2026年9月 4日 (金)

中学受験 学校の選び方の変化(5)将来どんな起業家になるのか 私立学校によって違う

★私立学校の創設者は、元祖起業家といってもよいでしょう。私財をなげうって、生徒の未来を開く事業を起こしているからです。ただし、ビジネス界の起業家は、利潤を追求しますが、私学人は、非営利の事業です。ですからある意味社会起業家に近いかもしれません。

★だからといって、みなそうかとい言えばそうではないのです。前回紹介したように、ピーター・ティールのようなリバタリアンとしての起業家もちゃんといます。エッ!どこにと言われるかもしれません。

★それは私立学校の中学受験の入試広報戦略を見ていれば、わかります。たとえば、東京の場合、一つの学校法人の中学入試は、自分の学校で入試をします。これは東京の私立学校同士の紳士協定です。ですが、出張入試のように、自分の学校と別の会場で行うことを計画する場合もあります。もちろん、事前にそれはわかるので、東京の仲間同士注意喚起をします。

★また、定員の倍近く入学させてしまうという学校もあり、この場合は、次の年から注意するように仲間同士注意喚起があります。

★いわゆるビジネスにおける起業と違い、それほど莫大な利潤がうまれるわけではありません。それよりも私立学校同士の取り決めを破るという秩序破壊を行うということです。

★私立学校はゆるやかな理念共同体です。なぜ共同するのか?それは私学の歴史を見れば明らかなのですが、リバタリアンは、そんなの関係ないというのが信条です。

★私立学校間は、質の競争をして切磋琢磨しますが、出し抜こうということはしないのが通例です。

★しかし、基本私立学校は自由を標榜しますから、私立学校の私学経営権を守りながら、自由に独創的な教育を行っていきます。

★一方で、私学経営権を互いに尊重するというのは、ルールです。確かに国も自治体も決めてはいません。

★このルールを破ったところで、法律的なペナルティはないのです。ただし、市場の評判はどうなるかはわかりません。

★おそらく、市場では、そのようなことに気づきにくく、むしろそのような秩序を破壊する行為を、革新的と評価することもあるでしょう。

★互いの私学経営権を大事にする立場か、自分の学校さえよければいというリバタリアンか。

★これは、何も私立学校のケースにだけあることではなく、市場があるところ、すべてで起こりえます。

★論語とそろばんか、論語と論語か、そろばんとそろばんか。どの自由を選択するか。それは建学の精神がかかわります。

★子供たちの人生は、どの自由を手にするのでしょうか。学校教育という言うのは、そこに影響がないのかあるのか。

★科学的にはエビデンスはなさそうです。。。

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2026年9月 1日 (火)

中学受験 学校の選び方の変化(4)品川女子学院の起業マインド ONETESの記事が気づいたこと

★今やAIソロプレナーという起業家がでてくるほど、スタートアップや起業の大きなそして新しい動きが生まれrて来ています。それに伴い文理融合という考え方も大学の学部学科新設の中で生まれてきています。ONETESの品川女子学院の記事を読み、同校はずいぶん以前から生徒の起業マインドを育てるプログラムを実施ていたなあと思い出しました。そして、そのプログラムの充実が伝わってくる記事であることに気づきました。

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(ONETES記事から)

★昨今のAI時代にあって、起業家というとピーター・ティールを思い出すかもしれません。ニュース解説メディア『The HEADLINE』編集長の石田健さんは、ピーター・ティールらの動向や思想を「カウンターエリート」という言葉を使って解説しています。従来の「リベラルな秩序」(民主主義や資本主義を前提とし、政府・官僚機構・主要メディア・大学などの知的機関を信頼する体制)に対し、エリート的な出自や高い知性を持ちながらも、その既存システムを内側から破壊しようとする人々のことをいっているようです。

★しかし、品川女子学院の起業マインドは、共感力及び内省力を前提とする探究的資質・能力を身につけていくことを意味しています。もちろん基礎学力もしっかり身に着けますから、ある意味知的誠実性のあるエリート育成の教育環境でしょう。

★起業家と言っても、実はいろいろなタイプがあります。生成AIで、ピーター・ティールと違う起業家を挙げてほしいとプロンプトを書き込んだら、次のような表を出してくれました。

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★敵を作らない共感型や社会に貢献する利他主義的な起業マインドもあります。品川女子学院で身に着ける起業マインドはまさにそのような特徴を持っているでしょう。

★もともと私学人自体起業家でした。日本の資本主義の父である渋沢栄一も多くの私学の創立に関わっています。渋沢栄一の思想は「論語とそろばん」です。道徳経済合一論です。品川女子学院も、私学人のそのような起業精神を受け継いでいるのでしょう。

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2026年8月31日 (月)

中学受験 学校の選び方の変化(3)大学の多様な改変にますます接続しやすくなる私立中高一貫校

★最近、大学入試改革や学部学科の再編のうねりがあります。この動きに敏感なのは私立学校ですが、どうも今の大学の様々な改変の動きは、むしろ私立中高一貫校の革新性に、意図的に合わせるように動いているのではないかと思えるほどです。

★もしそうだとすると、中学受験生・保護者は、私立中学を選択するとき、中高の教育環境デザインの変化と大学の多様な改変が連動しているかどうかをまずは調べることも重要になってきます。

★では大学のどんな改変が起きているのでしょう。二つほど例を上げましょう。

★1つ目は、「文系学部」の理系転換や文理融合へのシフトです。共同通信2026年8月26日によると、

 「文科省は昨年、『成長分野転換基金』を活用し、文系学部の理系転換などに取り組む大規模私大に対し、1校当たり最大40億円を支援する制度を創設した。これまでに早稲田大、慶応大、上智大、学習院大、明治大、青山学院大、中央大、法政大、関西学院大、関西大、立命館大が活用の意向を示しているという。」

★首都圏と関西地方の大規模私立大11校が、理系学部の新設・定員増を含む拡充や、文理融合教育の導入を検討しているわけです。文系学部の定員削減も目的にしているところは、人工知能(AI)などの進化には、哲学も関連しなくてはならないから、多少疑念が残りますが、日本が国際競争力で再び油井に立つために理系人材育成は必要だということでしょう。

★一方、私立中高一貫校は、AI時代に合って、AIの回答を鵜呑みにせず、自分のもの見方・考え方を豊かにしていくためのツールとして活用する授業が開発されつつあります。STEAM教育やアントレプレナーシップを行っている私立中高一貫校は、データサイエンスにも取り組んでいて、結果的に理系人材育成や文理融合プログラムの開発をすでに行っています。したがって、おのずと先述の11大学の改変につながっていきます。

★もう一つは、ずばり国際競争力をけん引する取り組みです。筑波大学のサイトにはこうあります。

理工学群と情報学群も文部科学省「国際競争力けん引学部等」に認定されました 2026.08.27

文部科学省の「国際競争力けん引学部等」の認定制度について、この度、理工学群、情報学群が認定を受け、すべての学群(医学群医学類を除く)が認定を受けました。

筑波大学は、日本に異なる価値観をもたらし、日本の良さを理解し、日本ならびに世界で活躍することを目指す外国人学生と、世界から学び、世界に発信し、世界と渡り合い、日本を再び世界を先導する国にすることを目指す日本人学生とが、対等な条件で切磋琢磨し、相互に理解と信頼を深め合う国際的な多文化共修環境を創り出し、世界をリードする有為な若者が成長する大学でありたいと考えております。
今回の認定を受け、多様な学生が集う多文化共修環境のいっそうの充実を図り、その実現をさらに加速させてまいります。

★首都圏の私立中高一貫校の40%強が、すでに海外大学進学を実現しています。そんなことでは頭脳が世界に流出する波をつくるのではないかとかつては言われていましたが、実は、海外大学進学準備教育は、英語教育だけでは成り立ちません。海外のハイレベルの学校のレベルと目線合わせをする豊かで高度な教育環境デザインを整えているから可能なのです。

★そして、その延長上には、海外の生徒の留学を可能にする教育環境デザインに到達します。大学が国際競争力をけん引する学部を作る前に中高が先行してしまうでしょう。当然、海外の大学に進学する生徒もたくさん出てくるし、筑波大学のように国際競争力けん引する学部に進学する生徒もたくさんでてくるでしょう。

★つまり、国内外の先進的な研究をする大学に接続しやすくなるのです。

★じゃあ、そのような私立中高一貫校はどこにあるのか?いずれご紹介していきましょう。

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2026年8月30日 (日)

2026東京都私立学校展 2日間で 参加者45,000人超える

★昨日29日(土)と本日30日(日)の2日間、東京国際フォーラムで、恒例の東京都私立学校展が開催。両日で受験生・保護者の参加45,000人を越えました。両日とも開始から最後まで、キャンセルが少なく、もし予約制でなく、自由に往来できたとしたら、50,000人は超えていたでしょう。ただ、会場の安心安全な環境条件を遵守するために、予約制にしていますから、それはできなかったのです。

★いずれにしても、この勢いは、少子化に突入している日本において、教育に力をいれたいという時代の要請と保護者のニーズが合致しているといえるかもしれません。

★そして、各学校のブースでは、若い情熱のあるそれでいて柔らかい、つまり寛容力のある先生方が熱心に説明をしていました。もちろん校長やベテランの先生方も混じっていましたが、若い先生が学校の魅力を表現する様子を応援していました。

★どこの学校でも英語に力を入れ、探究や高大連携に力を注いでいます。そうなってくると、生徒1人ひとりのポテンシャルを開放し、才能が育つ多様な学びの経験をコーディネートしたり、相談に乗るメンターの力のある教師の存在が学校の魅力を映し出します。

★言うまでもなく、教師のその魅力は、それぞれの教師みな違います。その違いが学校の魅力の違いを映し出す時代がやってきたといえます。

★各学校の理事長・校長は、どれだけ魅力的な教師をそろえ、各教師のポテンシャルが開かれる組織マネジメントをするかがカギです。それによって、学校の魅力のパワフルさは違ってくるでしょう。

★そして、そうでない組織だったとします。その時、そのような組織をボトムアップ的に作っていく力を教師が持っていることも必要かもしれません。

★経営者から見ても、教師自身から見ても、教師の魅力をどのように豊かにしていくか、AI時代は、結局そこに行きつくはずです。その兆しが、東京私立学校展の会場に広がっていたと感じ入りました。

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駒沢学園女子 9月5日(土)中学説明会でAI体験!大切なアイデンティティ問題をAIを通して

★9月5日(土)、駒沢学園女子は中学説明会を行い、AI体験のセミナーも実施するようです。今や教師が生成AIを活用する学校はほとんどといってよいでしょう。しかし、生徒が授業の中で知のパートナーとして使う学校はまだまだ少ないのです。そんな中でKOMAJOは、いち早く活用しました。

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★それはなぜかというと、自分を見つめ他者に左右されない自分の核となる基準が育つ環境があるからこそなのです。生成AIを鵜呑みにしない自分が育つ学校だからこそというわけです。

★今回の生成AI体験も、本物か偽物かをさぐる「AI探偵」をゲーム感覚で行うでしょう。これは楽しいセミナーですが、その背景には、自分とは何か、本物とは何かというアイデンティティ問題でもあります。楽しい向こうに本質が見え隠れします。さすがです。

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★それにしても、インスタグラムで、数学の先生と国語の2人の先生がコントよろしく今回のセミナーの予告をしているのが、なんとも微笑ましいですね。

★普段まじめな先生方なだけに、ちょっと驚きなのですが、普段の授業もまじめと遊びの両方が展開しているのでしょう。だから駒女の授業はおもしろいのでしょう。

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2026東京都私立学校展 1日目 参加者22,000人超える

★昨日29日(土)、東京国際フォーラムで、恒例の東京都私立学校展の1日目が開催。受験生・保護者の参加が22,000人を越えました。本日2日目が行われますが、昨日同様すべての時間帯の予約は満席です。両日合わせると、50,000人近くになるかもしれません。東京ドームの観客席が55,000あるといわれていますから、2日間で東京私立学校展に訪れる人数は、東京ドーム1つ分ということになり、かなり多いということになりそうです。

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★私は、総合案内に1日詰めていましたから、各学校のブースでの具体的様子はわかりませんが、各学校の先生が交代するタイミングや帰り際に何人かの先生が様子を知らせてくれます。

★5月は中学入試の受験生対象の私学展で、今回は中学入試・高校入試の両受験者対象です。小6の中学入試における学校選択は6月に1つ目の大きな山を迎えますから、5月に行っています。高校入試における学校選択は9月以降に1つ目の山を迎えますから8月に行っています。ですから、高校入試対象の中学生のほうがたくさん訪れているということです。

★高校入試の学校選択の特徴は、大学附属及び系列校に人気が集まりますが、スタートアップやプログラミングに興味を持つ中学生も増えているようです。何より英語に力を入れている学校はどこかと探している受験生が目立ちますが、総合案内にどこも英語に力を入れていて、違いを見極めるポイントは何かと尋ねに来る受験生も多かったです。

★弓道、バレーボール、陸上、音楽など部活や芸術に力をいれている学校について教えてくださいと尋ねてくる受験生もいました。東京の私立学校はその多くが全日制なので、その質問に回答するのはなかなか難しいと感じました。もちろん、知っている限りで参考程度という限定付きで回答はしましたが。

★中学入試の方は、英語の試験や英語資格利用入試を行っている学校のリストはないかという質問もありました。総合案内は進学相談ブースではなく、あくまで各学校ブースがどこにあるかという質問があったときに案内する役目ととときどき立ち眩みなどする生徒さんを救護室に車椅子などでサポートする役目が主な任務ですから、そのような情報は用意していません。ですから、今や多くの学校が行っているので、各学校のブースでじっくり説明をお聞きくださいと回答しています。

★私学展の主催者の1つである公益法人東京都私学財団は、授業料の負担軽減の助成について説明するブースを開いていますが、ここも説明を聞きに来る方が昨年に比べ増えたということでした。東京都の私立高校の説明に他県からも多く来ています。負担軽減の助成は国からも出るようになったため、他県からも東京の高校をうけてもそのメリットを活用できるわけです。たしかに、高校入試における選択の幅が拡大したことが、今回の参加者増の一つの理由かもしれません。

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★例年に比べ、参加人数が多かったのですが、体調不良を訴える方も少なく、1日目は無事終了しました。

★そうそう、私立学校展は、東京の私立学校が一堂に会するので、多くの先生方と瞬間的ですが対話ができます。時間が短いので、端的に最重要な事柄が交わされます。今年も明確に今までと違う新しい教育価値が生まれていると感じました。それはいずれまた。

 

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2026年8月28日 (金)

湘南白百合学園に見る「学びの場」の進化 ―「進路スペース」新設が示す意味

湘南白百合学園中学校・高等学校が、校内に新たな学習・進路空間「進路スペース」を開設したと、同校サイトで公開されています。「またひとつ、学校空間の意味が更新された」と感じました。

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(写真は、同校サイトから)

★多くの学校にとって「学習環境の整備」とは、教室や図書室を充実させることとほぼ同義でした。しかし湘南白百合の歩みには、もっと踏み込んだ発想があります。生徒自身がリノベーションを手掛けたという「リリースペース」、静寂の中で自己と向き合う「メディアネットラボ」や「高3専用自習スペース」、現役大学生メンターという斜めの関係性を持ち込んだ「学習サポートセンター」。これらはすべて、学びを単一のモデルに閉じ込めず、生徒の状態やフェーズに応じて「学び方そのものを選択できる」構造をつくってきた実践だと言えるでしょう。

★そこに今回、「進路スペース」が加わった意味とは何でしょうか。

★第一に注目したいのは、この空間が「情報」と「対話」を同居させている点です。気になる大学のパンフレットを自由に手に取れる環境は、進路情報へのアクセスを日常化する仕掛けだと言えます。従来、大学案内や進路資料は進路指導室という特別な場所に集約され、自発的に足を運ばなければ出会えないものでした。それを開放的な空間に置くという発想は、進路情報を「非日常」から「日常」へと引き寄せ、偶発的な出会い(セレンディピティ)を設計に組み込んだものと評価できます。

★第二に、この空間が「教え合い、語り合いながら勉強を進められる」場として設計されている点も興味深く感じます。進路選択は本来、極めて個人的な営みでありながら、実際には仲間との対話の中でこそ輪郭が定まっていくものです。「自分は何を学びたいのか」「なぜその大学、その学部なのか」という問いは、一人で机に向かうだけでは深まりにくいものです。仲間の言葉を鏡にしながら自分の考えを言語化していくプロセスこそが、探究的な進路形成の本質だと言えるでしょう。この空間は、その対話の土壌を意図的に用意したものだと考えられます。

★そして第三に、最も本質的だと感じたのは、この進路スペースが高校生フロアにありながら中学生にも開かれているという点です。ここに、湘南白百合の教育観がもっとも色濃く表れているように思います。

★一般に、進路教育は高校生になってから本格化するものと捉えられがちです。しかし実際には、将来への意識の芽生えはもっと早い段階から始まっています。中学生が、パンフレットを手に真剣に語り合う高校生の姿を日常的に目にするという経験は、進路指導という「制度」ではなく、先輩の後ろ姿という「学校文化」を通じて未来像を獲得していくプロセスにほかなりません。これは教育学で言うところの正統的周辺参加、すなわち共同体の中心的な実践(この場合は進路を主体的に考えるという営み)に、周辺からじわじわと関わっていく学びのあり方そのものだと言えます。中学生は指導されるのではなく、先輩たちの実践に触れることで、自らの未来を「自分ごと」として引き受けていくのです。

★こうして見ると、湘南白百合が積み重ねてきた一連の空間づくりは、単発の施設投資ではなく、一貫した設計思想のもとに展開されていることがわかります。すなわち、「学びの主導権を生徒に返す」という思想です。対話するか、集中するか、相談するか、自分と向き合うか、そして将来を思い描くか ― そのすべての選択権を生徒自身に委ねながら、学校はその選択を支える環境を静かに整えているのです。

★こうした空間の連鎖が持つ本当の意味は、単に多様な学びの場を並べたことではないように思います。それぞれの空間で重ねられる仲間との対話や試行錯誤の過程そのものが、生徒の内面にものの見方や考え方として蓄積されていく点にこそあるのではないでしょうか。快適な施設を整えるだけでなく、そこで過ごす時間が生徒の人間力(=脳神経身体全体)を形づくっていくよう設計されているかどうかは、これからの学校選びにおいても重要な視点になるはずです。湘南白百合の真の革新性は、そうした教育空間への視点を、毎年少しずつ更新し続けている点にあると言えるでしょう。

 

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中学受験 学校の選び方の変化(2)GMARCHの附属中学が人気の本質的理由

★GMARCHの附属や系列の私立中学が人気である理由は、受験業界的には、GMARCHという大学ブランドによるというものが多いでしょう。それはたしかにその通りでしょう。それに、2027年以降の大学入試改革の加速をけん引している大学の中に、たしかにこれらの大学も入っています。中学に入学して6年を経て卒業するときも、アップデートし続けている確率がかなり高いわけですから、少子化リスクを回避できる安心感があります。

★しかし、本質的な側面から見ると、もっとおもしろいわけです。国際バカロレアのDPが2028年からSTP(Systems transformation pathway)というPBLを導入するとあるのですが、GMARCHの附属あるいは系列の中高は、すでに相当濃密な探究や論文作成を行っています。

★もちろん、この教育活動は付属の大学につながるキャリア教育の一環でもあります。IBのSTPも世界大学ランキング100位以内の大学進学につながるキャリア教育でもあります。しかし、GMARCHにしてもIBにしても、そのキャリア教育だけを目的にしているわけではないでしょう。

★生徒が、好奇心をいだき、自分なりに発見したものやことを探究活動へと進め、自分が没頭できるような世界を広げていく学びは、難局に遭遇した時にも、それを自分の生きる糧へ転換させることができるでしょう。

★それは生徒自身にとって唯一無二の最高の学びです。

★そんな本質的な教育がGMARCHの附属あるいは系列校で行われています。それは生成AI(AIモードのGoogleサーチエンジン)で、シンプルにというかざっくり「GMARCHの附属あるいは系列の中高で一生ものの探究を行っているところはどこですか?」と、こう出てきます。

GMARCHの附属・系列校のなかで、受験勉強に縛られない環境を最大限に活かし、大学や社会でも通用する「一生ものの探究」を実践している代表的な学校として、中央大学附属中学校・高等学校と明治大学付属明治高等学校・明治中学校(明大明治)の2校が挙げられます。これらの学校は単なる調べ学習にとどまらず、「1万字以上の本格的な論文執筆」や「大学院レベルの思考・データ分析」をカリキュラムに組み込んでいる点が特徴です。

★そして、それぞれ詳しく説明してくれます。ですが、GMARCHの系列で他の学校はと聞くと、結局すべて行っているとずらずら詳しく説明してくれます。そして、次のような簡単な比較を並べてくれます。

中央大学附属 学術・論理(SSH) 1万字の論文を書き切る圧倒的な論理思考力・アカデミックスキル

明治大学付属明治 データ・起業(創発) オープンデータを分析し、社会課題をビジネス視点で解決する実践力

法政大学系列 社会・批判的思考 正解のない問いに立ち向かう批判的思考力と、社会へ届く発信力

学習院系列 伝統・リベラルアーツ 大学の学問に直結する先行研究の調査力と、深い知的探究心

立教系列 リーダーシップ・卒論 他者と協働してプロジェクトを動かす力と、卒業論文の執筆経験

青山学院系列 奉仕・国際・社会貢献 現場の課題に寄り添う高い共感力と、国際社会で動くための行動力

★そして、おせっかいにも、どれを選ぶべきかまでのアドバイスをしてくれます。

★もちろん、鵜呑みにはできないのですが、各学校のサイトやその学校を取り上げたサイト上の記事を読み込んで整理してくれるので、大いに参考になります。

★普段からすべての学校に意識を向けているわけではないので、自分の知らない情報もいっぱいあります。

★関心を持ったなら、学校説明会や合同説明会に足を運び、耳を傾けたり質問してみたりしたら、より重要な情報を得ることができるでしょう。

 

 

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2026年8月26日 (水)

中学受験 学校の選び方の変化(1)生成AIを使う

★8月29日、30日、東京国際フォーラムで、一般財団法人東京私立中学高等学校協会主催の私立学校展が開催されます。今年は、午前から午後まで、すべての時間帯の予約がすでに満席になっています。毎年多くの受験生・保護者が参加しますが、ここまで満席になることは初めてでしょう。中学入試と高校入試の両方をカバーしているので、もしかしたら全国的に実施されるようになる高校の授業料負担軽減が他県からの参加を誘引しているのかもしれません。もちろん、実際のところはわかりません。

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★ただ、次期学習指導要領や東京都が高校の改革を頻繁に発進しています。大変よいことですが、一方で、その前提に少子化でどのように有効な統廃合ができるかがあるのではないかという不安もよぎります。

★また、私立学校の先進的で先見性のある教育の後追いである図柄も見えていますから、ならば私立学校をしっかり見てみようということもあるかもしれません。

★とはいえ、どう見たらよいのか?ここ10年で、私立学校は本当に変わりました。大学合格実績を出すエンジンはさらに効率のよいものいなっていますし、さらに探究やグローバル教育やSTEAM教育が拡大し深化しています。

★そしてそれが2027年から始まる大学入試改革や理系や文理融合の学部学科再編にストレートに接続するアドバンテージにもなっています。保護者が受けてきた当時の教育とは違いますから、新しい視点をゲットする必要もあります。

★そんなとき、生成AIが最近では重宝されています。Googleの検索エンジンはAIモードですから、たとえば、「〇〇区の私立学校で英語に力を入れている学校は?」と打ち込むだけで、すぐにでてきます。

★塾などの受験相談でそんな大雑把な質問はまず投げかけないでしょう。もう少し絞るでしょう。そうでない場合は、塾の先生から英語教育のどんな点に関心を持たれていますかと視点を提示してもらえるでしょう。

★しかし、生成AIは、おかまいなしに答えてきます。そして、どんな視点でさらに探しますかとか質問も投げかけてくれるので、その例にならっれて、打ち込む方もいろいろな視点で聞いてみます。すると一回目のプロンプトで回答してきた学校とはまた違う学校がでてきます。そのような生成AIとの対話というか壁打ちをすることによって、どのような視点で学校を探せばよいか自ら視点をゲットできます。

★ですから、上記のような合同相談会にいっても、今までは違う視点で学校を探すことができるでしょう。

★生成AIの推奨が本当かどうかは、実際にリアルな学校の先生と対話をすることで了解できます。

★学校側も、サイトの記事の書き方が変わってきています。イベントの事実だけではなく、その目的や生徒の成長にどうかかわっているかなど付加価値を丁寧に描くようになってきています。

★また、そのサイトも参照しながら情報誌のライターは取材をしながら記事を書きますから、かつてのようにどの記事も同じような内容ということがなくなり始めました。

★生成AIは、このような学校サイトや記事を読み込んで、分析してくるので、私立学校の独自の魅力に磨きがかかります。そして、多様な合同説明会がありますから、記事情報とリアル情報が一致するように日々努力します。

★ですから、受験生の保護者が生成Aiをうまく活用し、実際に学校説明会や合同説明会に参加することで、私立学校の教育の質向上に作用している可能性があります。教育の質が市場の健全な学校選択活動によって支えられていくとしたらすてきなことですね。

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2026年8月25日 (火)

【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院

IB(国際バカロレア)のサイトを見て、驚きました。革新的なカリキュラムを2028年にIB認定校に広めるというのです。いったいそれは何かというと、STPであり、要はPBLです。このことについて、工学院の田中歩教頭と対話をしていて、工学院は10年以上前から開始して、いつの間にかIBの革新を先取りしていたのかと、二人で驚嘆していました。同サイトにはこうあります。

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国際バカロレア(IB)と共同で先駆的に開発された「システム変革パスウェイ(Systems Transformation Pathway:STP)」 は、生徒が完全なIBディプロマ資格を取得しながら、気候変動、生物多様性の喪失、エネルギー転換、大規模な移住、水資源の不足といった地球規模の課題に取り組むことを可能にする、新しく革新的な教育課程です。

本プログラムの最初の2期の卒業生たちは、ケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、ブラウン大学、プリンストン大学、スタンフォード大学、香港大学 をはじめとする世界各国の大学への進学を果たしています。

STPは目覚ましい成果を示しています。ケンブリッジ大学 はSTPの影響を研究するために本プログラムに参画しており、その報告書ではSTPを「教育の未来のための設計図(blueprint for the future of education)」として高く評価しています。

さらに、2023年に本校とともにこのパイロット・プログラムを開始した国際バカロレア(IB) は、2028年までにSTPをすべてのIB認定校へ展開する計画を発表しており、これを「IBのイノベーションにおいて数十年ぶりの最も重要な節目」と位置づけています。

★このIBが考える「教育の未来のための設計図」は、すでに工学院では、10年以上前にデザインされ、今や中1から高3まで、学年に応じたPBLが国内外で実施されています。もちろん、テーマは様々ですが、基本SDGsはカバーしていますから、IBが考える地球規模の課題には当たり前のように取り組んでいます。

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★田中歩教頭は、「世界の最高の学びに追いつき、独自の境地に達しようと、生徒中心主義の学びを行ってきましたが、すでにそこに達している可能性があると改めて感動です。たしかに海外大学進学実績も伸びてきています。質を高め続けることがこれからのミッションです」と。

★中学受験生の多くは、このIBの革新性を先取りしている工学院の偉業についてまだまだ気づいていません。私が田中歩先生と10年以上も対話をし続けてこれたのは、なんて凄いことなのか!感動です。

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