリングな結びつきを行っていたのだと納得。圏論は「もの」と「それを変える動き」をセットで考える数学です。

★私たちはふだん、ゲームの例えや身近な話を使って、あることを別のことにたとえることがあります。これは実は、内容が違っても同じ形の関係を見つけるという、圏論の考え方ととてもよく似ているというわけです。たとえばゲームでは、キャラクターの状態変化(小さいマリオ→スーパー)も、武器の進化(木の剣→鉄の剣)も、どちらも「A→B」という同じ形をしています。

★圏論は、この“形の似た関係”を見つけて整理する数学です。つまり、私たちが自然に使っているアナロジーやメタファーの背景には、圏論的な見方がひそんでいるのです。

★圏論という言葉では、ちょっとイメージしにくいですが、英語で言うと「カテゴリー・セオリー」です。ワークショップやPBL、探究などはじめはポストイットでアイデアを出し合っていきますが、そのあとはカテゴリー分けをしていきますよね。クラスター分析とまではいかないけれど、大量な要素を統合して、論点や問題を明快にしていきます。これはおそらく圏論という数学的世界が背景にあるということですね。

★数学が嫌いだから数学をとらずに私立文系に行きますという生徒も、このカテゴリー分けは実に巧みに使っています。ちゃんと数学の世界で生きているわけです。どうやら、数学の世界とは何か、生徒はしらないので、食わず嫌いということもあるのでしょう。このような情報の非対称性を解消していくことが、日本のイノベーション経済や制度作りにきっと貢献していくでしょう。

★研修で出会った数学の教師の皆さんの活躍がレバレッジポイントになるかもしれません。

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2026年4月 4日 (土)

湘南白百合の魅力の発信のすばらしさ 3年連続DXハイスクール採択校 

今年4月1日、文部科学省は、3年目のDXハイスクール採択校を公表しました。文科省は次のように発進しています。

「令和8年度高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校をお知らせします。
令和8年度高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金(高等学校 DX 加速化推進事業)について、1,249校を採択校として決定しましたのでお知らせします。
1. 事業の概要
本事業は高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成の抜本的強化を図るため、情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICT を活用した文理横断的・探究的な学びを強化する学校などに対して、必要な環境整備の経費を支援するものです。

令和8年度高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金(高等学校DX加速化推進事業)については、令和8年1月21日~令和8年2月27日まで申請を受け付け、採択校として1,249校を決定しました。
2. 採択結果
1,249校(公立920校、私立329校)
うち重点類型80校
グローバル型20校
特色化・魅力化型10校
プロフェッショナル型50校(うち半導体重点枠10校)

★ということですが、このDXハイスクールへの挑戦がどれほど重要かあまり明快には公表されていません。凄いことだけはわかりますが、1249校がそれぞれ独自のDX教育観をプランしてその成果をあげているから採択という成果にいたっています。その独自のDX教育観がわかれば、その学校の魅力がより伝わるはずです。もちろん、文科省は各校の魅力を発信する立場にないのですから、各校が魅力を発信すればよいのです。どうやって?

★そのロールモデルは、湘南白百合です。ます採択されたことをすぐにホームページの新着情報で発信します。そして、広報部長自らが、関係各所にメールでお知らせをするわけです。しかも、ホームページで語られていること以上のスパイス情報を載せて発信します。同校の教頭で広報部長の水尾先生は次のように発進しています。

この度、本校は文部科学省が推進する「DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)」に、3年連続で認定されましたことをご報告いたします。

■ 学びを加速させる「クリエイティブスペース」の活用
認定2年目となった昨年度には、生徒たちの「やりたい」を形にする拠点として、校内に「クリエイティブスペース」を新設いたしました。
ここには、高度な映像編集やプログラミングを可能にするハイスペックPCに加え、自身のアイデアを立体化できる3Dプリンターを完備。生徒が自由な発想を具現化する光景が見られるようになりました。

■ さらに進化するICT教育環境
今年度からは、新たにVRゴーグルなどの先端機器を順次、授業にも導入いたします。これにより、従来の情報の授業に留まらず、探究活動においても「仮想空間でのシミュレーション」や「没入型のプレゼンテーション」など、より高度で実践的な学びを展開してまいります。

本校が目指すのは、単に機器を使いこなすことではありません。ICTを「道具」として自由自在に操り、自らの手で新しい価値を創り出せる、そんな真の情報活用能力を育むことです。今後もハード・ソフトの両面から教育環境をさらに拡充し、次世代を担う生徒たちの可能性を最大限に引き出す教育を推進してまいります。

★生徒の成長の変化やソフトパワー重視の教育コンセプトなど、公式サイトでは述べられていないことが加えられています。公式サイトはファクトベースの記述であり、それに教師としての眼差しと教頭としてのビジョンを加えるという発信が水尾先生ならではの「感動喚起表現」なのです。

★このような独自の魅力を各校が発信していけば、いかに私立学校というのは、偏差値や学歴のような競争を求めるのではなく、生徒のウェルビーイングをいまここで、そして未来に生み出していくかが広まるでしょう。もちろん、受験市場が偏差値や学歴を追求するのはマーケットの話ですから大いに行ってほしいのです。市場の中でプレイヤーが何を選択するかはあくまで私事の自己決定です。

★ですから、構わないのです。ただ、学校は偏差値や学歴情報だけで成立しているわけではないのです。ところが、私立学校が自ら自分たちの独自の魅力を発信しないと、マーケットにおいて、情報の非対称性がおこり、偏った情報で選択せざるを得なくなります。水尾先生のように正しき情報をマーケットに発信するまさにソフトパワーはこれから私立学校にとってますます重要になってくるでしょう。

★それから、首都圏の私立学校の採択数ですが、1249校採択された中で、418校です。6.8%シェアですから、たしかに凄いチャレンジだったわけです。

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★神奈川の採択校は13校です。採択された学校すべての1.2%です。湘南白百合がいかに情熱的に取り組んでいるかということが数字上でもわかりますね。

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2026年4月 3日 (金)

2027年に向けて躍動する学校(01)AからBへではなく、A∞Bの循環というコンセプト

1.「3Rから3Xへ」は出発点であって、ゴールではありません

2011年に20世紀型教育から21世紀型教育にシフトすることを表明した時、私自身も、当時のMITメディアラボのシーモア・パパート教授に倣って「3Rから3Xへ」という表現を使いました。教育のパラダイムシフトをわかりやすく伝えるためのレトリックとしてです。Reading(読み)・Writing(書き)・Arithmetic(算術)を中心とした20世紀型の知識習得教育から、Explore(探究)・Exchange(対話・交流)・Express(表現)を核とする21世紀型の学びへ──この言葉は、その転換を端的に示すものとして機能したと思います。

しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。この「シフト」を「3Rを捨てて3Xに乗り換える」と読むなら、それは本質を見誤ることになります。そして、実際にこのような極端なことをいう方が現場で現れました。また3Rが大事だ、いや3Xだとかいう議論も今も続いています。

21世紀型教育を3Rから3Xへではなくて・・・・といったところで、伝わらないので、22世紀型教育ではどうかというカタチで語ることにしたいと思います。するとそれは、3Rと3Xが互いを補い合いながら循環し続けることであり、この循環こそが、人間の学びをより深く、より豊かにする源泉なのですと。

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3R Reading / Writing / Arithmetic (知識の習得・処理・再現) Doing ⇄ 3X Explore / Exchange / Express (探究・対話・表現) Being この二つは対立するものではなく、互いを深め合うサイクルなのです。

2.循環とはどういうことか

たとえばこういう場面を想像してみてください。子どもが「なぜ川の水は海に流れるのに、海は溢れないのだろう?」という問いを持ったとします(Explore)。その答えを調べようとするとき、文章を読み(Reading)、データを読み解き(Arithmetic)、その結果を誰かに伝えるために言葉を選んで書きます(Writing)。そしてその成果を他者に語り(Exchange)、図や文章として表現します(Express)。

この学びの過程で、3Rは手段として生き生きと機能しています。そして3Xは、その3Rに意味と方向性を与えています。どちらかが欠ければ、学びは浅くなります。両者が循環することによって、知識は「使える力」へと変容するのです。これが、22世紀型教育における「循環」の意味です。

3.DoingとBeingもまた、循環する

同じことは、DoingとBeingの関係にも当てはまります。
「Doing(何をするか・何ができるか)」と「Being(いかにあるか・何者であるか)」は、しばしば対立的に語られます。しかし本来、この二つは別々に存在するものではありません。

Doingを深めることで、人は自分の「できること」を知ります。できることが増えると、「自分はどんな人間になりたいのか」「何のために学ぶのか」というBeingの問いが生まれます。そのBeingの問いが、次のDoingをより意味のあるものにします。この往復運動こそが、成長の本質です。

たとえばAIが「Doing」のほとんどを代替できる時代になったとしても、「何のためにその力を使うのか」「自分はどのような存在として世界と関わるのか」というBeingの問いは、依然として人間にしかできない問いです。そして、その問いに向き合い続けるためにも、具体的なDoingの経験が必要です。

4.「循環する学び」が22世紀型教育の本質です

まとめると、次のように言えます。

「3Rから3Xへ」は、覚えやすく伝えやすいスローガンです。
しかし、22世紀型教育の本質は、3Rと3Xが循環することにあります。
DoingとBeingも同様に、どちらかがあ重要なのではありません。
この循環を繰り返しながら、人は深く、しなやかに成長し続けることができるのです。

変化の激しい時代において、知識を持つことは依然として大切です。同時に、その知識をいかに問い・対話し・表現するかも不可欠です。Doingの力がBeingを豊かにし、Beingの深さがDoingに意味を与える──このダイナミクスの中にこそ、これからの教育の姿があります。

5.とはいえこのビジョンだけでは教育の現場は変わらない

とはいえ、このようなことは、21世紀だろうが22世紀だろうが、実施している教師はいるのです。重要なことは、現場で、このビジョンを実現するための授業のメカニズムと思考のメカニズムと学び方のメカニズムの整理と融合なのです。これは20世紀型教育は明快でした。記憶のメカニズムは脳科学的にもわかりやすいものでした。授業は記憶の環境づくりであり、思考は記憶を促進する創意工夫であり、学び方は記憶の習慣化と直結していました。

ところが、3Xは、作法のプロセスで、そこで起きているメカニズムははっきりしないのです。しかもプロセスも人によって違い、メカニズムの可視化などまだまだできません。そこで生成AIを使い、reflection in actionのメカニズムをリサーチしていくという段階に入りました。ここの話は、仲間の先生方と話して、まだまだ広くは伝わらないだろうと。もちろん、諦めずに解明していきますが!

★仲間というのは、22世紀型教育研究センターのセンター長田中歩先生(工学院 教頭)をはじめとする所員メンバーの先生方や田中歩先生の所属する別の研究会のメンバーなどを示しています。

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